うなぎのよろこび


ガキのころ、動物図鑑のウナギの仲間のページが好きだった。 一般に長い動物 (蛇とか) が好きだったが、 ウナギの仲間は特に良い。

何がいいのかというと、 筒状の穴に収まって顔だけ出してるところとかが、良いのだ。 水族館とかで土管を積み上げた巣から顔をだしているうなぎたち (あなごだったかもしれん) をみると、もうたまらんで。 ガキのころ、水族館にいくと釘付けになる水槽が幾つかあったが、 うなぎはその一つであった。

うなぎが筒の中で幸せそうなのが、うらやましくてたまらなかった。 こうなれば、自分もうなぎのように筒の中で幸せに暮らしたい、 という欲求が発生するのは自然である。 あの、筒にすっぽり収まって、顔だけだして暮らしたい! (←やっぱ変かね。)

そのような欲求が発生すると、それをそのまま実行にうつすのが 私の性格ですから、とりあえずは人間がすっぽりおさまりそうな 土管をさがすわけですな。子供だから、直径 50cm くらいの 土管がちょうど良い。工事現場とかで、そういうものを見付けたら、 もぐり込んでみる。で、顔だけ出してみたりしてね。 ところが、これが残念ながら、考えていた程は幸せではないのだ。

その理由は、今考えると自明で、土管は人間が暮らすようには作ってない からなのである。

じつは、土管の中の鰻の気持を理解する一番良い方法は、 布団で「すまき」になることなのである。 すまきになって、顔だけ出してると、あの鰻のきもちがよくわかる。 どういう気持かというと、これを一言でいえば、「すごく幸せ」である。

ところで、最近は蒸し暑いので、布団ですまきになろうものなら 暑くて死んじまうからそんなことはなかなかできない。 そのかわりフルチンで寝ても平気なんで、そりゃそれで良いんだけどね。


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