JECC で南アルプス行った. 武内, 吉川, 鈴木, わしの 4人である. 最近, 八ヶ岳ばっかり行ってたので, 他の山は久しぶりだ.
吉川さんの車で出発. 出発してからしばらくしたところで, 俺がフリースのジャケを忘れて来たことに気づいた. この時期, いくらなんでもフリース無しでわ寒いだろ. とりあえず, 吉川さんが車内で着てるのを借りることにする.
今回は戸台川方面の, 甲斐駒の沢でアイスクライミングだ. 戸台川は甲斐駒から西に流れている川で, 奥の方に丹渓山荘という 放置された山小屋があり, そこに泊まる. といっても放置廃屋状態なので, 屋内テントだが.
というわけで, 着いた 9日は屋内テントをはって 舞姫の滝を登る. 鈴木くんは肋骨を傷めてテントで待機. F1 20m はさっさとロープ無しで登り(少し緊張した. 笑), F2 らしきものを通って, F3 25m ピッチグレード 4+ から 5 というのを リード. 4+ 無い感じがしたが, これは北辰のおかげか? ダブルロープであとの 2人を確保. 2人いっぺんに確保するのは久しぶりだ. レスポンスよくロープを 捌けたかな?
二人がぬけたところで16時だったので, すぐ懸垂. 岩場がかぶっているので途中から空中懸垂になり, なかなかの絶景.
宿に戻った. 鈴木君は一人で心霊系の恐い夢にうなされていたらしい. 翌日 10日は駒津沢を甲斐駒方面に詰めることになる. 暗いうちに出発して暗くなってから帰るという 正しいアルパインクライミングの予定だ. というわけで, 10時くらいには寝る.
10日は4時に起きる. いっぱい朝食食って, お茶いっぱいのんで, 出発. あたりまえだけど真っ暗け. それにしても俺のヘッデンはサイコーだ. いや, まじで BD の LED 付きは良いぞ. なんせ電池換えなくて良いのが最高に良い. しかも LED だけで十分歩ける明るさ. バランスも良いし, 言うこと無いス.
戸台川は, 舞姫の滝を過ぎて, すぐトレースが無くなる. 結局そこから北沢峠に帰って来るまで, 10時間以上, ずーっとラッセルだった. 笑.
先頭交替しながら (先頭は雪を踏み固めながら進むので, しんどいのだ) どんどん歩く. そして戸台川 F1 に到着. F1 は滝壷が出てて, 落ちたらドボンである. 今日は, 藤田, 武内組みと, 吉川, 鈴木組みの 2パーティー. ロープはそれぞれ 1本ずつで合計 2本とした. ここは武内さんがリード.
後続パーティーが来た. こいつら, わしらのラッセル跡を通ったのか? そりゃ悲惨だったな. 笑.
F2 も滝壷が出てるが, 滝が小さいし傾斜も無いので, ここはロープ無しで登る. そしてしばらく行くと, 右手にでかい滝が. 80m の 2ピッチ. 戸台川から分かれて駒津沢 F1 である. 1ピッチ目を俺がリード. スピードをあげるために, わりとランナウト(ピンの間隔をあける) する. やっぱ 一発できまる北辰は最高だよ! マジで楽勝だよ. こんなところ, 絶対落ちないね.
とはいえ, 落ちたら絶対助からないので, 適当に打ちながら行く. だいぶ間隔あけたな, と思ったら, 支点を作る前に強めに打ったアックスに 自分のロープをクリップしておくと良い. ピンを打ったら, アックスにかけたヌンチャク(ロープが通ってる)をそのまま ピンに引っ越すだけでよろしい. なんて素晴らしい段取りでしょう! これは, 八ヶ岳の南沢大滝で隣を登ってた保科さんを見て学んだ段取りです.
2ピッチめの1本目をとってから, 1ピッチめのビレイポイントである 左の松の木に移動. 50m 全部使った.
