富士山スキー2008 (2008/04/30)


今年も道が開通していないそうです。

開通してないどころか、7月開通予定だそうで、 よほど雪が多いのであろう。

メンバはいつもの私、吉川さんの加えて、東京在住時はよく氷を一緒に登りにいった小川氏。 今年も御殿場口を出発する。 行動開始は0620 2合めの駐車場上にある小屋からすぐに雪。

しばらくシールが使えるくらいの斜面が続き、雪が切れるところで記念撮影。 その後火山灰地を右にトラバースして、直登開始。 板を担いでキックステップでがしがし登ります。

まだ道標にエビのしっぽが残ってます。

画像には映ってませんが、左カットで山頂に傘がかかっているように、わりと風があります。 ふんばっていないとまっすぐ歩けません。 耐風登高訓練。 雪の粒が吹き飛ばされて顔に当たって痛い。

野鳥の遭難現場に偶然遭遇しました。 渡りのヒヨドリの群が、風に吹き飛ばされて来ました。 必死で風上に向かって飛ぼうとしますが、 ヒヨドリでは到底風上に向かうのは不可能な風速です。 群はすっかりパニックで、バラバラになりながら風下に吹き飛ばされていきました。 たまたますぐ風下が森林帯なので、何もせずに流されていけば助かるわけですが、 こうしてコントロールできずに吹き飛ばされて遭難死する場合はけっこうあるのかな思いました。

このままでは到底上まで行けないな、と思いましたが、宝永火口の火口壁付近で一時的に風がやみました。

明らかにこの気流を良く知っていると思われる、 おそらく地元在住であろうトビが、山肌に沿って高度を稼いで、 ものすごい乱気流に乗って巧みに飛んでいきました。 山岳波に乗って雲より高いところまで登るわけです。その後にカラスも何羽かみかけました。

これが今回の最高到達地点。

8合3200mくらいではないかと思われますが、詳細不明。 もうこの時点で、わしらも遭難したヒヨドリみたいに完全にへとへと。登高終了は14時。

アイスアックスに火星人三脚でしがみつかせて撮影。

滑走開始。気温も雪音も低く、日射で一旦融けた雪が凍ったブレーカブルクラスト。 傾斜は一番きつい上部で30度くらい。

私の装備は板が atomic βレース 9.20 の大回転用。ビンディングは fritch の diamir で靴が lange。 ビンディングだけ山用で、あとはレース用なので、この斜面でも楽勝です。 普通のヤマ板を借りたこともありますが、こういう斜面でスピードを出すと、 板が暴れてどうにもなりませんな。 この板はもちろん、どんな斜面も吸い付くように滑べります。

lange で7時間キックステップで登ってたわけですな。 lange といえば選ばれた者のみが足を入れる事ができるシンデレラ靴として知られていますが、 それで7時間歩いてるっておまえどんだけシンデレラやねん。

宝永火口の横斜面を滑べります。

雲海に突っ込むと、全面的に牛乳状態で視界は20mくらい。 雪の状態もわかりにくいので、固まって慎重に下ります。

雪が切れるので、一旦、板を担ぎ、最後の滑走。

終了16時過ぎ。10時間行動。

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