書評など(2006/03/13)


虫歯を削ったあとに金属をはめこむのが、 虫歯の治療といわれているもので、 これがいつごろ確立した技術体系なのかは知らぬが、 ごく最近できたものではない事は確かであろう。 医学の怠慢なのか、それとも完成された技術だからなのか、 ずいぶんと昔からあるやりかただよな。 金属と歯はあまり相性のよくない材料であろうから、 どっちかというと「とりあえずこれで何とかなるからといって、 あんまり新規開発サボりすぎてない?」という気もするのだが、 それはおいといて、 相性の問題からか、やはり時折とれちゃうこともある。

外れそうになってるところに食い物のカスでも入り込もうものなら、 見えないところで虫歯がどーっと繁殖してしまい、 とりかえしのつかないことになる、 というのが俺のいままでのパターンだったのであり、 それで神経殲滅せねばらななくなった歯も一本できてしまったりしたのであるが、 今通っている歯医者にくらがえしてからは、 そういう事が一度も起きていない。

つまり、この治療法の鍵は、いかに金属部材を 歯の穴にぴったり合わせて完璧にくっつけるか、 というところにあるので、 要するにそういう職人技がヘタクソな奴がやると、 俺様の必殺の歯ギシリであっというまにとれちゃうのである。 今世話になっている歯医者はそれが非常にうまいのである。 うまいというよりは仕事が堅い。 型を正確にとり、接着時は接着面を完璧に調整し、 歯にくっつけるときに念入りに調整し、 くっつけてからも正確に調整し、 1週間後にまた調整する。 だから、ばっちりくっついて少々の事では外れない。

この歯医者はイノクマに紹介してもらったのだが、 ほんと良かったよ。いや、まじで。

もうね、真冬の八ヶ岳で奥歯の詰めものが外れた時は、 ホント困りましたよ。 だって、行動食なんて飴とかそんなもんばっかり。 飲み水も温度は0度だし。 何か飲み食いするたびに、「ぅはーっ」と呻くほどの延髄突き抜ける激痛ですがな。

冬山で飴とかチョコばっかり食ってたから虫歯になったのかなー

Zガンダム劇場版

せっかくだから、3作めもみにいった。

新しく描いたところがだいぶ増えていた。

しかし、いくらなんでも話の展開が、あわただしいのではないか、 と思った。

どうせ誰も居ないだろ、と思ってたら、劇場の外まで続く、 一見してその筋の人と判る人々の行列が長くできてたのにはたまげた。 劇場は新宿である。 俺の前の3人づれは、 モビルスーツや戦艦や登場人物の名前を出しながら戦力と戦術を熱く議論している。 年齢は俺と同じかちょっと下くらいかな。 妻が普段話をするアニオタといってもせいぜい俺くらいだから、 本物の気合い入った集団を前にして、さすがにびびっている。

終ってから、俺がトイレ行って出て来たら、 妻が「ドゴスギアって何だっけ」と訊くので、 「戦艦じゃろ。それが?」 「いや、さっきドゴスギアがどうのこうのと熱心に議論しながら出て来た奴が居たから、 何だっけなーと思って」。 妻はこういう固有名詞をおぼえるのが苦手である。

ちょっと夫婦しておたく力が強まったような気がしたので、 調子にのって、ついでに紀伊国屋のマンガとか売ってる方面をまわって帰る。 1FがDVDなので、そこで「ブレードランナーのDVDないの?」って店員に訊いたら、 今、流通してないんだって言ってた。 それから2Fにあがって、漫画を眺めて、 3Fにあがって自転車屋も眺めて帰った。

劇場行く前は、イセタンにも寄った。 イセタンでは昼飯をデパ地下で買ったが、 買物といえばそんくらいで、 本日は特に何も買わず。

2006/03/12

掃除と洗濯。 俺の役目ははからめに湧いたあぶらむしの退治。 それが終ってから双眼鏡持って散歩。本日は小金井公園である。

やたらとコゲラがたくさん居た。

小金井はそこらへんにけっこう畑があるが、 畑にムクドリ、カワラヒワ、オナガといういつものめんつ。 他にちょっと意外だったのが東工大インコ(ワカケホンセイインコ)。 最近はこのへんにも生息地を拡大しているのだろうか。 やつらは、東工大の正門入って左の通り沿いの銀杏並木に ものすごい数が集団で住んでいて、 朝になるとあちこちに出撃してゆき、 夕方になるとあちこちからそこに帰って来る、という生活パターンである。 緑の25cmくらいのスラっとしたインコだ。細長いしっぽと翼で、 なかなかの飛翔力。

帰りにケーニッヒでベーコン、あらびきソーセージ、マスタード、レバーヴルストを仕入れた。

書評

最近読んだ本

ボルヘス「七つの夜」 いままで読んだボルヘスの作品のなかで、これが一番面白い。 まだ4つめまでしか読んでないけど。

なぜ七なのか? どうやら、七は最後の七日間の七のようである。

非常に卓越した作品。

神曲について語る章(夜)で、 アリストテレスが地獄におちてるところにボルヘスも言及しているところが、 おかしかった。 事情といきさつはおそらく異なるものではあろうが、 私が神曲を読んだ際にもやはり、その箇所が強く印象にのこったから。

また、千一夜物語を扱った章(3夜め)でも、 劇中劇という構造の持つ効果についての考察もあった。 こうなるとなんか妙にボルヘスが身近に感じられてくる。 よう、ホルヘ。気があうじゃないか。みたいな。

というような下世話なところは置いといて、 毎回のテーマに対する愛と、それを裏付ける該博にして的確かつ詩的な 引用の数々がどれも本質を突いており圧倒的。

エーコ「薔薇の名前」

また読んじゃった。俺もこれがよっぽど好きやねー。

そういえば、この2冊を読んでて、うちに「新約聖書無いなぁ」と。 淳心時分に持ってた、俺が挿絵描いたやつが、実家にあったような。 つまり、サロメが洗礼者ヨハネの首をヘロデに所望する場面とか、 欄外に挿絵描いてんの。

といっても、当時は學も教養も無い田舎の小僧ですから、 中世の写本の欄外にある細密挿絵とか、デューラーの黙示録版画とか、 知ってたわけじゃなくてね。「宗教」の時間が退屈だったから描いてただけですが。

某月某日、丸ノ内まるぜんで、ヴァザーリ「ルネサンス画人伝」を たちよみ。

面白かった。しかし3冊揃えると軽く2万いくところが痛いな。 そんなカネ無いっちゅうの。 どっか古本屋で探すか。

春です

Het Volk とかもう終って、 今、 Paris-Niece と Tirreno-Adriatico をやってますね。 そして来週 Milano-Sanremo ですよ。 いよいよシーズン開幕ですよ。 俺もそろそろ自転車乗るか。

今年は花粉たいしたことないな。 酒飲まなきゃ今んとこ全くどうってことないよ。 去年は凄かったけどさ。


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