武内さんは, 1ピッチめを登って回収したギアをそのまま持って, 2ピッチめに入る. これ最強. これが通の登り方. マルチピッチは, この高度感が良いス. とても高いっす. 氷のマルチピッチも良いねぇ.
実質, 駒津沢はこの滝で終わり. あとはずーーーーーーーーーーっと稜線までラッセルである. 途中, 駒津沢左俣との出会いにある 30m くらいの滝をやる. 武内さんがリード. 上部にちょっと水が流れてて結氷が甘く, 抜けるところで緊張した.
ここで俺はうっかり右手小指を思いきり氷にぶつけてしまう. また, 水が流れてるので手袋がかなりぬれてしまい, 手がややアレげな状態に. 手袋の指んところから手指を抜いて, 手袋の掌部分の中で拳状にぐっと握って温めると猛烈に痛い. といっても, 凍ったわけじゃない. だって, 手が凍ってたら, そもそも外側にある手袋が先に凍ってるだろ. だから, 指が動くわけないだろ.
鈴木君は調子が悪くてこの滝が登れず. フォローで墜落したときにリストループから手が抜けて, 結局アックスを落としてしまったらしい. スゲぇな. 普通, そうなるまで頑張るか? 結局 3人が懸垂で降りる. 時刻は13h. わしは降りたところで予備の手袋に交換. うはー, 新品の濡れてない手袋ってなんて快適なんだろ!
ここからひたすらラッセルしまくりの午後. 途中, ヤらしい岩登りをソロでこなしつつ 4人で ラッセルを交替しながら登って行くと, 16時に稜線に出た. 白山書房のガイド通りのスケジュールである. 素晴らしいペースだ. 一瞬, ちょっと晴れたりもしたんだが, 結局ずっと曇ってて 下界が見えたりすることは無かった. うはー. 真っ白けで方向もなんも判らん. 沢から稜線に出て来ると, けっこう風が強いな. 当り前だが.
4人で握手してから稜線の風下でメシくって, お茶飲んでると うっかり魔法瓶を落とした. 魔法瓶は「しゃっしゃっしゃーーーー」と音をたてながら 急斜面を滑落して行った. 念力かけたけど止まらなかった. なんてこった.
ま, 食いもの落とすよりかマシか.
4人でセルフタイマーで記念撮影. 今回はフリースのジャケの内側にカメラを持っているので, ずっと調子が良いが, さて, どうかな? お. ちゃんと動きますね. 偉いぞ, コンタくん(contax T3).
ホワイトアウトの中を下山. 当然, ここは降りる尾根を間違えるでしょー. 笑. それにしても樹林帯は雪が深い. 降りる尾根を間違えたにも関わらず, そしてルートファイディングしながらラッセルにもかかわらず, 夏山コースタイムどおりに北沢峠に着く. そういうパーティーが特に間違いも失敗も無く, 全開で登った場合の時間がコースタイムとして書かれている 白山書房のガイドブックは, 対象読者をどのへんに想定していますか? 笑. ここで 18h. 完全に真っ暗けになった.
最後の下りは, ハーネスで腹が圧迫されて糞の流通が止まってすげぇ気分悪かった. ここでハーネスとアイゼンを外し, ちょっと食事する. ヘッデンつけて, 登山道を丹渓山荘まで戻る. 19h すぎ. 久々の 14時間行動.
その夜は腹いっぱいにいろんなものを食った. そしたら, 詰まってた糞がやっと出た. ばんざーい.
11日は, 明るくなってから起き, ちんたらーっと朝飯を8時頃食って, まったりと出発準備. 温泉入ったり, ラーメンくったり, 中央高速の渋滞などにひっかかりつつ帰宅. 夕食は焼肉であった. ワーイ.
今回はピンチも深刻な問題も一切無く, 全てが無事に予定通りに いって, 具合よかったです. 吉川さんは運転お疲れ様でした.