またまたやってまいりました。大平宿。
唯一の通信手段であった公衆電話が今回は壊れています。 ごていねいに「当分直すつもりはないよ」というメッセージもついています。
なぜ我々は何度もここに来てしまうのでしょうか? そもそも、私が産まれた時には既に「カマド」も「いろり」も 世間からは無くなっており、実際に動いているところを見たのは この村が初めてなんですけどね。 とにかく室内で焚火をやってると非常に愉快で楽しいのです。
集落内部の様子。やっと春が来たばかりで谷筋の日陰には時々雪も残っている。
屋内の様子。
右の画像は自在カギが梁から下がっているところ。
ごらんのとおり、今回は子供連れです。 おかげさまで、いろりに転落することもなく無事帰って来ました。
初日はモンベルの一番薄い化繊シュラフだと、 クソ寒くて何度か起きました。 妻には俺が普段冬山で使ってるやつを渡したら、こちらはさすがに よく眠れたようです。 子供は妻のダウンのコートで巻いたら、時々外にまろび出た以外は だいたい大丈夫だったようで朝までよく寝ていました。 コートに入れるというのは妻のアイデアです。 二日目は天気が悪くて夜が冷えなかったので、夏寝袋でも全然問題なかった。
基本的に、煮炊きしてゴロゴロして、家のまわりをうろうろするぐらいで あとは何もしませんでした。
食事ですが、基本は鍋で、その横で焼きものです。 これが最強かつ、間違い無い組合せではないでしょうか。 初日は謎鍋。二日めは清水氏がアクアパッツァというものを作り、 これが下界でも食わないようなうまい鍋で、 超うまかったです。どちらも翌日の雑炊になりました。 あ、二日目はウドンか。
いろりは要するに普通の焚火なので、 大量の鍋などがあっという間にできる。 一般家庭のガスコンロなどではありえない火力。 そういう意味では非常に合理的というか機能性に満ちている。 まぁ所詮は普通の焚火なので、これで出来ない料理はオーブンを使うような ものぐらいで、 煮込む、炒める、ローストなどはご家庭の調理器具よりもうまくいく。 火力の調整では薪の量よりも自在カギで鍋の上下でやったほうが間違いないが、 ススが落ちて鍋に入るのだけは気をつけたほうがいい。 最初はある程度の薪をもやして炭をこしらえておくと、 横で同時にアブリものができるぞ。
ごはんはかまどで炊きます。
羽釜とかまど、という組合せはいろりの汎用性に比べると、 かなり煮炊きに特化した存在。 かまどは釜の大部分をすっぽりと加熱することができるので、 まんべんなく熱がまわり、湯も早く沸くしごはんもうまく炊けるのだ。 また、同じ調理をしても燃料の消費は少ない。 地面に薪を並べて適当に火をつけるのに慣れている俺等は、 かまどの点火はいろりから燃えてる炭を持って来てそこに薪を足します。 点火したのが消えちゃうと、なんというか、こう、非常にやる気がなくなるというか萎えるんで、 やはり点火は一発で決めたいわけです。
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