ところで おフランスといえば「ベル薔薇」とか「シャネル」とか 「モネ, ルノワール 以下略」であるが, そういう偏見は せつねいので 止めた方がいいかも. おフランスはヨーロッパ有数の工業国であり, 自前で戦闘機を作り (しかも それを中東に輸出しまくり), ロケットも打ち上げまくりである. クライミングも非常に盛んで, 俺が気に入って使っている道具の多くは おフランス製である. ちょっと数えただけで
しかしそもそもなぜ citroen と emacs なのか? この 2つが関連して語られる文脈というのは一体何か? つうか, 何か関係があるんか? というかなんというか, その話の続きというかアレですな. mrmt さま. コラム 「emacs ユーザのための citroen 」書いて下され.
emacs ってのは unix でわりと流行っているエディタで, 正確に言うとエディタの皮をかぶった LISP インタプリタである. 使ったことの無い人や LISP の経験が無い人ににこれを説明するのは 難しいな. 普通の軍隊では, 銃弾とかミサイルを使い分けているが, えまくす 軍の武装は, 小火器からナニから全部ロケット推進の誘導ミサイルだけでできている. って感じですかね. ← つうかそりゃ, どういうたとえだよ?
そんな軍隊ねえから, emacsに似ているのは emacs だけだ, てゆう感じなんだが, なーんかつながりがありそうな感じがするのが, citroen という車なのだ. この会社の車はサスペンションの作りが変わっていて, バネじゃないのだ. 油気圧システムサスペンションなのである.
フツーの車はタイヤと車体の間にバネがついている. バネが無いと乗りごこちが悪いし, デコボコ道やカーブでタイヤが 地面から離れてしまい, 非常に具合が悪いからな. ところで, citroen の場合は, そのバネがあるべきところが 油圧及び気圧の複合超絶メンドクセエ システムになっているのである.
バネは, 簡単だし壊れないが, 馬鹿であり, いつでもどこでも 同じサイズで同じバネ具合である. 一方, 油気圧システム (以下 ハイドロ と呼ぶ) は, 効き具合のバランスを 調整できるので, バネ具合を強めたり弱めたり車高を上げたり下げたり でき, あらゆる最適なポジションと乗り心地を実現できる (ということに なっている).
というわけで, 車がちょっとしたデコボコを乗り越える時に, いちいちハイドロが 作動して, 圧力があっち行ったりこっち行ったりしている. これが, citroen のサスペンションなのである. その, 非常に高度で汎用的なメカニズムが, あらゆる瑣末なデコボコを含めた いろんな路面状況に汎用的に対応する. というところが, emacs がいちいち, 一つのキー入力に際しても LISP の eval-print ループを 回しているのと重なるのである. いわゆる一つの, 「あらゆるハイドロ= eval 現象」とでも言うべきものが 起こっているのだ.
だが, 重なるのは, そういう実際のテクノロジの動作状況だけではない. 実際, この動作状況が似ている, という現象は, 表面的なものでしかない, とさえ言える. その基礎には emacs-citroen 連合体を, そのようなものとして存在させている, テクノロジに対する一貫した姿勢というものがあるのだ. そういうものが, この神秘的なまでに複雑怪奇な機構達 (複数形だ) の背後に流れているのであり, その姿勢こそが, 必殺なまでに複雑化したシステムを完成させた動機なのである.
テクノロジには, 今ある問題を有効に解決するために作られるものや, 売れているモノをマネして作られるものなど, いろんなのがあるわけだが, そのなかに, 「あるべき姿」を示すために作られるものがある. これが, 未来を見ているテクノロジである.
そういうテクノロジは, 何年たってもかっこよく, イカしており, いつまでも新しい. そういうテクノロジが幾つかあるでしょう. emacs や citroen 以外にも. メロトロンとかロータリーエンジンとか.
現在を見ているテクノロジは, 時間とともに速攻で風化し, ちょっと時間が経つともう, アホらしくて見る気もしないっつうか, そもそもだれも憶えていないというか, そういうものだが 未来を見ているテクノロジは, なんせ 向いている方向が未来だけに, 時間が経って第一線では役に立たなくなってもなお, テクノロジに関わる者としては, その前に立つと 心洗われると申しましょうか何と言うか, ついキヲツケをしてしまうのである. 製品は古くなっても, その, 明確な方向性というかコンセプトの持つ インパクトは失われず, わしの魂をスルドクえぐってくるのだ.
もうオチは判るべ. わしは, (そして多分 mrmt さんも) この, 「あるべき姿」という奴に 「じーん」ときてしまうわけですよ. たまに, 深刻な drawback があったりするが, それを甘んじて受け入れてもなお, あるべき姿を追求することを一瞬たりとも忘れないという. つうか, こういうも(以下略
それじゃあ一体, なんでそういう革新的なモノが好きな人が, unix クローンなどというカビの生えたモノに群がって, 日夜時間と気合いを投入し続けているのであろうか? 謎である. そりゃヘンじゃねえか. どういうことだ? これは, 応用問題として読者に残しておこう. てゆうか, そんなの Eric Raymond の文章を読んでる人には自明だけどね.
う. 今すげえむかつくことを思い出して, アールグレイにスコッチをドバーっと入れてイッキ飲み. てゆうか, ここ数日, ものすげえストレスがたまってますよ. ヤバいですよ?
わーい. とりあえずひとつ, チンゲンサイの花が咲いたもんね. こんど写真をスキャンして掲載するかも. でもめんどくさいのでしないかも. (だったら書くな) せっかくだからこんど. 画でも描くか. 花は菜の花みたいな黄色で大きさは 2cm くらい. 花びら4枚. わさっと 何個かツボミが固まっているのだ.