食いたいものは食えばいい。飲みたいものは飲めばいい。できない奴は泣けばいい。(2003/11/25)


2003/11/24

先週末は宴会があったりして、 そのあとも食いたいものを食いたいだけ食い、飲みたいものを飲みたいだけのんで、 なーんもせずにゴロゴロしている。

あっというまに肉体が鈍った。もうトシだな。オッサンだな。 そろそろアホみたいに突っ張ってるのも考えないとな。

昨日の夕食は餃子。マジうま。スゴうま。 こんなうまいギョーザは食った事ねぇっつうくらいうまかった。 自画自賛。 食いたいだけ食った。 あー。腹一杯だ。

食ったら、コーヒーいれて、落雁食って、ヰスキー飲んで、極楽である。 だいたい、チャリンコまじめに乗った日は酒は飲まないのであるが、 今は一切、そんなの関係無いけんね。

今日は昼前に起きて、メシくって、妻と映画にでかけた。 Matrix Revolutions である。 うちから一番近い繁華なところというと銀座周辺なので、 映画も買物もそこらへんである。 渋谷が一番電車代は安いのだが、 妻が渋谷が嫌いなのだ。 わしも嫌いだが。 さすがに公開から2週間だ。もう空いてるだろ、と思って阪急で服とかみてて、 まずいケーキくって、 おもむろに劇場に行ってみると階段まで並んでやがった。どうなってる。

そのあと新橋まで歩き、途中でお茶など買い、 腹が減ったので蕎麦を食い、惣菜を買って帰宅。 夕食は昨日のギョーザ。

ナイフ

今日は久しぶりに、マジメにナイフを研いでみた。 94年に作った小型(中型?)ナイフの通称「斬鉄君」である。 このナイフをマジメに研ぐのは何年ぶりだろ。 こいつは、一点モノの特別あつらえだが、ちょっと変わってるところは 作者が俺だってことだ。つまり、俺が使うために自分で設計し、加工したものだ。

つまり、ナイフといっても要求される性能はいろいろだ。 なんでもそうだが、ナイフも見掛けは大切だ。 そして、金属製品であるかぎり、錆びちゃ見掛け上よくない。 言うまでもなく、破損しては安全上具合悪い。 また、どんな砥石でもある程度うまく研げなくてはならない。 使う奴は、ナイフの事を良く知らないかもしれない。

俺が使うナイフに関して言えば、 そんな妥協をする必要は一切無いのである。 だから、このナイフはそのように製作した。 俺がナイフに求める性能は簡単だ。上から重要な順に

  1. よく切れる
  2. いつまでも切れる
  3. 頑丈
  4. いろんな持ち方をして具合良い

一方、俺はナイフは錆びても平気だ。ただし、刃先が錆びちゃマズイがな。 それから、俺はナイフの扱いに関しては十分に熟達しているし、 研ぎもうまい。

ナイフは頑丈でなくちゃいかん。だから、折り畳みはヤメにした。 実は作るのが難しいってのが主な理由だけどな。

また、よく切れていつまでも切れるように、材料は高速度鋼にした。 だって、切削工具としてこれ以外の材料が使われてるのは、 いまだかつて見た事ないぜ。 雑誌やナイフ屋でみかけるヘンテコリンな材料が、 本当に広告通りの性能なら、 コストを重視する製造業の現場でいち早く採用されるはずだろ。 形は概略 ラブレスのドロップハンターから余計なデッパリやヘコミをどけたものにした。 ただし、ディティールの煮詰め方と工作精度は、ラブレスなんか比じゃないぜ。 なんせ俺が俺のために作るんだからな。

どんくらい比じゃないかというとだな、 たまたまそれを見た渋谷の某というナイフ屋の店主が、 開口一番、

「これ、週に何本つくれますか?!」

と言いつつと詰めよって来たとかなんとか。

実は、ディティールに関しても、俺が発案したってわけじゃないのでして、 原幸治や Herman Schneider (電波全開の妄想ナイフを作るようになる前の 初期の作品)などにヒントを得ている。

いやー、研げば切れるようになるんですね!当り前ですが。 そういえば、昔はマジメに研いでよく切れた記憶がある。

そう、ハイスを俺がマジメに研ぐとどうなるか、というとですね、 こういうエピソードがありますよ。 当時、付き合いがあった刀匠の自宅に御邪魔して、 余技で作った切り出しや脇差を見せてもらったりしてました。 彼の主義としては、当然、鍛造された炭素鋼以上の刃物用材料は存在しないわけですよ。 そこで 「いやー、実は俺もナイフ作るんですよ。ハイスですがね」 とかいったら見せてくれとか言うんで、 見せてやったら、 彼が作って刃付けした切り出しより俺のナイフの方が刃が立ってたんですよ。 ははは。 そしたら彼、もう、本気になっちゃって、 鍛冶場から本山の砥石出して来て切り出しの刃付けやり直し始めてしまいましてね。 かなり困りました。

自宅に自分で作ったナイフは2本ある。 一本はこのように非常に役に立つ、無くてはならない存在だが、 もう一本はすばらしく美しく、かつ、凶暴な形状とサイズだがまったく使いものにならない 意味不明な存在である。 こっちは、10年ほどまえに Gayle Rivers というひとの "the Five Fingers" というイカレた本を読んでたら、 刃渡り15cmの両刃のナイフが物凄く役に立つ道具として出て来るので、 俺も猛烈に欲しくなって、 何度も模型を作って、設計をやり直して、 2本失敗して、 丸一月かけて作り上げたというものである。

なお、その本は西側諸国の特殊部隊の人々がベトナムとかラオスを 味方に裏切られて周りは全員敵という状況のまま、 死にそうになりつつ何ヵ月もうろうろする、 という内容であり、 そこで役に立つ道具が俺にとって無用なのは全く自明なのであるが、 なぜそんな自明なことが判らなかったのであろうか。

人殺し以外に全く役に立たないかな、と思いきや、 たまにスプレー缶に穴を開ける時に活躍している。


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