西上州アイスクライミング(2006/02/04, 05)


久々に美術部探検隊としての活動は、 関、木下、たけし、わしの4人で西上州荒船山周辺の氷瀑登攀であった。

一時期八ヶ岳という話もあったのだが、 行った事無いところが面白かろうということで。 いま、探検隊で車を持っている人というのは居ないので、 高崎でクルマを借りてある。このあたりの手配はすべて関がやってくれた。

新宿朝7時過ぎの電車で高崎へ向かう。 電車のなかで、最近の探検隊の動向をいろいろと聞いた。 みんな靴が革靴になって、クランポンもタテヅメのになっているという。 タケシに「えー?まだカジタックスはいてるんすか? ありえないっすよ」 と言われた。 関のアックスは左手がmizoのチタンになっていた。 凄く軽い。 わしは最近の研究成果である、 アイスピトンの研ぎを発表。

高崎で9時。 車を借り、R254で下仁田方面へ。 そこの道の駅でJECC小川氏と待ち合わせである。 彼は今週の予定が無くなったので、急遽我々と合流することになったのだった。 下仁田道の駅で9時半の予定だったが、 お互い渋滞などで遅れ、10時に合流。 まずは荒船山の麓の「犬殺しの滝」へ向かう。

借りた車は4駆のスタッドレスのはずだったが、 車種名だけ同じでFFの丸坊主タイヤだった。 おかげで、アプローチの林道は全く登れない。 登攀装備と人間を小川号に移し、借りた車は林道のスタックした近くの 退避帯に残置となった。

しばらく林道を登って行くと、氷瀑が見えた。かなり遠くからでもその大きさがよくわかる。 ちょっと見、荒川出合いのブライダルベールぽい。 車を降りて、沢を歩いていくと、30分ちょっとで着いた。 おお。でかいね。 80mくらいあるのかな? すぐ右にも氷があり、これは「仔犬殺しの滝」というそうだ。

早速準備して私がリード。アイスピトンは7本程。 1Pの最初の30mが垂直だ。 ツララの間にひっかけ戦法で登れる感じなのはまぁいいとしても、 氷の発達が悪く、末端部分が氷柱で蹴ると「ぼよよーん」で、 氷自体も中空部分が多く、アイスピトンもあまり効いてるとは言えない。 ただ、垂直とはいえスタンスはけっこうあるのでそこは助かる。 垂直部分で2本、垂直の出口で一本とる。 垂直部分がこれだけ続くルートは今シーズン登ってないので、 最後はけっこうしんどかった。 出てからはダガーポジションで登れるような70度くらいの傾斜。 ここでうっかりひっくりかえったらグランドフォールなので、念のため一本とり、 それに2Pめの1本めの5本で、 残り2本をビレイポイントに使った。

隣の小犬滝ではたけしのビレイで小川氏がリード登攀中。 ダブルロープの1本に一人ずつ合計2名のセカンドをビレイする。 先に関が上がって来た。彼は右が charlet のパルサー、 あいかわらずクソ重そうだ。左はチタンのmizoである。 こっちはむちゃくちゃに軽そうで、あいかわらず極端なやつだ。 木下は右手北辰ブレード、 左がV1のベントシャフト型で、どちらもよく効いてる模様。

二人を上げてから、2Pめにかかる。 セカンドのビレイに使った1本めからロープを一本はずし、 出発。 このピッチは最後10mが垂直で、 その部分は傾斜もだが氷が非常に脆く、 高度感もでてくるところで、ちとてごわかった。 アイスアックスが優れているというのもあるが、 できるだけ氷の弱点を突いて、必要最小限だけ効かせ 氷を壊さないようにして登るようにしているので、 わしはほとんど落氷を出さないのだが、 ここでは 珍しくひっぺがすタイプの落氷をリードで出してしまった。

終了は木。また二人いっぺんにビレイし、終了点で記念撮影。 撮影後はダブルロープで懸垂2回で降下。 今日はこれ一本で終了。 関、木下はこれがシーズン最初の氷で、それがいきなりV級を含む マルチピッチだったので、かなり満喫したようだった。

普通に街道沿いのメシ屋で食事して、道の駅の駐車場で寝る。 駐車場には他にもクライマーのテント多数。 待ち合い部屋みたいなところでナベ広げて宴会やってるところも。 俺らもそこで9時ころまで一杯飲みながらうだうだいってた。

寝る段になって衝撃の事実が発覚。 なんと俺のマットに穴があいてて全然空気入りません。 とりあえず寝るが、むちゃくちゃ寒くて午前1時頃起きた。 フリースを背中に敷いたら、そこそこ快適に寝られた。

二日目

またしても出遅れてしまい、相沢氷柱というののアプローチ入口には既に車が3台。 人が多そうなので他に転進するか、ということになり、右往左往した結果、 神津牧場というエリアに行った。

アプローチが超絶に判らず難儀した。 いきなり笹薮コギまくりです。 その上、ガレ場でトレースを完全に見失った。 どうなってるんだ。 小川さんがガレ場を降りた先にトレースを見付けてくれ、 沢沿いに詰めていくと、対岸にけっこう難しそうな青氷が見え、 「氷瀑群→5分」とか書いてある看板を発見。 結果的に、このアプローチが核心だった。

ナバホ滝というのをやった。 40m。最初20mが垂直。 小川氏とわしでリードし、 トップロープを2本かけて午後いっぱい遊んだ。 トップロープになってから、「よくカジタックスであんな登れるよね」 ということらしいので、 せっかくだから、木下にグリベルのランボーというタテヅメのクランポンを借りた。 感想。

だからといって伝説のkajitaxで登れないピッチとか、 できないムーブがあるかというと、 まぁそんなことはないわけだが、やはり不利は否めないと現実を直視した。

午後4時頃撤収。腹へった。 下仁田から高速(?)の小川氏とは現地で解散し、 わしらは高崎へ。約束の時間を1時間はみだしたが、 超過料金などもなく高崎から電車で帰宅。午後10時。

次は相沢大氷柱というのをやろう。