マウス, あるいはポインティングデバイスというと, 玉が床を転がるか, 玉を指で転がすか, イボを指でいじくりまわすか, 怪しい四角い領域をなぞるか, という分類が専らであるが, 実は昔は光学式マウスというのが主流であった.
何が光学かというと, マウス本体の底に発光部とセンサがついている. 特殊な座標(デカルト座標)が書かれた専用の運動場をマウスが動くと, 発光部とセンサでマウスが移動した事が判るという仕組みだ.
この方式の, 機械式に対する優位な点は, 自明であろう. つまり, マウスの動作において, 機械的な接触部分は皆無であり, したがってメンテナンス不要である. 機械式のマウスは, 玉やローラにゴミがついたり, 玉が傷んだり, あるいは元から作りがヘボかったりして, 動きがおかしくなる事がままある. また, 原理的に, 動作方向を変更すると, ポインタが完全に追随するように 製作するのは難しい. しかし, 光学式は, そういう問題に関しては完全に自由である.
そんな優れた方式の製品なんだったら, なんで世の中全部玉コロ方式なんですか? 優れた光学式のマウスなんか, どこにも見当たらないんですけど, なんでですか? というもっともな意見があろう. そのとおりである. そして, その理由とは.
光学マウスは高いのである. 値段が高価なのである. なんで高価なのかというと, 専用の運動場を作んないといけないところと, センサが高いのかも知れん. マイナーだから, 高いのかも知れん. 実際の所はよくわからないのである. 今日買ったやつも, 例外ではなく, 6500円である!ぎょぎょぎょ. 650円で玉方式のマウスが楽勝で手に入る今日この頃, なんで 10倍もの値段を出 して, , ,
そんな高い光学マウスをなんで買って来たのかと言うと, じつは以前, わしは光学マウスを使っていたのである. わしは昔, 計算機関係の学科の修士を出たが, そんときに unix ワークステーショ ンについてたのが光学マウスだった. そして, これがえらい調子が良かったのだ. それが忘れられないのだ.
光学マウスは, 運動場さえあれば, どこでも使える. 不安定な本とか布団の上に 置いても使える. しかも, レスポンスは最高だ. CG をノートで作る俺にぴった りのデバイスではないか. しかも, 光学マウスは玉とかローラとかの機械部品によるサイズの制限が事実上無い. つまり, むちゃくちゃ小さくできる. このほど買って来たのは, 指先でつまんで使うほどの大きさだ. この大きさを, 機械式で実現するのは, 難しいのではないか. だから, こいつはノートと一緒に持ち歩くには, けっこう具合が良いのだ.
ただ, 若干問題がある. resume してから ps/2 に端子を突っ込んでも認識され ない. resume するまえに接続しとかないと, 認識されないのだ. 常に発光部が光ってないといけないわけだから, ps/2 からはいつも電源が供給 されているのだろう. resume した時に何も繋がってないと, 電源供給がカット されてしまうのかもしれん. いづれにせよ, これはやや不便である.
部屋を真っ暗けにしてマウスの底を見ると, ちゃんとかすかに赤い光が見える.