pgp-2.6.3i, mpg123, gnome-libs, gnome-core


pgp-2.6.3i

気合いが先走って pgp5.0 をこないだインストールしてみたが, コレは mew と一緒には動かないのだった. つうか, どうもいろいろみてたところ, pgp は 2.6 ですでに非常に完成されたプログラムで あり, 特に 5.0 を使わないといけないということはないようだ. 2.6 と 5.0 (開発中は 3.0 だったが, どっかで 4.0 が出たので 5.0 にしたら しい) の本質的な違いは, 5.0 が新しいアルゴリズム DSS/Diffie-Hellman を 実装したところにある.

この新しいアルゴリズムは, 2.6x は喋れないし理解できないので, 5.0 を導入しても, もっぱら RSAの鍵を使い続けるしかないという感じ. それじゃあ 5.0 の意味はないのだ. それに, なんといっても一番困るのは, 電子メールを保護するために導入したに もかかわらず,mew と一緒に動かないところだ. change log を見ると, 1.9.3 で「とりあえず対応」と書いてあるので, とりあえず動くだろ, と思ったら大間違い.

pgp みたいな公開鍵暗号の動く具合をちょっと説明すると, この手の暗号プログラムの最大の特徴は, 暗号化するのに使う鍵と, 復号化するのに使う鍵が違うという点にある. 暗号化に使う鍵は復号化に使う鍵をもとに生成される. しかし, 逆, つまり復号化に使う鍵を暗号化に使う鍵を元に生成することは, 膨大な計算量が必要で, 事実上不可能だ. だから, 暗号化に使う鍵はそこらへんに(webサイトとか)に置いといて構わない のだ. 暗号化鍵が「公開鍵」と呼ばれる理由はここにある. これに対して復号化鍵は「秘密鍵」と呼ばれる. こっちは公開したらあきまへんで.

暗号通信は, 次のようにして行われる. 始めにお互いが公開鍵を入手する. これは, ハガキに書いて送っても良いし, www や email といった unsecure な 手段でもいい. 相手は入手した公開鍵を使って暗号化したデータをこっちに送っ て来る. これを復号化するには秘密鍵が必要だ. これは, 公開鍵を作った俺が所 持している.

在来型の, 暗号化に使う鍵と復号化に使う鍵が同じという暗号では, 暗号化された通信を始める前に, 鍵を安全にやりとりする必要がある. しかし, 安全にデータをやりとりできるのなら, なんでわざわざ暗号なんか使う必 要があるの?アホですな. それともスパイゴッコですか? だから, 公開鍵暗号が使えるようになってはじめて, まともな暗号通信ができる ようになったといえるだろう. 俺が高校生だった頃, RSA 暗号が発表された. その記事には, 「非常に画期的ではあるが, 現在のコンピュータでは無理」みた いなことが書いてあったものだ. 公開鍵暗号は, 計算がものすげえ遅いので, 32bit の高速プロセッサじゃない と, 実用にならなかったのであった. 良い時代である. だから, 皆, 使え.

この通信モデルは非常に良くできているが, 問題もある.

だ. 前者の潜在的な危険は, 公開鍵を発行した相手が, 実は治安当局に囲まれて いて, 相手の公開鍵だとおもったものは治安当局が作成したものだったりして, 知らずに発信したメッセージは治安当局に解読(盗聴!盗聴!)されてしまう. 治安当局は, 囲んだ奴の正しい公開鍵を持っているので, 解読したメッセージを, それを使って暗号化し, 囲んだ奴に渡してやれば, 彼はそれを普通に復号できる ので, 囲まれた方も送信する方も, ヤられちまったことが, 全然わからない. これをやるには通信相手の詐称が必要だから, こういう種類の盗聴が現盗聴法で認められるのかとうか, 判らない. しかし, 何事であっても「敵の目で見る」ことは大切だ. それが合法かどうかなんか, 俺にも治安当局にも, 実はどうでもいいのだ. 問題は, 可能かどうかである. 抑圧可能であるとき, 人民は抑圧されている.

秘密鍵を保護するには, 鍵を自宅の据え置きなんかに置かないことだ. これは, 玄関の郵便うけに鍵を隠す(これって隠してるの?)のと同じだ. 国家権力やヤクザが欲しがるような秘密鍵は, フロッピやノートパソコンに入れ て持ち歩かないといけない. ガサ食らってハードディスクを盗まれたら終りだからな. 秘密鍵を持ち歩いていれば, 少なくともそれを盗まれたことは判りやすい. 盗聴の目的は盗聴すること自体にも存在する(盗聴相手にプレッシャーを与える ことが出来る. )が, やはり最大の目的は情報を入手することにあるわけで, その限りにおいて盗聴していることは決して知られてはならないのだ.

秘密鍵の盗難は, たとえば pgp で解読するときに, メモリのスナップショッ トを取るという方法もある. ガサ入れで, 盗聴相手の計算機にそういうプログラムを仕込むのである.

