走るダメ人間 (2003/12/02)


英語

coalition 連合 coalition government 連合政権

馬鹿の壁という本が売れているらしい。 ヨーロータケシという人の著書である。

俺が勝手に想像する内容では、 「伝言ゲームで途中に馬鹿が居ると、そいつがファイアウォールみたいな作用をする」 という話である。

どうも内容はそうじゃないらしい。

いや、それだけなんだけどね。 そこで、俺の考えた続編。

そういやなんでもカッコ付ける奴居るな。 カッコといってもエエカッコじゃなくて、だな。 "「"とかそういうやつ。メタキャラクタの一種であるところの、 引用符である。 たとえばこういう感じだ。

疑いを挟む余地の無い我々の「勝利」

「馬鹿」に「見える」から、こういう「書き方」はやめようぜ。

茶碗

大倉陶園 というトコのデミタスカップが1組み、うちにある。 非常にエレガントでシンプルな形のやつだ。 ガラはなくて、白無地に金フチ。 けっこう昔の製品であろう。 ウチに来たいきさつはワケアリなので、今回紹介するのはやめとこう。

非常に気に入っているのだが、どこの製品なのかわからなかった。 裏に OKURA China とだけ書いてある。

せっかくウチにインターネトが来てるので、調べてみようと思い、 検索した結果、どうも大倉陶園というトコの製品みたいだ。 ファクトリーアウトレットの店が軽井沢にあるらしい。 おそらく、そこで購入されたものであろう。

なんせ非常に気に入っているので、今もきっとそういう製品を作り続けているのだろう、 と勝手に期待してリンクを辿ってみた。 値段はともかくとして、なんだかゲロゲロな製品ばっかりだ。 どうなっちゃったんだ。

直営店が自由が丘にあるらしい。うちの近所なんで、さっそく行ってみた。

ダメだこりゃ

ウチはブルボン王家じゃねぇっつうの。 あーあ、こんなシンプルで美しい茶碗作ってたトコが、全く、 どうしちゃったんですかね。

つい勢い余ってうちの近所で有田焼きの茶碗買っちゃった。 じつはこれ、まえからずっと欲しかったんだ。ウヒヒ。

2003/12/02

ユキリンに campagnolo の後ろスプロケットがあったので、じっくり見た。

ロー側のギアはチタンである。しかもピカピカに磨いてある。 鏡面仕上げ(俺比で)である。

チェーンが引っ越すところが削ってあるのは最近の機材として定番の処理であるが、 ソコんとこがですよ、 なんと、 エンドミルで削りだしなんですよ!

どっひぇー

チタン削り出しのギア。

しかもよく見ると、チェーンが引っ越すトコだけじゃなく、要するに全部削り出しなんですよ。 ぜーんぶ。 エンドミルの刃のあとがいってんの。 こう、高級な時計のムーブメントのシャシに丸い模様がいってるじゃないすか。 アレですよ。 エンドミルの削りあと。 マジですか? 俺が知らん間に、チタンを削る、なんかうまいやり方でも発明されたのであろうか。

チタンは加工が大変だが、なかでも切削は本当に大変だ。大変さで 各金属を並べてみるとこんな感じだ。

鋼は、言うまでもなく焼きナマシ状態である。 焼き入れされた鋼を切削加工する者は居ない。 技術的には可能だが、やらないのである。 焼きナマせば普通の工具で簡単に加工できるからね

アルミ 1
真鋳 3
洋白 5
10
ステンレス 30
チタヌ 256

なんでそんなに大変なのかというと、 鉄と同じくらい硬いくせに、ステンレスよりしつこく、 アルミと同じくらい刃にこびりつくからである。

たとえばやすりで削るという工程があったとすると、 鉄と同じくらい硬いので、鉄工ヤスリじゃないと削れない。 しかも、ステンレス並に削るのは大変な上に、 バリが出ても、キレイにとれない。 なんせ、チタンは疲労に強い。曲げても曲げても破壊しない。 異常な頑丈さである。 だから、削った端に出るバリが、全然とれないのである。

チタンが錆びないのは表面の酸化チタンが非常に緻密で安定な組織だからだ。 酸化してないチタンは極めて不安定で、活性な物質である(らしい。 俺も酸化してないチタンは見た事ないんだ。) 削ったところは酸化してないチタンが顔を出す。 つまり切削工程では、刃先がこれに触れる。 周囲のいろんなモノと反応するせいだか何だかしりませんが、 このおかげで刃先にすぐチタンがこびりつき、 ドリルはあっという間に切れなくなり、 ヤスリは強烈に目が詰まる。 なんせ、アルミ並に目が詰まるのだが、 ヤスリは鉄工用の目の細かさであり、 しかも詰まってるのはチタンなのである。こりゃどうしょうもないス。

ヤスリは、 nicolson の magicut という特殊な目のヤツがいい。 こいつは力を入れて削ればたくさん削れるが、 軽く削ればキレイに仕上るという非常に便利かつ玄人受けするナイスなヤスリである。 目づまりしにくい単目の荒目ヤスリという感じだ。 俺も冬山に行くザックには、常にこいつを一本持っているのだ。 話がそれた。 しかしながら、 たとえ magicut でも、普通のスチールを削るようにして使ったら、あっというまにダメになる。 とにかく、ちょっとずつ削るしかない。 工具はゆっくり使い、また、いっぺんに削る量も少なくする。 マメにワイヤブラシでガシガシやりながらちょっとずつ削るのだ。 ドリルでも、油をマメにさしながら、回転をゆっくり、繰り出しもゆっくりである。

つまり、チタヌ削り出しは、普通にやるとものすげぇ手間なんス。

こんな金属を削り出しでギアにして売ってる campagnolo の凄さがお判りいただけたでしょうか。 これは魔法です。魔法以外には考えられない。 魔法を使わないと絶対に無理。 削り出してまでチタンを投入する campagnolo のキレっぷりに感服。 campagnolo のスプロケは高い、とか不平をぬかすやつがたまに居るが、 もう、アホかと。 論外、問題外、却下だよ、と。 結論から言うと、今の値段は安いです。 安すぎます。 売れば売る程赤字なんじゃないのか? と、俺なんか余計な心配しちゃうくらいである。

使わないけど買っちゃおうかな、 campagnolo のスプロケ。


過去の落書きリスト