興味深い事実を発見した。
時計から文字盤をとりさったら、 日付が出るマドがなくなってしまい、 日付の書いてあるワッカがまる見えになるわけだが、 これがまる見えってのは意外と役に立つんだ。
つまり、今日は23日だが、〆切の27日まであと何日かな、とか、 来月の11日まであと何日かな、とか、簡単かつ直観的に知る事ができるんですよ。 そして、1/4周でだいたい一週間である。こりゃ便利です。
そういえば、長いハリで日付を指すタイプのカレンダーを装備してる時計が たまにヲタク向けの製品にあるが、こういう製品でも同様の機能があるわけだ。 スケールと指針を使ったインターフェースは、単に指針によって値を示す、 という以外に様々な読みとり方ができる、なかなか優れたスタイルですね。
俺の時計は風防の内側にナイフで□を刻んで今日の日付を囲むようにしてある。 そもそも今日が何日かわかんないと意味無いんで。
なんか昔習ったな。
今回、そういう樹脂でメットのハネを作ってみた。 ペットボトルの材料だそうだ。 というか、ペットボトルのペットとは PET なのであり、 これはポリエチレンテレフタレートの略なのだそうだ。 今知った。 ここは勉強になるインターネットですね。 というよりむしろ業界の専門用語をそのまま一般名詞に使うなボケ。
今まで使ってたプラ板よりはかなり頑丈そうだ。
チタン板は薄すぎた。 ステンレスのハサミで切れるんだもんよ。 こいつは、もっとブ厚いの買って来て、糸ノコで切りぬこう。 そして焼いて色つけよう。そうしよう。 ウヒヒヒヒ。 萌えるぜ!
PET樹脂は瞬間接着剤で接着可能なようです。 とりあえずうまくできました。
bowling for colombine というのをビデオでみた。
そこで、俺は俺なりに考えた。 銃は禁止にして全部刀にするというのはどうか。 全員、刀が義務。
銃は離れてても攻撃できるし、そのために必要なのは、 道具と引金を引く握力だけだ。これでは流血沙汰への敷居が低すぎる。
だが、刀の斬り合いはおっかねぇぞ。こりゃ並の度胸じゃできんわな。 しかも、刀で斬り合いするにはそれ相応の技術と体力が必要だ。 そのためには普段からの鍛錬が欠かせない。 こりゃ全員デブのアメリカ人にぴったりじゃねぇか。 へんな腹筋台を通販で買うよりも、刀だろ。これからは。
そうそう。日本も全員、刀にすべきだな。 そうなりゃ俺も刀持って自転車乗るわけか。そういや昔あったな、 サムライダーとかいうまんが。すぎむらしんいち。つまりそういう感じだ。 刀なら俺もむかし修行した事のある関の刀匠、大野兼正の四方詰。これでしょう。 一本400万円から、だったっけ。20万人斬殺可能(当社調べ)な超高性能を誇る 現代最強の日本刀である。
袋に入ってるインスタントだが、あれも調理のやり方によって けっこう出来上がりに差が出る。
ナベに所定の水を入れて、湧いたら麺を入れて、そこにスープを投入して できあがり、というのが通常のやりかたであろう。 しかし、これでは麺の茹で方としてはあんまりひどいではないか。 みんな、インスタントラーメン以外の麺類で、こんな茹で、食べ方するか? 考えられないだろ?
