憎悪のダメ特集


アヘッド式オーバーサイズカーボンコラムでヘッドパーツ内蔵

プレッシャープラグ式のアヘッドの蓋の仕組みを理解するのにかなり 手間取った. 蓋から回せる螺が 5mm と 6mm の二つあるというのにやっと気づいたよ. わはは.

やー, こりゃヘッドパーツの調整むちゃくちゃ簡単です. つうか, 調整するところがない. 単に締めるだけ. こりゃアホでもできるぞ.

六角レンチだけで簡単にフォークまで抜けるし, ベアリングはフレームのヘッドチューブの皿に乗ってるだけだから この交換には工具すら不要. コースによってフォークを使い分けるなんてことも これなら簡単だぞ.

新チャリは, ハンドルを下げ, フォークコラムを適切な寸法に切ったので, 全体のスタイルがこれで決まった感じだ. 部品の選択や色彩デザインもあいまって, むちゃくちゃ凶暴な印象.

サドルはびょえーんと飛び出し, ハンドルはステムの下に 10mm のスペーサ一枚きり. これでポジションがちょうど出る. 俺の寸法に合わせて作ったので, 当り前なんだけどさ. むー. 美しい. 完璧である.

ダメ

さて, 新しいチャリができるまで, 素晴らしい工房や 親切で楽しいショップに散々お世話になったわけで, 非常に楽しい経験でした. しかし, 良いことばかりあったわけではない. 世の中, そんなにうまくいくわけないっすよね. つうわけで, 俺が今回, 新しい自転車を作る上でお世話になった, ダメなショップとビルダーを紹介しよう! 勿論, 実名だ.

まず, ダメなフレーム工房から. 大門の栗田. ブランドは「メビウス」だ. ここはまるきりダメです.

第一に, 偉そう. オヤジの言うことが, いちいち頭に来る. ここでフレームを組むつもりなら, 丁稚奉公 に入る気概が必要と思われます.

俺が乗って来たロードレーサーが店内に停めてあるにも関わらず, 採寸台. あのスポーツジムにある走らないチャリに定規が付いてるようなやつ. あれに乗せて採寸しようとする. しかもペダルには全く負荷がかかってない. あんなヘタレた採寸台で一体, 何が判るのやら. 普通, 今乗ってるやつの寸法とるだろ.

おっさん, 俺の脚が長いのが気に入らないみたいで, どーしてもサドルが高すぎると言いたいらしい. 「自転車に跨った状態で, 両足先が地面に付かないダロ」とか 言ってます. そりゃつくわけねえよ. 俺の 3RENSHO はハンガー下がりが 60mm だからな. つまり, 栗田は根本的にフレームのスケルトンというものを理解していない.

「登りのフォームってのはこうじゃなきゃ. あなた, こんな風に走れる?」とかいって, 引っ張り出して来たのが Eddy Merckx がアルプス走ってる写真. ワラタヨ. メルクスみたいに走れたら, ここでこんな落書き書いてないってさ. いや, まじで.

パイプはカイセイの 019 と 021 のどちらかしか 選べません. それしか在庫してないもよう. 俺が, 今乗っているフレームが 017 (もっと軽いパイプ) で組んであり, 登りの速い軽いフレームを組め, と言ってるにも関わらず, 019 ときたよ. ひとの話を聞けよ! じゃなきゃ「017 みたいな薄いパイプ, 溶接できましぇーん. 20年まえの 3RENSHO より速いフレームなんか組めましぇーん.」 と正直に言え!

しかも高い. DURA-ACE なら最低, 予算 50万とかぬかしてやがる. 「ラグレスは 20万円だが, 作るの大変だからやらない」とか 訳の解らないことも口走ってました.

campagnolo のカーボンピラーはアルミのカーボン巻だとか, カンパのホイールにシマノのコグはうまく動かないとか, ほとんど電波みたいなことも口走ります.

あげく, 不良在庫のシマノの激ダサなレーサー靴を 「安くするよ. 2割引」とか言って売りつけられそうになったので, 退散しました. 笑.

次は, ダメなショップ. prop cycle. 首都高 6号目黒線が目黒通りと交差するあたりにある いつも暇そーにしてるスカした店.

店主とメカのオヤジの二人でやってるんだが, どう考えても商売が成り立ってるとは思えない, 謎な店だ. 店主は, なんだかミョーにかっこつけた変なオヤジで, 自転車に詳しいのか疎いのかよくわからんとらえどころの無い奴. ま, こいつは置いといて, メカの大貫ってオヤジがひでぇんだ. みんな, こいつにだけは自分の自転車を触らせちゃいかんよ.

俺のチャリが届いた日がちょうど具合が悪くて, ユキリンの休みの日だったわけ. でも, ポジションとか出たし, 出っぱってるフォークコラムは すげえダサいから, 切りたくて我慢できなくなっちゃったわけです. そんなときは, 大人しくナルシマに行けば良かったのですが, 途中にあるこの店にうっかり入ってシマタのが運のつき.

まず, アヘッドをバラしてコラムがカーボンなのを見て, 「あー!カーボンだよ.」 とかいって, 引いてます. カーボンコラムをほとんど触ったことが無いと見た.

コラムの切断に, パイプカッタを使ってます. 俺も良く知らないのですが, たとえスチールのコラムでも, ユキリンでは絶対にフォークコラムを切るのに パイプカッタなんか使わない. 切断面が変形するからな. パイプカッタは, 固着して動かなくなったママチャリのステムを 切断するときに使うぐらいだ.

