なーんかな. わし, 子供の頃, ムーミンってすげえ恐かったっすよ. てゆうか, ムーミン谷だけは, 絶対行きたくなかったす. ムーミン谷に取り残されたらどうしよう! とか考えると, 悪夢にうなされたりもしました. 夜, 寝るときに, 朝起きたらムーミン谷だったら..... と 考えると不安で眠れなくなりました. 今でも恐いっす.
ムーミン谷の, どこが恐いのか? まず, ムーミンが恐いす. 抽象的なオブジェみたいな形も恐いが, 何故か, わしには, ムーミンの足は, 実は地面に付いてない. 歩いているときも, 常に 5mm くらい地面から浮き上がっている, という先入観があって, それですげえ恐かったのだ. 理不尽な先入観だが, そういわれると, なんか直観的にそういう感じ, しないですか? ムーミンって, 絶対足が地面に付いてないっすよ. まじで.
だが, それ以上に恐かったのは, スナフキンである. これがマジで恐かった. 何故か?これも俺の理不尽な先入観なのだが, 奴は, ギンユウ詩人 (漢字出ねえや) などと称しているが, 実は, 捕食動物なのだ. マジ. 絶対. そして主な餌は, そりゃ当然 ムーミンである. それから, あの長い外套の下には, 実は胴体は入っていない. あの下は虚無であり, 世界の全てを無に帰す秘密が隠されているのだ. おっかねー! なんて恐ろしい奴なんだ!
なんで, ムーミンはスナフキンと平気で一緒に暮らしているのか? 何故そんな剣呑な奴をさっさと追い出すか, 逃げないのか? ほらほら, 喰われちまうぞ. てゆうか, ちゃんと地面歩けよ! とか考えると, 恐ろしくて我慢できません.
ムーミン谷はどこにあるのか? 当時は見当もつかなかったが, 今はわかるぞ. はっきりとな. ムーミン谷は, ウクバール北部にあるのだ.
というまんががウルトラジャンプという雑誌に連載されておる. 主人公がチューリング. チューリングといえば, 比較的ポピュラーなのが 「計算する機械と知能」だが, このまんがもそういう路線. そういうこと, つまり, 有限状態の離散機械を 適切にプログラミングすれば, 人間の知能とどうこう, みたいな話しを 考えたのは, 彼が最初ではない. 最初ではないが, ああいう風にきちんと考えたのは彼が最初である. だから, チューリングは間違い無く, 人工知能の元祖の一人といえるね.
このまんがの面白いところは, 若干パラレル ワールド的な 設定になっていて, コンピュータがバーベージの解析機関の延長上に 発展したものだったりするのだ. つまり, メカニカル 計算機なのである. ジー. ガチャガチャ. カチカチカチ.
作者は違うペンネームで違う方面でも活躍していた人だが, 作風は同じで, なんというか, 読むと, ちょっとささくれだって痛い感じの 筋の話で, コマ割りも若干読みにくい.
本もののチューリングは, どうも, 人間なみの受け答えなどを 真似できる機械あるいはプログラムを書けるようになると 考えていたようだが, まんがの方は, どうもその辺の立場は曖昧だ. きっと作者がこの問題に対して曖昧なのだろう.
でも, なんか面白いと思ったので, 久しぶりに漫画雑誌を買ってしまったよ.
それで, 俺はどうかって? そりゃ何を模倣するかによるね. 簡単に言えば, 俺より (そして, 大抵のプログラマより) ゲーデルの方が頭が良いんだから, ゲーデルの代わりをする プログラムは原理的に書けないわけさ. 「人間一般」を模倣するのも無理. つまり, 問題がちゃんと決まってないと, なんとも言いようがないね.