盆栽しすてむ


付け加えるものがなくなった時ではなく, 取り除くものがなくなったときに, 真の完成が訪れる

-- 男塾 塾長 江田島平八

昔, dos というのがあった頃, フロッピ一枚にどれだけ詰め込むかというのがユーザの 見識と技で, ATOK の古いバージョン(サイズが小さい)と VZ エディタを入れて, まだずいぶんスペースがあった記憶がある. もっとも今のマシンでは 1.2M のフロッピが読めないので, 実際に どうであったかは判らない.

完成するというのは, そこで止まってしまうという意味だから, 良いことばかりではないのだが, 10GBytes クラスの外部記憶媒体が 全く一般的になり, 数GBytes のアドレス空間を内部記憶で 埋め尽くすことができる今になっても尚, 「フロッピ 1枚に収まる」ということが何か特別な意味を持っているのは, 先のゴタクが何か正鴻を得ており, また, 完成するということが, やはり魅力を持った概念だということなのだろう.

というわけで, フロッピに収まる IP screening router キット である. フロッピ一枚で起動する時代の再来だ. こいつは, なかなか楽しめるし, 実際非常に役に立つ.

フロッピ一枚といっても, こいつはマジな Linux だ. カーネルだって 2.2 だしね.

こないだ linuxtoday に, linux が安定しているのは, dos が安定しているのと同じだ. linux が最新だとか言ってるのは, 最新鋭の石器だという意味だ. あーあほくせ. マイクロソフトはやっぱり最高だよ. という えぬちー 好きの意見が紹介されていたが, まあ, 確かにそうなんだよね. なんせフロッピ一枚だし. 石器か. なるほどね. でもな. 石器だから信頼できるのだよ. 錆びた日本刀よりも, 使える石器 である. まあ, この石器は日本刀どころか, ライトセイバーにアップグレードも 可能なんですがね. でも, strip down すると, 石器に戻ってフロッピに収まってしまう.

しかも, ちゃんと Linux だから, GNOME のフルセットが入ってる, うちの据え置きと使い勝手は同じだよ. 同じというのはちょっと言いすぎだけど. ping route ifconfig ipchains ipmasqadm 全部同じである. ファイル名は 8+3 とかいうアホな制限も無い, 32bit の, tcp/ip プロトコルスタックを全部実装し, 場合によっては IP v6 も使えるシステムが フロッピに収まってるのだ. えぬちー をフロッピ一枚に突っ込んだら(そんなことが可能だとして, だが), もう えぬちー ではなくなってしまうが, こいつはどこの誰が見てもちゃんと Linux だ.

石器は良い!最高! ってゆうか, これは盆栽ですね. 使える機能を持った, マジな OS がディスケットに収まっている盆栽. ネットワークカードを 何枚も挿して, 高性能で高機能で信頼性の高い スクリーニングルータをフロッピ一枚で構築可能! これが正しい計算機の使い方というものであろう. 使ってみたレビューもここに掲載