ほんもののはしり


景品

20日の日曜に、 レースで優勝した景品が送られて来た。

これ の R4 というやつである。

なんと。450ユーロもするのか。 日本の代理店はミズタニで、小売価格で99000円らしい。 こりゃまた太っ腹ですな。

せっかくだから、東大に出勤するときに使ってみた。 地下鉄の駅まで乗って行き、折り畳んで輪行、 春日で降りて本郷まで乗った。

クソ重い。マジ重い。 俺のレーサーの倍ぐらいありそう。

ちゃんとドロヨケとライトがついてるところが良い。 ライトはダイナモ(発電式)。 ヘルメットかぶったり、ソレ用の靴履いたりせんでも乗れるところも良いねぇ。 ブレーキが前も後ろもドラム式なんで、ガツーンと効いてこりゃたまらん。 前転しそうだ。

小径車は、なんか座敷犬みたいで全然馬鹿にしてたが、 乗ってみると意外と楽しい。 それに、所詮自転車だ。 ボディーは座敷犬でもエンジンがレース用(笑)なので、 外装5段変速付きということもあり、むちゃくちゃ速いぞ。

ズル休み

いわゆる一つのズル休みというやつで、 久しぶりに弁当持って白金の自然教育園に妻と二人ででかけた。

弁当は、ササミの焼いたの赤ワインソース、チーズ、その他野菜のサンドイッチ。

昼間っから暇そうな連中がブラブラしとるわい。 わしらもそうなんだけどね。

自然教育園では、面白いものがわりかし見れるポイントが幾つかある。 そのひとつめの池では、オシドリの雄とヒヨドリの群が水あびをしてた。 奴ら、明らかにはしゃぎすぎの狂乱状態で、 見てるこっちまで楽しくなってくる。 ガキの集団が公園で狂乱してるのと同じだ。

大きな池の中洲は日当たりが良いので、 そこで弁当を食った。 ちょっと変なおっさんが居て、 「ハヤブサが居た」とか言ってたが、ほんとかよ。 池ではアカミミ亀が甲羅干し。

わりとコゲラがよくみられる小路をまわって、最後の池に。 そこでカワセミの声が聞こえたので、 じっくり探すと居ました。 しきりに池に飛び込んでは元居た枝に戻るってのを繰り返している。 本当にしょっちゅう飛び込んでいる。 あんなに頻繁に飛び込んでるのも珍しいな。 たまに何か獲物があるらしく、 食ってたりした。

けっこうたくさんの人が居たが、誰一人としてカワセミに気づかないのがおかしい。 自然教育園は動物園ではなく、ただの森であり、そこで面白いものを見付けるには それなりの才能(やる気ともいう)と熟練が必要なのであるらしかった。 虫も鳥も、みんなバレないようそれなりに気を使ってるからね。

ジャパンカップ

ヨーロッパのプロチームを呼んで、日本のチームと試合をさせるという 無茶な大会。 日本で見られる唯一の国際試合である。

前日の土曜に民間人も参加できるイベント(というかレース)があるので、 観光がてらいってきた。 いや、こりゃけっこうオモロイイベントですよ。

土曜日はあんまり天気が良くなくて、 わしらの試合のあとの登録選手の試合はド雨で必殺だった。 わしの試合はどうだったかって? こんな感じでした。 スタートが最後の方だったんで、200人抜くのはマジで大変でした。 先頭に追い付いたところでイッパイになってしまい、 次の登りでアタックされてしまった。 下りと平坦で追い付いたが、もう暴れる脚はなく、 集団最後尾で終了。

コースは こんな感じで、 変化に富むテクニカルな構成。 見晴らしもよくて、なかなか良いところだ。 わりとアップダウンがあるという評判だったが、 俺みたいなタイプの奴が稼げるほどの登りじゃなく、 勢いとパワーで押し切れる坂だ。 下りはテクニカルで良い感じなんだが、 これがみんな恐ろしくヘタクソでどっち向いてるのかわかんねぇ奴ばっかりだ。 抜くに抜けん。平坦で消耗してしまったよ。

スタート/ゴール地点にはでかいディスプレイがあり、 事務局があってレースの状況や連絡事項をアナウンスしている。 アナウンスは日仏二カ国語である。 なんでも、uciのルールでそうなっているそうだ。

