「マ」の付く会社は死ね!


今更言うまでもない事だが, 俺は「マ」のつく会社が嫌いだ. 俺は, Windoze 3.1 とかが出るまでは, Macが嫌いで m$dog が好きだった. m$dos が好きだったというと語弊があるかな. 嫌いじゃなかった. なんせ, 386 で走る m$dos は, 速かった. もともと 8086 で十分速く走るんだから, 当然だ. それに比べて, Mac は遅かった. dos のコマンドで電光の如く反応 する 386 に比べると, 起動しただけでいちいち「ぼよよーん」とか言う Mac は, 最高にむかついた. テクノロジの使い方を誤っていると感じたものである.

これは過去の記憶を美化している. 386の頃には, すでに俺は msdos が嫌いだっ た. プロテクトモードに何の関係も無い所が最高にむかついたものだ.

しかしその頃, 俺は 「マ」のつく会社の本性に気づいてなかった. 全く気づ いて無かったといって良いだろう.

俺は, 「マ」のつく会社のやる事なす事, すべてむかつく. 誇りは無いが態度 はでかいところ. 良いものがあると, すぐにマネするところ. マネしたのにちょ いと機能(それに, これは重要な事だが, バグも)付け加えて, 「うちが元祖で す」とか言い出す所. 場あたり的で, 見通しが無いか, あるいはあっても全く 見当違いなところ. プログラミングが明らかに下手糞なところ. 自分の失敗を ひとのせいにするところ. そして, ユーザのことを全く考えていないところ.

最後の, ユーザの事を全く考えていないというのは, マのつく会社の性質とし て重要なポイントだ. マのつく会社が, なにかユーザが便利になるような仕掛 けを考えた場合, それは必ず「開発者に便利だったから」か, あるいは「開発 者の技術的興味を惹いた」からか, あるいは「そうすれば売れると判り切って いた」場合である. これは, OS が出すエラーメッセージに端的に現れている.

「エラー. アドレス 0xf8a5 で一般保護違反がありました. アプリケーション は予期せず終了しました. 」

客に debug せいちゅうんか? アドレス 0xf8a5 なんざ, 糞食らえだ. まあ, エラーメッセージの意味不明性に関しては, どのシステムも丙丁付けがたいも のがあるが, 仮想メモリのか物理メモリのかは知らんが, アドレスの値を教え てくれても, タッチおじさんは困っちゃうよ. 無意味な情報は, 情報が無いより もタチが悪いということに, 想像力に欠ける開発者が気づかないのであろう.

開発者本位というのは, ユーザインターフェースの設計によく現れている. 知っ てる奴しか判らない技が実にたくさんある. 有名なのが「レジストリ」だ. 俺 は普段 UNIX系しか使わないが, UNIX系のシステムも開発者本位のインターフェー スだ. なのに, なぜ, UNIX の使い方は覚えようという気になるが, 「マ」の つく会社のシステムを覚える気にならないのだろうか. この違いは, じつは微 妙だが本質的だ.

UNIX ほど「計算機はいかにあるべきか」という問題が議論されるシス テムは無い. Linux や Free BSDは OS本体からしてフリーだから, システム 全体に「計算機はいかにあるべきか」という思想が流れている. なんせ, 売れ るかどうか考える必要が一切無いからな. 大学の情報系の学科で使うシステム も, ほとんどが UNIX である. だから, UNIX でプログラムを書く者は, 「計 算機はいかにあるべきか」ということを, 多少なりとも考えずには居れないの である.

ユーザインターフェースに統一性を与えるものがあるとすれば, それはまさに, この思想に他ならない. UNIX が開発者本位なのには積極的な理由がある. そ れは, 「計算機を使うということは, 結局プログラミングをすることに 他ならない」という思想だ. この思想に従って, UNIX はプログラミングをや りやすいように作られた. それしか考えてないと言っても良い(だから, 最初 は unics という名前だった). UNIX のユーザインターフェースを学ぶと, 自 然にそのインターフェースを設計した奴の計算機に関する思想を学ぶことにな る. それに, 計算機を使うということは, 結局のところ, プログラミングをす ることに他ならない, というのは, ある意味で正しい.

言うまでもないが, 「マ」のつく会社には, 計算機はいかにあるべきか, といった思想は一切無いのである. だから, ユーザインターフェースの統一性も無い. 全てが場あたりで, 例外だから, 文系科目の教科書のまる暗記と同じで, 覚える気にならない. 教科書まる暗記は, みっともなさと説得力を別にすれば, とりあえず教養になっ たりすることもあるが, Windoze の細かい使い方なんか知ってても, 単なる記 憶力の無駄使いだし, 面白くも難しくもない(ややこしいだけ) から, ゲームのコマンドやマップを知っ ているより断然劣る.

「マ」のつく会社には, 思想が無い. しかし, それに似て非なるものならある. それは, 妄想だ. 完全テクノロジ妄想 である.

完全テクノロジ妄想は, 完全言語妄想の変種だ. それは, 完全言語妄想が, 世 界の全てを表現する言語を目指すものであるのと同様, 世界の知的営為全てを 技術に実装しようという妄想である. 未熟な技術者が抱く典型的な妄想だ. だいたい, バグだらけの糞プログラムをリリースしといて, バグフィクスで金儲けを企むような会社が, 自動アップデート? 音声認識と自然言語処理だって? まあ, 言うだけだったらタダだから, べつにいいけどね.

この種の妄想の導く典型的な過ちは, 「出来る事とやって良い事を間違える」 というもので, 独善的なテクノロジーオタク(オタクは常に独善的だ)が常に 抱えている危険である. しかし, この妄想は, intel狂ってる にとっても非常に都合が良いのだ. そ れは, 完全テクノロジを実装したプログラムを動作させるために, ハードウェアは, 無節操な能力拡大路線を取らざるを得ないからである. また, この妄想は, 計算機に詳しくない人にも訴える力が強い. 買っただけで, なんかスゲエことが 出来そうな気がしてくるのである. お笑いであるが, 詳しくないんだからしょ うがないし, この場合, だまされる方が悪いとは必ずしも言えまい.

この, オタクの独善しか導く方針が無いシステムが, 自分の周りにある輝かし い知的産物にアメーバのように無自覚に手を伸ばしてゆく様は, まさにおぞま しさ以外の何物でもない. だから, 俺は Windoze が動いているのを見ると, 消したくなるし, 「マ」のつく会社の製品を使っている奴は殴りたくなる. まあ, 「マ」のつく会社には何やっても許されるという気もするけど, しかし, そうは言ってもお上に泣きつくのはみっともないね. 俺は sun の殿様商売も嫌いだし.