麺を茹でるには、できるだけたくさんの湯が良いだろ。 茹でるのに使った水をそのままスープに使うなんてありえないだろ。 特に、インスタントラーメンを茹でるのに使った水をそのまま汁に使ったらそりゃまずい。 味も健康上も具合悪かろう。
だから、スープを溶く湯と麺を茹でる湯は別にしよう。 それから、少なくとも普通のサイズの鍋で、充分な湯で茹でよう。 茹で上がったら、ザルで水を切って、汁を張ったドンブリに麺をあければよい。 これだけで袋インスタントラーメンも随分味が違うぞ。いや、まじで。
そのむかし、俺が初めて谷川岳の一ノ倉沢に行った時のことである。 なぜか懸垂が一回しかできない石川君と一緒に行ったのだった。 登り始めたのが遅く、しかもロープの捌がヘタクソだったので、 ものすげぇ時間がかかってしまい、夕方時間切れになってしまった。 しかもガスが出て来て帰りのルートが全然判んなくなってしまって 南陵テラスで一晩過ごすはめになった。
テールリッヂからエボシスラブのトラバースも全く事情を知らない初心者には けっこう面倒なものであり、霧で全くルートが判らないとあってはビバークする以外に 選択肢はなかった。
糞寒い、露岩の上の一夜であった。 寝がえりするほど熟睡することはありえないが、 一応、確保してから服を全部来て横になった。
ここで時間を半日戻す。
わしらはテールリッヂをおえ、 ようやくエボシスラブのトラバースに入った。 エボシスラブからは時々落石がある。ショボい石でも当たり方によっては コケる。コケたらそのまま本谷まで何百メートルか止まらん。多分死ぬ。 しかし、落石の危険があるところを確保してゆっくり通るのも馬鹿である。 ルート自体は手を使わずに登れるくらい簡単なので、 ここは、よく上に注意しながら確保無しで速攻で渡るのが正解だ。 正解とはいえ、口の中に嫌な味がこみあげてくる正解である。 なんせこの沢だけで800人くらい遭難死している、 超ド級のエリアである。 山の入口には戦没者慰霊碑みたいなものが建っており、 亡くなった人の名前がズラーリと並んでいる。 そういうところである。
トラバースの最後はちょっと草付きがうるさい登りだ。 俺は、ここで、ちょっと嫌なものを見てしまった。 時計である。 壊れた時計である。
石川君も見たらしい。
シャーロック ホームズでなくとも、これくらいの推理は簡単であろう。 すなわち、その時計が指している時刻に一体なにが起きたのか、ということである。
言ってもしょうがないので、俺は時計の事は黙ってた。 あとで聞いたら石川もそうだったらしい。
さて、ここで時間を戻す。俺たちはビバークを余儀なくされていたわけだが、 午前3時頃、ガスが晴れ、月が照り、ルートが判別できるようになった。 とにかくたとえ昼間であっても、ガスが出ればルートは全然判らん。 しかし、今ならルートは判る。 だが朝まで待ってるとまたガスが出るかもしれないし、今度は雨が降るかもしれない。 そうなりゃマジでお手上げだ。
だが、早とちりして行動すれば、 またしても視界は悪化するかもしれない。 今居る場所はとりあえず安全であり、わざわざ地雷を踏みに行くのも如何なものか?
ちょっと迷ったが、決断した。ここは行動するしかない! ビバークなんかしててもジリ貧だからな。
遥か彼方に 沢の出合いが月に照らされてはっきりと見える。 それにしても俺達は、 安全な、普通の人間が普通に暮らしている領域から、なんと遠く隔たった とんでもないところまで来てしまったのであろうか。 ここは手を使わずに三歩以上行動する事はできず、 常に落石と浮石の危険におびえ、 うっかり物を落せば数百メートル下まで止まらず、 そうなればもはや原型を留めぬまでに破壊されてしまうだろう。 そしてそれは自分自身も例外ではない。 そこは、たった一度ヨロケる事すら許されない領域なのである。
荷物を詰め、エボシスラブの基部を渡り始める。 真夜中で、月が出ているとはいえ、ルートが正しいという自信はない。 なんせわしらは初心者である。変なトコに迷い込んだら進退きわまっちまうだろう。 このルートでいいのか?これで?
そのときである。 わしらの眼に光輝く何かが飛び込んで来た。それは、あの時計だった。 「ここは確かに来る時に通ったところだ!」 つまり、ルートは正しく、このまま進めば間違い無く帰り着けるという事だ。 俺は確信したね。 ここで死んだクライマーの英霊は、俺達を見守っており、導いている。 だから、俺達は普通の人が普通に暮らしている領域まで絶対に無事に帰れるし、 また、必ずそこまで帰らねばならない、と。