巻機山(2006/03/25)


そろそろ春なので、 雪も落ち着いて山スキーの季節ということで、 いってきた。上越は巻機山。 メンバーは、JECC吉川さん、吉川さんの職場の後輩のスギヤマさん、 私の3名。

金曜10時に東京を出て、関越トンネルをぬけ、 石打インターで降りて本日宿泊予定の清水集落へ。 スギヤマさんは雪山は初めてなので、 吉川さんが彼のために魔法瓶やピッケルなどの装備を持ってきている。 彼はスノーボードでの参戦だが、今回のコース、春で雪が締まっている、というのを 考えるとシールつけた山スキーと本質的な違いにはならないとの判断である。

道のいきどまりでテント設営し、ガイドブックや地図を見たり、 豆を食いながら酒のんでうだうだいってたが、 さすがに全員眠くて2時には寝た。

翌日6時起床。食事は吉川さんが用意してくれた キムチ鍋。 本格コーヒーもあり。 今日は獲得標高差1400m以上につき、かなり腹が減る事が予想されるので、 しっかり食事する。 天候はものすごい晴天、風もなし。 食事してから出発になんやかんやと時間がかかり、 行動開始は9時すぎ。

しばらく集落付近の林道みたいなところを歩き、 山に突入。いきなりけっこうな傾斜でシールがバックしてしまう。 担ぐ。 私はザックは軽量化を考えて小さく単純なやつにしたのだが、 これがスキー取り付けはちょっと無理なタイプで、 手で持って肩に担ぎ、全身汗ダクである。 小さいザックはパッキングをちゃんと考えないと大変である。 クランポンも軽量化を考え dart にしたのだが、 これが腰に刺さって非常に不愉快、というよりむしろ痛い。

急なセクションをぬけ、スキーで歩ける傾斜に来たので、 ザックをおろして荷物を詰め直し、スキー装着。 全く風が無いので非常に暑い。水は足りるだろうか? 吉川さんは水ポリに雪をせっせと詰めているが、 私はペッタンコ水筒で、こいつの口は小さくて雪が入らない。 ものすごい日差しで、今日はサングラスやゴーグル無しでは目玉死亡確定だ。 私はあまりの暑さに上半身裸の土人スタイルに。

尾根ぞいに高度を稼ぐ。 1200m地点で休憩。 土人スタイルはさすがに寒くなったのでシャツを着る。 1500m地点で休憩。杉山さんに疲れ。 森林帯をぬけ、少し風が出てくる。

一ノ倉岳の手前に幽ノ沢がみえてきた。 げっそりえぐれた大迫力の崖である。 その向こうに2週間まえに行った一ノ倉沢があるわけです。 つまり、そこはもっとげっそりえぐれてるわけでしょうな。 1861mのニセ巻機山直下は大規模な底ナダレのあとがあり、 ちと歩きにくい。 巨大なデブリ(雪崩た雪の塊)の脇のミゾに、 シールがバックしてハマってしまい参る。 このとき溝から脱出するのにピッケルが役に立った。 しかし、クランポンは結局最後まで出番がなかった。

杉山さんは脚が終ったとのことで、ニセ巻機で待機。 我々はそのまま登り、巻機山頂1967mで記念撮影。 この頃から、シール歩行で股開きすぎたのか、股関節がおかしくなり、 右腿を引き上げると非常に痛くて歩くのに難儀する。 ニセから本峰への登り返しは楽勝な斜面なのに非常に厳しい。 山頂だけは、なぜか風が妙に強くて寒かった。 さて、シール外して下り下り下り!行けGO!

今シーズン初めての滑降である。 初めてがクラストと軟雪で、ザックでバランスがとれないという状況なので、 なかなか厳しい。本峰とニセ巻機のコルに降りたところでまた担ぎ。 脚が上がらず、 標高差70mほどの登り返しが無限に続くような気がするほどしんどい。 ニセ巻機山頂でアップルパイを食ってお茶飲んで、いよいよ本格滑降開始!

ヤブの間のクラストした30度ちょっとの斜面は今回の滑降における核心で、 難なく通過し、その下の緩斜面でスピード出してみたら 雪質の変化に足をとられてコケた。

1500mくらいからブナの森。林間スラローム。 重い春の雪でなかなか微妙な滑走。木にぶつかると痛いぞ! いやしかしよくこれだけ登ったものだ。 基本的に登った通りに尾根づたいに滑べり、林道に戻る。 下りはあっというまですな。 高度差で耳が痛い。 そこから集落に戻る道を間違え、 清水集落の1kmほど下に降りてしまった。なんてこった。 最後の最後にクソ痛い股をかかえて舗装道路を登り返すはめになるとは…トホホ。 スキー靴脱いで、裸足で歩こうか、とか思っちゃったよ。

朝食の残りのナベを吉川さんが温めてくれて、 これを食べ復活し、湯沢の温泉に入って帰宅。関越はずっとすいてた。

さて、次は来月の富士山滑降ですな。


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