業界(何の?)標準のプレゼンテーションツール, magicpoint の新しいのが知ら ん間に出てたので, ちょっとコンパイルしてみました. README を見ると 6月あたまくらいに出てたようです.
現行のリリース版はどうなっているのか知らんが, 実は俺がインストールした Vine のバイナリには若干問題があって, VFlib がリンクされていないのだ. だから, 日本語のプレゼンテーションファイルを使うと, 普通の bitmap フォントしか使われず, えらく小さく表示されてしまって 全然使い物にならんのである. これじゃ作者に申し訳がたたん.
文句があったら自分で直せ, である. 新しいリリースを機会に自分でコンパイル してみたが, やっぱりなぜかVFlib をリンクしない. どこでおかしいのか調べたら, configure が狂っており, 「VFlib がインストールされてない」と判断してやがる. そんなばかな. ちゃん とインストールされてあるのにな. 他にも VFlib を使うプログラムは幾つかあるが, そいつらはちゃ んとダイナミックリンクして動いてるぞ. これは絶対 magicpoint に付いてる configure がおかしいのだ. configure はしょせん shell script なので, おかしいところを捜してみた. configure の VFlib関連のところを見ると, ライブラリがインストールされてい るディレクトリを捜しているが, 捜すべきディレクトリのリストがおかしくて, わしのシステムではライブラリとヘッダファイルが見付からなかったのだった. WIDE には FreeBSD 及び solaris 偏向が見られるが, これもその一例であろう.
あ, 今, 1.0.5 で mgp ファイルの parser にバグがあるのを発見. 昔作ったプレゼンテーションファイルで動きません. ぐわー!むかつく. むかつくので, 1.0.4 に戻しました. 残念.
で, どこをどう直すかなんですが, configure が VFlib を捜しているところで,
ディレクトリのリストを for 文で廻して捜しにいってる箇所がある.
そのディレクトリの
リストに自分の VFlib が置いてあるディレクトリを追加すると良いのです.
Vine なら /usr/lib/libVFlib.so.xx ですので, /usr を追加しとけば良い.
ヘッダファイルは VF.h ですが, こいつもおそらく /usr/include か
/usr/local/include あたりにあるでしょう.
下に修正例を載せときます. 1.0.4 の configure 1160 行あたり.
if test "$mgp_use_vflib" = "yes"; then
echo $ac_n "checking for VFlib library/header""... $ac_c" 1>&6
echo "configure:1165: checking for VFlib library/header" >&5
for dir in /usr/local/VFlib /usr/local/vflib /usr/local /usr; do
ac_cv_vf_libname=VFlib
ac_cv_vf_libdir=no
ac_cv_vf_hdrdir=no
if test -d $dir/lib -a -f $dir/lib/libVFlib.so; then
4行めで /usr を追加してあります.
ライブラリが本当に無い場合は magicpoint のせいじゃないよ. 自分で VFlib のパッケージをとって来るなりコンパイルするなりしてインストール してちょうだい. slackware 系なら, tar tvfz PACKAGE_FILE_NAME でインストールされる もののリストが見れるし, rpm なら rpm -qfl PACKAGE_FILE_NAME ですか. モノがどこに入るかをこれで確認して, 必要に応じて configure を編集してくれ.
全部アップグレード. gnome 関連.
