Linux ねずみ講


最近話題の, 倍々で増えてゆく Linux ですが, 広告もしてないのに, なんでそんな勢いで増えてゆくのか, 最近まで理由が判りませんでした.

だって, たとえば 雑誌の広告で, 「Linux 2.2 リリース. 超絶の新機能. 比類無きスケーラビリ ティ. GNOME 1.0 も出て, ハイエンドサーバからクライアントのデスクトップ まで, 信頼性と自由な環境をおとどけします!」とか見たこと無いもんね.

こないだ, わしのサイトの計算機コーナーで, Linux は OS 市場を独占するだろう という記事を和訳して紹介したが, そのなかに, 「半年ごとに, linuxユーザは倍になる」というのがあった. 訳したときは, 「はあ, そういうもんなんですか. そりゃえらいことですねえ」 とは思ったが, 具体的にどういうメカニズムで指数関数でユーザが増えて ゆくのかわかんなかった. 俺もアホである.

こないだ, やっと気が付いた. それは, Linux ネズミ講 のなせる業だったのだ. 指数関数といえば, ネズミ. 1 匹が 2 匹. 2 匹が 4 匹. 32 世代で 43 億匹. のアレである. そして, 私自身, 自分で気が付かないうちに, Linux ネズミ講に一枚噛んでいた. 気が付かないうちに! これがポイント. いわゆる一つの無意識です. 三島由紀夫は「俺には無意識なんか無い!」と安部コウボウだか誰だかに言い放っ たらしいのですが, その無意識下で, ネズミ講をやっていたのであった. ムイシキン候爵((C)トルストイ)もびっくりです.

それではそろそろ Linux ネズミ講の仕組みを説明しよう. これは, 次のようにして, Linux のユーザを増加させているのだ.

べつに Linux ネズミ講では, 誰かが特に儲かるというわけではない. ただひたすら Linux ユーザが増えてゆくのだ. 強いて言えば, ハードウェアのメーカが儲かるくらいか.

実際, 私が Linux のインストールを手伝った人は, やはり他の人のインストー ルを手伝っているようである. 使って半年すると, だいたいひととおり判るよう になるので, 他の人を手伝う余裕ができるのかも知れない. こうして, 友達関係に成立する推移律(*)にしたがって, ユーザ数が指数関数的 に増大してゆくのだ.

俺は思う. 確かに, Linux よりも使いやすいシステムはある. たとえば, Mac OS と, その一党のユーザインターフェースは, 本当によくでき ている. また, マイクロソフトのプログラムは, ださいしでかいしバグも多いが, とにかく動く. Linux が優れているのは, 開発モデルとユーザの気質だ.
(*) 推移律 transitivity 3つの対象 x y z と, ある関係 R に関して, x と y , y と z がともに R の関係にあるとき, x と z も R の関係にある ならば, 関係 R は推移律を満たすという.