なんとなく思い付きでヤビツ峠に行ってみた. ヤビツ峠は, 丹沢にある普通に通れる唯一の本格的峠である. 標高は, 地図 (といっても単車用のツーリングマップだが) によると 761m となっている.
丹沢まで全部走ると大変だし, 空気も悪いし危険だしパンクしたりもするので, 新宿から電車に乗ることにした.
明治通りを渡るとき, ひかれそうになった. 笑
かなり速いチャリ便に出会った. 広尾から六本木まで後ろに付いてたら, 「先頭引いてくれ」と 合図されたので, 先頭に出た. またガイエン通りでタクシーにひかれそうになった. 今日はよくひかれそうになるのう.
新宿に着いて, 電車の料金表をみたら, 高尾は 540円なのに, 相模湖は 900円くらいしやがる. なんか納得いかないので高尾までしか乗らないことにした. これだと, 大垂水峠を自力で越えなきゃいけないが, そんなの余裕でしょ.
高尾でチャリを組み立てて走り出したところで チェーンがキコキコ鳴っていることに気づく. ぐはー. 駅前のバイク屋兼チャリ屋でオイルをさすが, ダメ. 治りません. そうなんすよねー. トリフロー (テフロン含有という噂で高性能という噂の潤滑剤) って, 一回キコキコ鳴っちゃうと, 一度脱脂してやりなおさないと ダメなんすよ. もう, いいや. このまま行こう. チェーンが伸びたら シマノの 8段用を使えば良い.
大垂水峠. けっこうしんどいです. 特に, 下りに入る直前の勾配がきつい. でも, 下りは速いぜー. オラオラ, そこの乗用車. とっとと走りな.
相模湖の街で行動食と水を仕入れる. 水は 1L 買って, 半分は飲み, 半分をボトルに入れる. 行動食は, 例によってチョコチップクッキー.
じつは, 高尾から丹沢までは, いくつもの峠を越えて行かねばならないのである. そのへんが, バイク用のツーリングマップでは, よくわからないのである. 結局, ヤビツ峠まで越えねばならなかった登りは,
高尾から相模湖あたりは 車も多いし, なかでも大型車両が多くてなかなか厳しいものがあるが, 宮ヶ瀬ダムのあたりからは, 交通量もぐっと減って, 道幅も狭くなってくる. 道端にヤマカガシが居たりして, 徐々に田舎になってきた.
チェーンがキコキコ鳴っているのに野鳥が反応して さえずるのが, すげえおかしいぞ. バードコール兼ロードレーサーじゃー. わはは.
フロントのスプロケをインナー 39T に切替え, ガシガシと快調に飛ばすが, いきなりダムから 2km くらい来たところで通行どめに出食わした.
なんといっても通してくれないが, 表示をみたら 17h から通れるようなことが書いてある. この時点で 15h40m だった. ここは退くか, どうにかして前進するか, 決断を迫られるところだが, どうせ帰っても, またあの交通量の多い地帯だからなー. 戻るのは不愉快だし, 最近は陽が沈むのも遅い. 峠は残すところ登りが 12km で, 20km/h 出せば 30分ちょっとで抜けられる.
とまあこのように計算して, その場で寝て待つことにした. 念のためチャリにワイヤーロックをかけ, 念のために持って来たフリースを着て, クッキー食って水飲んで, 小便してから 石垣の上のコンクリに直寝.
45分ほど寝たところで, 陽が陰ってしまい寒くなって起きた. そのへんをうろうろして時間を潰していると, ガードマンのおっちゃんが 「5分まえだけど, もういいや」 と通してくれた.
立ち漕ぎで猛然と峠にダッシュ! ゴー! 道幅はかなり狭くて, 前から突然対向車が来たら終わる感じ. もっとも, 自転車は静かなので, 自動車の走行音はよく聞こえるから けっこう遠くから判る場合もあるが, 沢筋などは意外に音が通りにくいところもあるから気をつけるに 越したことは無い.
わしは平地ならどこでも 30km/h 以上は出せるので, タイトな狭いカーブが続くと 乗用車が付いて来れない. 「オラオラ. 渋滞も無いのにさっさと走れよ」と前の車を煽る. 笑. もっとも, 登りがきつくなると, 自動車に勝てる道理なんか無いが.
時々山菜取ってる人なんかも居て, けっこう賑わっている感じ. 通行ドメになってた工事現場は, なるほどこりゃ通行ドメじゃわ. つう感じのガレ場. そこだけは自転車降りて押しました. そんなところでパンクしたらアホですから.
結局, 登り 12km を 38分で通過した. 平均時速は 18km だから, まあまあじゃないすか. 峠でオヤツを食べ, 水を飲んで, さあ, 下りです. 700m 一気のダウンヒルです. ちょっと道幅狭いのが恐いけど. 笑.
下りは何キロか知らんけど, 25分でした. 最高時速は 70km を記録. さすがに 70km 出すと, けっこう恐いです. でも, カーブの入口で「ガツーン」とブレーキングして一気に減速して 突入するのとか平気で, この辺はさすが DURA-ACE と 3RENSHO ですね. 自転車は車体が軽くて重さの殆んどが人間なので, 人間の姿勢がカーブを曲がる上でのバランスのほとんどを決めます. ちょっと膨らみそうでヤバいかな, と思ったら, 姿勢をちょいと低くしてハンドルを切り増してやれば, カーブの途中でのライン変更も簡単じゃ. バイクじゃあ, なかなかこうはいかんからのう. 前輪の Veloflex (イタリアの職人が作った決戦用レーシングタイヤ) も スゲー調子良いです.
つうか, 見晴らし最高. 秦野の街から海まで立体的にズバーっと見渡せて, この下りは スゲー良い気分です. 関東でも屈指の良い気分の下りではないかと思うのだが, どうだろうか.
ウヒ. わしが峠で休憩している間に出発した乗用車に追い付いちまった. トロいので, 抜く. 秦野の駅までは, ほとんどずっと下りで, 最高でした. 秦野から小田急に乗り, 登戸で降りて, 多摩川サイクリングロードから 中原街道を走って学校. メールその他用事を済ませて, 帰宅.
走行距離:100km
平均時速 :25km
つうわけで, ヤビツ峠は平日の昼間は通行ドメです. 知らずに行くとスカ気味. 日曜祝日は工事が無いので通れるみたいです. 詳しいこと, 最新情報は神奈川県の土木事務所に聞いてくれっす.