まあ, それにしても, smtp や telnet をタレ流ししとくよりは, この方が安全 であることには変わりないわけで, それゆえフランスやロシアでは暗号通信が違 法なのである(フランスは, 今は合法かも). うはー. Mission Impossible ですな. そういう暗くて嫌な話はとりあえずおいといて, mew は pgp5.0 と一緒に使うと, 暗号化して送信するときに, なぜか 自分の公開鍵を使うという底抜けにポンチな仕様になっており, 相手様が解読できないので, 全然ダメなのでした. pgp のせいじゃないよ. mew が 5.0 に対応してないのが悪いのさ. 2.6 と 5.0 で, コマンドラインの書式が全然変わったのだ.

mpg123-0.59q

すげえ具合いいです. こいつは, いままで使った mp3 再生プログラムで, 一番具合良い. なぜなら, 軽く, 音が良く, 余計な機能は無くて, しかも音が飛ばない. x11amp なんかケッ. 比じゃないっす. 昔と同じプログラムとは思えない高性能.

昔, こいつは音は良く, 軽かったことは軽かったのだが, 何かするとすぐ音が飛んだ. 窓の focus 切替えたくらいで音が飛び, X では使いものにならなかった. ところがしばらくみないうちに, なんてこっ た. このバージョンは凄いぜ. 完全に生まれ変わって, 別のプログラムだ! バッファに 4Mくらい指定してやれば, 何やっても音はとびません. まじでこれはすごい. 再生と同時に GIMP で png 形式, 最高圧縮率でセーブしても平気です. しかも, 音質最高. unix 最速をうたうだけあって. 処理も高速だ. 486 でも使える唯一の mp3 再生プログラムでしょう. でも, マニュアルをよく読んで, バッファに関するオプションを適切に使わないと, 音はとびます.

gnome-libs-1.0.10, gnome-core-1.0.6

gnome-libs は change log も見ずにインストールしてしまったので, 何がどう変わったのか判りません. すみません. gnome-core のほうは, パネルに載せる applet が幾つか増えた.

gnome-terminal は良いぞ!

それから, 今まで「遅い!論外!」と捨てていた gnome-terminal を, 気を取り 直して使ってみたら, これがえらい具合良いということが判明. ただ, 日本語出ないんですが, こりゃどういうわけですかね. 全く困ります. setenv しようがフォントを日本語のものを指定しようが, 全然ダメです. 何かパッチかなにかありそうだが. 思い出した! gtk_getfont じゃなくて, gtk_getfontset を使わないと, 日本語出ねえんだった. フォントの指定を見ると, fontset による指定じゃな いので, だから, 日本語が出ないのです. でも, ソース見ると, ここを直すのは, ちょちょいとできる, というもんでもな いみたいなので, 諦めた. 弱い.

日本語はダメなんですが, それ以外は相当便利です. なぜなら, gmc と drag+drop できるし, グラフィカルにカスタマイズできるの で, 設定を気楽になんぼでも変更できて, 飽きっぽい私には非常に好都合. それから, drag+drop だが, これは ファイルマネージャからターミナルに何か持って来て放すと, プロンプトに持って来たファイルのフルパス名が入るのだ. これが zsh で非常に便利. 知っての通り zsh では, ディレクトリ名を入力す るだけでカレントディレクトリを変更してくれるからな.

メニューバーを消してしまったときに, 設定メニューをどうやって出すのかを発 見したときはちょっと驚いた. これはかなりいかします. カットバッファが空の状態で, 端末窓を右クリックである. また, ファイルマネージャの窓から起動でき, 今開いているディレクトリを pwd にしてシェルが立ち上がる. これも非常に便利.

欠点は, わりとメモリ大喰いだ. でも, じつはこれはそれほど欠点ではないのだ. スレッドで何個でも窓が出せるようになっておる. ちょうど netscape のように. プロセスは一個のままで, メモリの消費量はシェルのぶんが増えていくだけなの で, 数多くの端末を出すときは, 結局メモリの点では有利だ. あと, カットバッファの扱いが, いまいちよくわからない. バッファに放りこん だと思っても, なにも入ってなかったりして, けっこう困る. とにかく, 俺はかなり気に入っており, 今はこれをメインで使ってます. Eterm みたいに透明にもできるし, 画像も貼れるよ.

postgresql-6.4.3

OpenSource 最高という宣伝文句の RDB . でも, 自分で言うなよ. README にそんな宣伝が書いてあるフリーソフトって, コレだけだよ. なんか変だなあ. まだインストールしただけで, 全然使ってません. 論文書くのに, 文献データベースを作っとくと便利だろうと思い, インストールした. インストール自体は, 最近の Linux なら何の問題も無いでしょう. というのは, このデータベースの開発環境が, Linux-ELF だから. そのうち使い始めたらまた記事を書きましょう.

その後判明したのは, どうも 「データベースの世界」みたいなものを作っており, その中でいろいろな作業が行われるということだ. これがけっこう面白い. データベース世界の 管理者は データベースの一般ユー ザを作ったりしてアクセス制限したりできるのである. ユーザは, shellではなく sql という言語でデータベースを取り扱うのだ.