仕事が日野であったので、自転車で行ってみた。
行きはずっと向かい風でしんどかった。 平日の朝の多摩川。学生とかが体育の授業でうろうろしてた。 それから、大学の陸上部みたいのがまとめて走ってた。
往復70km。こういう中と半端な距離を乗るのも久しぶりだ。
峠乗った。例によって大垂水>栃谷林道>和田峠。 朝10時にでかけて戻りは午後5時。最近では5時はもう暗い。 峠ライドも辛い季節になってきたな。
このコースを走るのも久しぶりだ。3ヵ月ぶりか。 晩秋というかんじ。そろそろ猿がいっぱい出て来そうな雰囲気。 けっこう寒く、峠の下りで上着が欠かせない。補給ではメシ食いすぎた。
今日は奥多摩の山岳マラソンの日である。 和田峠は全然関係無いエリアなのだが、なぜかこれに関する看板が建ってた。 清水なども、今日は出場しているはずだが。
妻が風邪ひいたので、ジャパンカップはやめて大井ぐるぐる。
面識のない大型の平坦系の人3人とぐるぐるまわった。 みんな平坦でチギレて居なくなった。 俺の後ろは全然風避けにならないせいだろう。 夜は牡蛎のトマトソース。
かつて、俺が住んでた下宿の話をしよう。 通称「呪いハウス」である。最初はけっこうちゃんとしてたんだが。
まず、外観。お化け屋敷である。なんせ呪いハウスだから。 ということで、俺とかその住民てことで魑魅魍魎。
といっても、もっとも凄いというか、そのハウスのボス的存在は 大家一家のバアさん。俺なんか全然ザコである。 当時でいうと、ヤヤ惚け老人であった。 非常な教養の持ち主で、女学校の出である。潰れる前の筑摩書房の 文学全集などを所持しており、なぜか俺と文学の話題で話が合った。 そういうところはしっかりしているのだが、もうすこし Low Level なところの Integrity が若干厳しい状態にある。
まず、背中にネヅミーマウスの大型の人形を背負っている。 それで、銀行の営業なんかが来ても、そのまま応対しちゃう。 もちろん、営業の人もビビるだろうが、ここで引き下がっては営業は勤まらない。 新たに開発された金融商品の話なんかをしてるのである。
バァさん、そんな話、聞いちゃいない。容赦なく割り込みをかけ、
セールスマンをトラップして
「ところで、あなた外回り何年め?」
「はい、3年になりますが」
「あら、大変ねぇ、でも、ナニガシ銀行では2年で中に戻れるらしいわよ」
余計なお世話ってもんである。放っておいていただきたいところである。
「はぁ、いやーウチではなかなかそういうわけには…」
営業の人は、気をとりなおして金融商品の説明が最初から再開。
もう落ちは判ると思うが、
いい頃合いになった頃、容赦ない割り込みがまたしても。
「ところで、あなた外回り何年め?」
聞いた話では、ロシアには延々と穴を掘ってはまた埋めるという拷問があるらしい。
バァさん、時々やらかしてくれる。バァさんの住処は俺の部屋の真上。 そこで水道の水を出しっぱなしにしてた事があった。 俺が夜中にバイトから戻ると凄い雨の音。 外は真冬の上天気でオリオン座が綺麗。 この上天気にどこで雨が降ってるのかと思えばそれは即ち俺の部屋の出来事。 いやー、あん時も大変でした。いやまじで。
呪いハウス、鼠がスゴいのである。凄いなんてもんじゃない。 米とか置いとけない。 米だけじゃない。あらゆる置いとけない。 鼠凄い。マジ凄い。 何が凄いって、あらゆる何でも食っちゃう。石鹸も食っちゃうぜ。 鼠最強。マジ最強。 米置いとくと食われちゃうので、どうしてたか?
正解:天井から紐で吊る
いやー、役に立ちますね、 SASサバイバルハンドブック 素晴らしい。
かくいう俺の生活自体も普通じゃない。まず、室内も土足。 靴脱ぐのは寝床の上だけ。 寝床も壊れてて、寝るところが抜けてる。そんで鼠。 しかも時々、水止まってたり。 電話止まってたり。 ガス止まってたり。 しょうがないからガソリンバーナで炊事してたり。 電気止まってたり。 しょうがないからヘッデンで暮らしてたり。 すなわち、 住所があるというだけで、実質、ホームレス。 SASサバイバルハンドブック が実質的に役に立つ生活ということは、すなわち、日々是 サバイバルである。 生きる意志なくして次の朝は来ないという毎日。ハードだ。
というかむしろ大学の研究室の方がマシ。 研究室なら、 水、ガス、電話、電気、コンピュータ、ネットワーク、電子レンジ、寝袋、全部ある。 全部あるのもどうかと思うが、まぁ理系の大学の研究室なんてそういうもんでしょう。
バァさんの息子、これがまたキてる。キ印。ぶつぶつ独りごと系。ずっとブツブツ言ってる。 その息子、すなわち孫。これもキてる。やっぱりブツブツ系。 もう、おかしい。全員おかしい。 その孫、ある日会社で飛び降り自殺して居なくなった。もう洒落にならない。 マジ。 しかも隣の部屋に遺体が安置されてたりして。 もう、本当のお化け屋敷ですよ。本物ですよ。 比喩じゃないですよ。
いよいよ引越しの日が来た。手伝いに来てくれた友達(女性)に向かって、
バァさん、
「妹さんですか?」
呪いハウスの最後を記念に、と俺が写真を撮影してると、
またしてもバァさんがやってきた。
当然、オプション(ネヅミーマウス)付き。
これは御宝画像ゲット!ってことでカメラを向けると、俺に向かって
「弟さんですか?」
本人、どこ行ったん?
呪いハウス、実は意外とうちから近い。こないだ前を自転車で通りがかったら、 裏の寺の駐車場になって消滅してた。
イェーイ!(バッバッバ!!)
サラバ!鼠と呪いの日々よ