無駄に強い肉体


無駄シリーズ(わはは)第 2弾である. じつは, 先週書いたような無駄は, わりとありがちだ. 無駄に強いものを持っているのは,それだけで楽しいのである. 皆様も身におぼえがあるはずだ. 不必要に速いプロセッサを買ってみたり, どうせ使わないのに 300馬力の車を買ってみたりするアレである.

この延長線上にあるのが, 無駄な体力である. 無駄というのは, つまり, どうせそんな筋肉/筋力つけても, 今日びつかうことは無いという意味である. そのおかげで健康になった(つもりになった)り, 気分がよくなったりする ぶんに関しては, わしのしったことではない. まあ, そう考えるとなにごとも無駄ということは無いのかもしれんが.

狩猟/採集生活では, やっぱり体力つうか, センスつうか, そういうもの が決定的に重要だったはずだ. 歩けない, 走れない奴や, ガサツな奴は狩猟とか無理でしょう. しかし, 今はそうじゃないですから, 体力なんかなくたって平気である. 現に, わしなんか体力単調減少の日々を送っておったが, 何の不都合も無かった. 必要最小限, 駅の階段を登り降りする体力さえ残っておれば, 現代社会では生きておれるのだ.

昔は, それこそスポーツカーのような無駄な体力を誇っておったわしだが, かくしてバスなみの運動性能におちついてしまった. 何にも難しいことはない. うまいものくって, ごろごろしてれば人間そうなるものなのだ. 家から駅までの距離が走れなくなってしまうのである.

しかしながら, やっぱり無駄な体力があれば, 快適なんですな. それを最近思い知りました. 遅い CPU でも問題なく各種プログラムが動くけれども, 速い方が良いように, 非力でどんくさくても生きていけるのだが, やっぱり素早くて力強い方が, 快適なのである. 何が違うか? まず, 日夜コンピュータをいじくっているわしだが, なんやかんやで慢性的な肩こりに悩まされておった. セーターをぬぐのが辛いときもあるほどで, 腕が上がらんのである. しかし, そんなの気が付いたら完全に消滅しておる.

人間で CPU にあたるところは何か? これは断じてのーみそではない. 実は, CPU は心臓にあたるのである. ここの性能が上がれば, 全てが快適に動作するようになる. 肩こりだって,所詮は筋肉の血行障害だからな.

CPU といえばクロックアップだ. 俺はやらないが. 性能を向上させる, 一番わかりやすい手段が 動作周波数の増大である. しかし, 心臓の最大動作周波数は, だいたい決まっておる. クロックアップはヤバいです. 心臓が暴走したらどうなるかっつうと, それは心筋コーソクとかアレですな. だから, 速く動かすのは原理的に, ちと無理. じゃあどうするのか?

普段のクロックを落とせばいいのだ. つまり, アイドル時のクロックダウンが心臓のクロックアップなんですな. ややこしい. 普段供給している血液の量を, 低い心拍でまかなうことができれば, 上限はだいたいきまっているので, 結果的に, それだけ最大出力が上昇したことになるのである.

心臓のクロックアップは簡単で, 使えば良いのだ. 普段, 怠けている心臓をドクドクドクーッ と使ってやれば, 強まってきて, 平常時の心拍が減る. そうすりゃ何キロでも走っていられる.

しかしながら, わざわざ心臓を鍛えるだけに走り回るのもあほらしいし, そんなヒマも無いというのが最近の暮らしである. そこで, 俺が考えた特訓方法を公開しよう. すなわち, 自衛隊レンジャー方式であり, そのモットーは 三歩以上は駆け足 である.

移動は全部ランニングにすればいい. 駅から家までも家から学校までも, 全部走れば良い. 研究室から駅までけっこうあるから, これも良い. ちょっとヒマで荷物が無いときは, 電車を使わない.

すると 4日で肩こりは直り, 30分走っても平気になった. なーんだ. 体力なんてあっというまに戻るじゃん. 楽勝だぜ. かといって, これでやめるつもりはない. 俺は歩かない. どこでも走るぜ.