宇都宮はいいところで、 会場周辺の駐車場とか無料なんだよ。 これには驚いたね。 ホテルも、二人部屋で 7900円。 安いぜ。 関係ないが、ギョーザもうまくて安かった。 ギョーザ220円にごはんが100円だ。 王将並である。 しかも、王将の20倍はうまかった。

宇都宮市内(というか駅前)に宿泊したんだが、 近所のホテルにはプロチームが泊まっており、 選手がラフなかっこうでロビーをうろうろしている。 掲示板には連絡事項がイタリア語で張り出されていた。

翌日は、タダの駐車場に車を置いて、 交通規制中のコースに自転車で乗り入れる。 徒歩と自転車は入れるのだ。 出場チームのテント前にチームカーが揃うと壮観だ。 選手は自転車で宿舎から自走。 みんなでかい。 しかも細い。 今年のツールで第一ステージを勝った Rubens Bertogliati も居る。

スタートまえに登りのポイントに移動して、ガードレールに登って観戦。 地元のラジオが実況中継しており、 ラジオを持っていればレースの状況がスタート/ゴール地点に居なくても判るのであり、 次回は忘れずに持って来よう。

さぁ、選手が登って来た! スタート直後から日本選手が逃げる。 要するに、ギャンブルアタックというやつだ。 しかも、この天候とコースではほとんど勝ち目の無いギャンブルである。 もっと細いクネクネ道が続くとか、天気が悪けりゃなんとかなるかもしれないけどね。

3分ほどあけて、メイン集団が来た! saeco が先頭を引いて、ペースを作っている。 本物が走ってるよ。 すげぇな。 本物のスピードは、わしらとそんなに変わらなかったけど、 これが12周まわるごとに速くなっていくんだから、 超絶だ。(わしらは遅くなっていく) そのあとから審判の車とチームカーの列が来る。 チームカーは、車間距離を極限まで詰めて、 レースと同じスピードで来るので、 下りはもちろん、登りでもかなり荒っぽい運転である。

アタックがかかってタイムが開き、メイン集団と 逃げの間に車を入れても良いってことに審判が判断すれば、 アタックした選手の居るチームの車は車の列と集団を クラクション鳴らしっぱなしで追い越して行く。 これも大迫力だ。 最後は boiture balai すなわち箒車が。 箒車は人間用と自転車用の二つで、 人間用は、誰が失格/棄権したか判らないように、 濃いスモークガラスになっていてプライバシーに配慮した作りだ。 うひひ。 なんかヨーロッパの本物のレースみたいじゃないですか。

峠では、出店がでて、ビールやら食いものやらを売ってるし、 トイレもちゃんとあり、 コースの脇のドテは人だかりがすごい。 ここの通過順位には、 3, 6, 9 周回めには山岳賞が付く。 コースは人があふれかえっているが、 先導の移動審判車(バイク)が 「ぴっぴっぴー!」と鳴らしながらやって来ると、 みんなわらわらと脇へどいて応援する。 このへんも、本物のレースみたいですね。 ここで一回レースをみてから、下りのテクニックを勉強するためにちょいと下る。 観戦には自転車があると便利だ。 しかも、けっこうアップダウンがあるので、 ちゃんとチャリ靴履いてた方が良いぞ。 普通の運動靴で乗ってたら、マジでしんどかった。

150km 12周のレース、8周目でメイン集団から追撃集団が出た。 これが、あっというまに逃げ集団を吸収し、ペースアップ。 このペースアップに残れた日本人選手は3人ほど。 それも一人を残して1周で居なくなった。 もう全然お話になりませんな。

だいたい、一番上のカテゴリのレースが 100km なかったりするんだから、 日本の選手が本物と試合するなんて論外ってことだ。 いっつも同じコースで、しかも周回路だしさ。 このスポーツの本質が判ってるとは思えないね。 ま、俺らは所詮愛好家ですからミーハー的に楽しめましたが、 実際、この大会に出て来る日本のチームってどういう作戦というか 目的持って出て来るんだろうな。

最後の周回は、わしが早めにインナーに変速したけっこうな坂を 本物がアウターのままギョスギョスギョスと踏み越えて行きました。 世界でもっとも自転車漕ぐのが速い奴等はマジ速いです。


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