せっかくだから, ここに 1.1.7 の新機能を紹介しよう. ディストリビューショ ンの 「NEWS」からの翻訳
GIMP 1.1 - New features -*- text -*-
現在作業中のものを含めて, 新しい機能を下に紹介しよう. ソースを全部読んだわけではなく, ChangeLog を見ただけなので, 全てを正し く紹介できたという保証も自信も無い. ただ, ちょいと足りないものがある, と いうことだけは保証できる. リストの下に行くにしたがって新しくなる. 最後に, いつもの奴(訳註:著作権 などの表記)を含む.Copyright 1998 by Sven Neumann
- XInput support
デフォルトで, GIMP ではタブレットのような特殊な描画ハードウェアに対 応している. しかし, 何が使えるかは, あなたの使っているXサーバに依存する. たとえば, Wacom の描画タブレットなどである. 複数のハードウェア, や, 圧 力および傾きへの感度は, 各描画ツールにゆっくりではあるが, 徐々に付加されつつある.- Ink tool
上で紹介した特殊なハードウェアを持っているならば, なかなか楽しめる新しい オモチャだ. でも, それを持ってなくても別に問題は無い. ポインタを動かす 速度に依存して, サイズが変化するようになっている. 効果はなかなかのものに なるはず.- Smudge tool
乾いてない油彩を指でぐにーっとやるように, 画像のピクセルを「押し退ける」 ことができる.- Dodge & Burn tool
画像の特定の領域を暗く/明るくする.- Quick Mask
これを使えば, 選択範囲を素早く赤いマスクに変換したり, あるいはその逆の操 作ができる. マスクは描画ツールやプラグインで直接触れる. (訳註: イメージ 表示窓の左下の赤いボタンのこと. これはかなり便利です. )- Image selection thumbnails
ダイアログ窓で, どのファイルがどんな絵かを, サムネイル(縮小画像)で関連づ けてくれる.- 'File New' dialog
新規ファイルダイアログで, 印刷したときにどれくらいの大きさにするかを, イ ンチやセンチで指定できる.- Hex display
色ピックツールに目立たないがナイスな機能が付け加わった. 選択した色に関し て, 16進の数値を3つ表示してくれる. WEB アーチストには助かるはず.- Pop-up button
定規の左上のスミにはメニューボタンが追加された. タブレットに便利でしょう.- Status bar
画像表示窓は, ステータスバーを装備した. プラグインは, その経過の進捗をそ こに表示するし, ポインタの位置も表示される. 大抵のツールはこれに対応して いる. たとえば, 選択ツールは, ドラッグで選択操作を行っているときに, 選択 範囲のサイズを表示する. ステータスバーが邪魔なひとは, 設定窓で消すことも できますので, 御心配無く.- GUI enhancements
ユーザインターフェース全般にわたって, 改善がなされている. いろいろなとこ ろで Spinbutton が使われている. 将来的には, もっと強化したいところだが.- Session management
GIMP は窓のサイズや位置を記録しておき, 次に起動されたときにそれを復元す る.- Selections
選択範囲を広めたり狭めたりするアルゴリズムが, 新しくなった. ずっと具合よくなったぞ!- PDB interface
たくさんの内部関数が PDB に移された. おかげで, たとえば アニメーションプラグインは, GIMP 本体をいじらずに開発できるようになった.- Better tile-caching
タイルキャッシュのやり方は賢くなり, 要らないタイルはメモリが足りなくなる 前に別のスレッドが swap に出すようになった.- Copy On Write
1.0 に統合するのが間に合わなかった MAD-COW パッチが, やっと統合され, さ らに高速化された!!- Document Index
ドキュメントの目録のおかげで, GIMP の全体的なイメージを掴みやすくなった. GNOME MC などから, 画像を d+d で読み込み可能.- Editable Brushes
変更可能なブラシについては, 若干やるべき事はあるにせよ, 基礎はだいたいで きている.- Fixed size selections
上下サイズ比は, 数値で個別に入力可能.- Script-Fu interface improvements
Script-Fu ダイアログは, 入力ウィジェットをなんでも受け付ける. たとえば, フォントやブラシ, グラーディエントやパターンのセレクタとか. 文字列は, うざい引用符を使わなくてもよくなった. 数値の入力はスライダやス ピンボタンが使える. 多くのスクリプトは, それに備えてアップデートされた.- Quick Reference
クイックリファレンスがずっと良くなった. 掲載されている情報も増えた. あな たのデスクトップに, ズバリ必須でしょう.- Transform Tool UI
