湯川で氷登り


1月 23日と 24日は, JECC 軍団で, 氷を登りに行った. 場所は湯川で, どこにあるかというと, 本沢温泉の下流だ. 海尻の近所で, 国道から林道を 10分ほど走り, 車を降りて川に下れば, 川岸の 崖にたくさん氷がある. どれもつららの集合体で傾斜は 90度. 大きさは 20m か ら 10mまでさまざま.

今回のメンバーは, なかなかキてました. 必殺無法時代の OB が 2人参加. しかも, そのうちの一人は, あの 溝淵三朗である. 俺の使っているmizoバイルの作者だ. 氷登りの達人である. マジで. あんな人は見た事無いね. ビデオで Jeff Lowe が登るのを見た事があるが, アレとはまた全然違った登り方だ. つうか, 衝撃であった. アイスクライミングがうまい人というのはなかなか居ないが, いやー, あれはスゴかった.

わしは, ミゾさんの作った怪しい試作品のアックスなどを借りて, あちこちのぼっ た. 川岸が全部氷壁で, ほとんど歩かずにいろんな氷を, 登り放題である. 印象的だったのは, セミチューブのペリカンみたいなやつだ. こいつは, 思いきり振り回さないと刺さらないのであるが, 思いきり振り回せば 「どん」と鈍い音をたてて, 必ず. 必ず刺さるのである. 普通, 丸く盛り上がっ たところに平板ピックを打っても氷が壊れるだけで, なかなか刺さらないものだ が, こいつは一発で刺さる. しかも, 刺さりすぎて抜けなくなるということは, 絶対に無い. しかし, いいところもあれば, 悪いところもある. 氷に食い込む所が大きいので, 十分差し込むためにはかなりのエネルギーが必要で, 俺などは思いきり振り回さ ないと刺さらない. 刺さりが浅いと, シャフトを動かした時に氷が壊れて抜 けるのだ. また, 思いきり振り回すので, 背後が中空になっている氷では, かなりの振動が 発生し, そのために既に刺さっているアックスが抜けたこともあった. ミゾさんは, 本番ではこいつを左手に使うそうである.

さすが JECC軍団だけあって, mizoバイルの使用率は圧倒的だった.

もう一人の OB, ニノミヤさんは, これも強烈無比の必殺な人であった. つうか, この 2人のコンビはまじでおかしい. ニノミヤさんというのは, やたらと口が達者なのである. そして, 言う事がミもフタもないのだ. 「あー. あんなもんは, クズやで」てな 具合で, 関西出身だし, なんか, どっかで見た事あるような気がするのはわしだけ であろうか?

一方, ミゾさんは, 寡黙な人である. そして, 二人とも過激である. 電車賃なんか, まともに払った事は無いそうだ. しかも, 無賃乗車の手口は, はちゃめちゃで, 走っている電車から雪の野原に飛び降りるというものだ. ニノミヤさんのいうことにゃ, 「乗員は, 革靴とネクタイだから, ぜーったい追っかけて来ない. 」 そりゃそうでしょうよ. でも俺は, 多分, 服装のせいで追っかけて来ないのではなく, 飛び降りたのにあきれて追っかけて来なかったのだと思うな.

ずいぶん登ったので, 脇がひどい筋肉痛になった. また, 最後に登ってて, でかい氷を落したが, それが右腿にあたり, 若干打撲傷を負った. 氷のせいで, 顔に引っかき傷が多数できるのは, 毎度の事だ.

今回気づいたが, やはり氷も揃断に弱い. つららに左のアックスでぶら下がった 状態で, 左アックスが打ってある上に右手を打ち込んだら, 一発で氷が切れた. 左で張力をかけたところに, その張力と直角に力がかかったからである. だから, ハングを登る時は, 揃断にならないようにアックスを打ち込む場所を考 えないといけないのだ. 今回で一回墜落したが, その原因は, 氷の揃断破壊だっ た. 打撲の原因でもある.