BASIC Strikes Back (BASIC の逆襲)


ハロウィン文書 の配給元である, Eric S. Raymond は, ハッカーのスラングを集めた Jargon file の保守もやってる(今もやってるのかな?)

このファイルに, "B" で始まって "C" で終るあの言語が紹介されている. ちょっとそこんところを引用しよう.

:BASIC: /bay'-sic/ /n./ [略記: Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code] ダートマウスの実験的なタイムシェアリングシステムの ために, 1960年代の初期に設計されたプログラミング言語. それ以後, ハッカー予備軍の頭脳障害の原因ランキング 第1位を誇る. Edsger W. Dijkstra は, 「私の計算機利用メモ」の中で, 次のような観 察を述べている.
「 一旦 BASIC を経験した学生に, 行儀良いプログラミング作法を教えるこ とは, 実際にはほとんど不可能だ. 彼らは, 全く復活の余地が無い程に, 精神的に破壊されている. 」
(中略)
初心者は, BASIC の短いプログラム(20行くらいのもの)を, とても簡単 に書くことが出来る. しかし, それよりも長いものを書くのは, a)全く 耐えがたく, かつ, b) さらに強力なプログラミング言語を習得する際に 妨げとなる, 悪い習慣を助長する. ちょっとした歴史上の事故によって, 普及したマイクロコンピュータで BASIC がこれほど流行しなかったならば, 事態はこれほど悪化はしなかっ ただろう. というわけで, 今も BASIC は毎年何千ものプログラミングの才能を破滅 させているわけである.

[1995: BASIC と呼ばれる言語のうち, 幾つかは, これほどひどくはなくなって おり, pascal や C に似た構造化と制御構文を備え, 行番号は消滅した. -- ESR 註]

下逸様が, プログラミングをおはじめになった頃は, まさに, BASIC がこの猛 威をふるっていた時期であった. ちなみに, 俺がプログラミングを始めた頃も, 猛威をふるっていた. しかし, 俺には破壊されるべきプログラミングの才能は無 かったのである. それはいい.

「ま」の開発環境の製品に, いまだに「なんとか BASIC」があるのは, ご存知の方も多かろう. 俺などは, 無い才能をこれ以上消滅させられては たまらんと, その名前を聞いただけで寒気がする代物だ. しかし, 製品の名前に 「BASIC」を使ってしまうところをみると, いまだに, 少なくとも下逸様は, BASIC を「イイものだ」と思っていらっしゃ るのであろう.

多分誰かがとっくに指摘したであろう. しかし, 俺もこう思うから書こう. 「ま」の製品にひどいのが多いのは, 天才下逸様の偉大な才能が, BASIC によって破壊されてしまったからであると. 下逸様は, 今も BASIC の亡霊に取り付かれておいでになる. こないだ書いたとおり, 今や BASIC の亡霊は, 「ま」の付く会社を 乗っ取り, The Internet をも破壊しようとしている. 亡霊の声がパケットになって, 俺のネットワークインターフェースにも届く. 「ああ, 俺も C や LISP みたいになりたかった!」 (BASIC よ, LISP はあまり見習わなくて良いかもよ. ) 「俺もかっこいいアプリケーションや, 気の効いたプロトコルスタックを 書きたかった!」 「死の ping !」

OS のカーネルを書くために使われた C に比べて, 何と不幸な生い立ちであることか! その怨念が, 今や The Internet をも飲みこもうとしているのか. . . まさに, おそるべきは BASIC と下逸様である.

大学で「正しい」とされるプログラミング作法を習ったと称する輩は, BASIC とその周辺を, 馬鹿にしたがる傾向がある. UNIX を知っている奴が, どす や ゐんどうず を馬鹿にするのと (俺のことか, すまん!), ほぼ一致する図式である. これは, そんな歴史の怨念の, 壮大な復讐劇なのだ.

Lukeよ. 暗黒面の力を侮ってはならん. ソース(Source)を使え!