何か変だなーとは思ってたんですが, 案の定, パイプの切断面が変形して, プレッシャープラグが入りません! 笑. そんなの当り前だろ! 馬鹿じゃねえのか!

とか笑ってる場合じゃねえよ. フォークがダメになったら自転車走らねえよ.

それで, おっさん, 言うことがいいよ. 「ミズノのフォークはコラムがバテッドなんだよ. だから, 奥の内径が狭くてプラグが入らないんだ」

プレッシャープラグが入らないので, 花みたいな形のアンカーを打とうとしてます. カーボンコラムにアンカー! それじゃコラム折れちゃうよ!

パイプが変形して, アヘッドの蓋すら閉まりません. しょうがないからアルミのダサいスペーサをかましてできあがり. 2700円なり.

何かおかしいと思った俺は, 帰ってからヘッドをバラし, 腐れアンカーを抜いた. アンカーはまだカーボン内壁にほとんど食い込んでなかったので, ほとんどダメージを残さず早めに取り除くことが出来た. それから, パイプの内径をノギスで測定. プレーンゲージであることを確認した. で, おっさんが歪めたパイプの内側をヤスリで綺麗に直したら, ちゃんとプレッシャープラグが入るようになった. 当然だな.

次の日, 10mm のカーボンスペーサを買って来てようやく ヘッドが正常にキマリました.

「コロンブスのコラムはまっすぐなんだけど, ミズノはみんなバテッドなんだよ.」 なーにがバテッドじゃ. 口から出任せ言うな. ぶぉけが. お前が下手糞でパイプ潰してバテッドにしたんやろが.

おっさん, コロンバスのパイプのカタログで, 太さや厚さ, バテッドの位置などが書いてあるやつを見てたかから, 俺も見ようと思って行ったら 「これは秘密だ. お前には見せられん」 と来たよ. で, パンフレット閉じてやんの. ぎゃはは. テストのデキが悪かった女かよ.

とにかく, 大貫, おまえは死ね.

あの自転車が 37万円で完成するまでは, こういうドラマもあったりするわけですよ. 世の中, 良いことばかりじゃないってわけですね. わはは. たかが自転車も, 自分の納得できるものにたどり着くまでは, けっこう大変ですわ.

ダメじゃないんだけど

だめじゃないけどね, ってところが 町田の cherubim . 最近, キヨシローがチャリ, しかもロードにはまっているようですが, そのチャリをつくったところがケルビム. 今野仁という人がやってるのだが, 3RENSHO の今野義とは兄弟なのである.

今野さんは非常に良い人である. ものに拘らない気持ちの良い方だ. また, インテグラルヘッドなんかの新しめな仕組みも 積極的に取り入れている. それに, 納期も早いしはっきりしている.

しかし, 材料ということになると, 若干, 弱さが見える. どこでも使ってるカイセイと, あとはタンゲのプレステージから, ということになってしまうのだ. 今さらプレステージもなぁ. というか, 材料だけでなく, うるさくディティールや走りを追求したい人には ここは向きません. そういうつもりで行けば, それなりに良い工房だと思いました.

たとえば, シート周りを集合スティにしてもらうにしても, 「スティの方がシートチューブよりも太くなっちゃうからね」とか 言ってて 精密にパイプをザグってシートチューブに左右対称に 付けるというのは, めんどくさがってやりたがりません. どうするのかといえば, 笹葉を表裏ひっくりかえして シートラグ横に貼り付けてエセ集合ステイというわけ. このやり方はスティとシートラグの間にミョーな隙間が残ってて, 俺的にはいまいち萎える.

新しいパイプを使う積もりが全く無いってのがねぇ.

というわけで, 寸法も決まり, 塗装も決めて内金も払ってあったんだけど, 新しいスチールチューブが使えない上にディティールがこれじゃあ 俺の妄想自転車を現実化するのは不可能と判断し, キャンセルとなった次第である. 感じの良い工房だっただけに, 非常に残念ではあったが, こういうところで妥協するとロクなことはないんでね.

というわけで

日本のビルダーのうち, 先進的でいろんなパイプを選べ, それなりに本数をこなしてて手慣れており, 競技用機材としての拘りを持って作ってくれそうなところ, ということになると, 俺が調べた範囲では牧野さんのところと東洋フレーム(testach) くらいかなぁ.

牧野さんは, 「競争用」としての拘りを持つ人々の機材ばかりを作って来た人で, スピードへの執念を形にするという技術に非常に優れている. ま, ずっと 3RENSHO のチーフビルダだった人だからね. そのへんの技術に関しては, もう, 絶対ですよ. 彼は, 見るからに走りそうなフレームを組みます. 呪がかかってます.

東洋フレームは間に東京サンエスという商社が入るのがなー. なんかイマイチ納得できないよ. 職人と直接やりとりできないってところがね. また, 中間搾取的にも納得しかねるよ. あと, ヘッドマークが東京サンエス風ってのが許容しがたい.

清野さんという元ロード選手ですげえ強い人が居るのですが, その人が今 testach のスチール/チタンの複合フレームに乗ってて, 非常に具合が良いと言ってました. 東京サンエスの社員なんですが, 会社の営業にも, 週末の練習やたまに出るホビーレースにも, 公私にわたって使っているそうです. 非常にパワフルで走りも軽いのに長時間乗っても脚に来ず, 「これに乗ったらアルミなんか絶対乗れん」と 仕事中なのに20分くらい, 電話で俺に熱く語ってくれました.


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