多分、俺とかネタとして使える奴だと思うんですよ。 「こんなアホな奴、マジで居るねんで」的な。
るいとも、ということで、おかしなのは他にも居るわけですよ。当然。 なかでも最強だったのが S のつくしとです。 ここ見てますかね。
よく酔っ払って狂乱してましたが、わしら全面的に金が無かったので、 酒はそこらへんで買って来ますが、あとは 持ち合わせの CD とかで狂乱です。持ち合わせの CD ってのは、つまり、 Deep Purple とか JB とか SLY とか Jimi Hendrix とかそういう方面である。 危険ですね。
S氏の特徴はいろいろありますが、まず、ひとつめ、ギターが弾けるんですよ。 といっても、何かのコースを修了したわけでは一切なく、 なんとなく耳コピーして手癖でイジっているうちにできるようになったというやつです。 だから、多分、楽譜なんかも読めなかったりするのではないでしょうか。 ギターは FlyingV すなわち、マイケルシェンカーが持ってた、 刺さりそうな形をした奴です。
けっこう何でも弾けるんですよ。なんせ耳コピーなんで。 演歌なんかも弾けます。それで即興で弾き語ります。内容は完全に支離滅裂ですが。 耳コピー手癖なんで、べつにギターじゃなくても即興で弾けます。 沖縄料理の店では、店のおかみさんに借りたサンシンを習わずにイキナリ弾いてました。 そういう奴です。
ミョーにキモが座っているというか、何があってもたまげない。 そして、酔っ払って来ると、寝ます。これが半端じゃない。 どこでも寝ます。そして、一旦寝たら、 マジでもう、絶対に起きない。
狂乱も終了し、解散という段になっても自宅まで帰り着かない。 途中の道に転がって寝ます。何故か靴とか脱いじゃって。 「おい、靴はけよ。明日会社だろ」とかいっても 「うるさい。靴とか、もう、そんな凝らなくていいよ」とか訳わかんないこと言って、 脱いじゃう。一旦転がったら朝まで起きません。 当然、朝には記憶無いわけです。起きたら知らない場所。 「私は誰?ここはどこ?」
とにかく寝たら起きないので、顔に落書した事があります。 頬にヒゲ描いて、 眉間に目玉描いたりして。
朝になってそのまま研究室に行ったS氏の顔を見た助手はたまげて、 「おまえ!何だその顔は!」
ところが S氏は少々の事では動じない。 助手に文句言われたくらいでビビる奴じゃないのである。
平然と「え?いつもの顔ですが?」
「いつもの顔じゃない!ちょっと鏡見てみろ!」
渋々トイレに行ったS氏はさすがに驚いたそうです。 それからというもの、どんなに酔っ払っても顔にラクガキしようとすると起きるようになりました。
寝る段になると、「おまえら、落顔(らくがお)するなよ」「しねぇよ」 「ほんとにしない?」「しねぇって言ってるだろ」 「really? can I blieve it?」なんでそこだけ英語なんですかね。謎です。
とにかく、酔っ払って暴れる事の多かったわしらですが、 物を破壊したりする凶暴さでいうと、 C のつく人の右に出る人は居なかったというか、 むしろ S 氏すらたじろぐ凶暴さの C だったりするわけです。 C が大暴れして物ぶっこわした音を聞き付けて出て来た人が、 「さっき物が壊れるような音がしたけど、あれも君達か?」
もう、すかさず、ただちに、間髪を入れずに S氏が何と答えたと思う?
「はい、その件に関しましては、我々の預り知らぬ所です!」
なんだよその預り知らぬって。 どこで憶えたんだよそれ。 ちゅうかそれ、普通、 準備してても言えるセリフじゃないよ。
統一教会にハマって居なくなっちゃったウチダってのが居たんですが、 あるときわしらが飲んでると、そのウチダが店にやって来たわけです。 俺がそれに気づいて、
「おい、ウチダ!久しぶりじゃねぇか!何やってんだ!」
ところがウチダのやつ、こっちに気が付かない。一緒に居た I とか S も大声で
「オイ!ウチダ!オイ!」
「コラ!ウチダ!無視すんなよ!オイ!」
さすがに変だと思ったウチダ(仮称)が気づいてこっち向いたら、ウチダじゃなかった。
それを見た S氏は即座に俺に向かって 「オイ、ヤマダ!おっまえ何言ってんだよ!」
誰だよ、そのヤマダって。
何故かそのあと、ウチダ(仮称)はその店で、 ウチダ(仮称)の友達に「ウチダ」と呼ばれていましたが、 その件に関しましては、我々の預り知らぬところ、ってことで。