変形ツールのインターフェースは全面的に見直された. スキャンしたときちょっ と傾いてしまったのを直すモードが追加された.- Color representation
truecolor 環境でないときに GdkRGB を使うようになったので, ディザ表示が 改善された. 若干の高速化も併せて実現された.- Parasites
画像にいろんなデータを付加したり, 取り出したりできる.- Tattoos
描画領域に捺印できる. こうすれば, プラグインがレイヤを追いかけるのが容易 になる.- Dialogs
PDB からいくつかのダイアログが操作可能になった. プラグインが, 自分でブラ シ, パターン, グラーディエントの選択窓を使えるようになった.- Idle-Renderer
表示の再描画を担当するのは, 割り込み可能な非同期スレッドになった. おかげ でレイヤ窓を使っているときのレスポンスが向上した.- Resolution support
画像には解像度を設定できるようになった. GUI にうまいぐあいに統合したいと ころだが. 既に, これを活用したプラグインも幾つか存在する.- GimpPerl
GIMP-Perl 拡張と Perl-Fu スクリプトが幾つか, 1.1 ディストリビューション に含まれるようになった.- Monitor resolution
浮動小数点スケールで画像を表示可能. (訳註:これ, まだ実装されてないんじゃ ないの?) GIMP が, モニタの解像度を取得できれば, 印刷イメージで一インチ を画面上で一インチとして表示できる. でも, もうちょっとやんないといけない ことがあって. . .- Help in the DB Browser
PDB の関数の help が DB ブラウザで使えるようになった.- Internationalization
NLS だぜ!- New plug-ins
新しいプラグインが幾つか追加された. レジストリには他にも登録/アップデー トを待っているものがある. 目に付いたものをちょっと紹介すると,
- 水彩色選択 - ナイスな色選択ツール
- NewsPrint - ヒュー! 一見の価値あり
- Guillotine - ガイドに沿って, 画像をスライス
- アンシャープマスク
- Internals
よくわかんないけど, GIMPの内部構造もだいぶ変わった. たとえば, オブジェ クト化とか, イメージ ID システムの消滅とか. 自分で ChangeLog を見てくれ.- Plug-ins and Scripts
上でう触れていないが, GIMP 本体や GTK+ の変化に応じてプラグインやスクリ プトが アップデートされた. そのリストをいつかここに追加したいものだが. . .- Color selectors
いろんな色選択システムをモジュールとして追加するための API が追加された. GTK 色選択と三角色選択が, これを用いて追加されている.- Better feedback
GIMP 本体の操作でも, 長い時間がかかるものは(変形やグラーディエントなど) その進捗をプログレスバーで表示する. また, カーソルも時計マークになる.- Unit representation
インチやセンチといった単位に基づいて作業できますよ.- Paths dialog
パスの操作はずっと良くなった. パスは非常に柔軟性が高いので, 現用のベジェ ツールをそのうち完全に置き換えることになるだろう.- Thumbnails
サムネイルがあれば, ファイルを開くダイアログでそれを表示する. 無ければ, 作ることもできる.- Indexed images
RGB の画像をインデクスカラーに変換するのは, 改善された.- Win32 merging
ゐんどうづ 版で必要だったパッチは, ソースの本流に統合された.- Cursor changes
カーソルは, 選択モードを反映するようになった. 選択範囲を追加してるのか, 削減してるのか, 論理積をとろうとしているのか, ずっと解りやすくなっている. パスの操作の時も, 同様.- Miscellaneous
- 描画関数(ブラシ, 鉛筆, エアブラシなど)は最適化された. グラーディエントで 塗ることもできるようになった.
- 動画作成で非常に重要な機能を持っていた GAP プラグインは, GIMP本体に統合.
- フォント選択ツールは, 作り直した.
- やや不完全ながらも, 新しい MAINTAINERS ファイルが誕生. GIMP のいろ んな部品に関して, 開 発者を追跡可能.
- gimprc ファイルのマニュアルもあるよ.
- タイトルバーの表示も, いろんな情報を表示するようにカスタマイズでき るようになった.
Modified by Zach Beane
どうです. すげえでしょう(いばるな). もうこれは, 何があっても 1.1 に移行するしか. 実際, gmc からメインウィンドウにファイルを drag して開くことができるのは, 非常に便利です. クイックマスクも良い. まあ, 若干動作がおかしいところもけっこうあるけどね. 特に, script-fu まわりがかなり. . .