蛍の観察(2006/06/15)


夜間走行

この季節は、コウモリがよく飛んでいますね。

うちの近所でもよくみかけます。

コウモリは夜中に超音波を頼りに飛ぶのは有名ですが、 どうも、その探知能力はあまり遠くまで及ばないのか、 それとも飛び方がヘタクソなのか、 時々自転車で走っているとヘルメットにコウモリがぶつかります。

「ああっ!まずい!避けてくれよ…」と思って 首をすくめてもたまにゴツンと無念にもぶつかってしまいます。

時々野川を深夜に走って帰宅する事がありますが、 先日は蛾が右の耳に突撃してきました。 ヘルメットのあごひもにひっかかっているのか何なのか知りませんが、 いつまでも耳もとでじたばたしていました。

仁義なき戦い

よくあるドグマに、野生動物が縄張争いなんかをしても、 お互い生命の危険を冒すような事は無く決着がついて、 平和のうちに別の道をゆく。それに比べて人間は… なんてものがある。

近年の研究で、そんなドグマの欺瞞が暴かれつつある。 特に、捕食動物の縄張争いは命がけだ。 彼等はその性格も非常に攻撃的で勇敢だ。 だから、ちょっとやそっとじゃ諦めない。 そして、その攻撃性を具体的な脅威に直結させる身体的特徴と運動能力を持っている。

環境が大きく変化しないかぎり、良い縄張なんて増えない。 だから、たとえば安心して暮らせるイヌワシの数はいつも一定だ。 たまたま空いてる縄張を見付けるなんてありえない話で、 大抵は先住者を殺害もしくは駆逐して 仁義無き戦いを勝ち抜いた個体が縄張を持つことができる。 当然、先輩は毎年の抗争を勝ち抜いて来た猛者ばかりで若い個体は分が悪い。 毎年一羽もしくは二羽の雛が生まれるが、そのうち自分の縄張を持つ事ができる個体は ごくわずかということだ。 彼等の生存のための条件を考えると、 その選択圧は、 捕食のためだけでなく、 縄張争いを有利に導くという方向にもかなりのウェイトがかかっているはずだ。

あの、足のものすごい爪は、獲物を捕るためだけにあるんじゃないんですよ。 おそろしいですねー。

一方、ハヤブサは近年勢力を拡大中だ。 どうも彼等は鳥のなかでもかなり知能が高いようで、 新たな環境と餌に対応した新たな狩りの段取りを素早く生み出すなど、 適応能力が高いらしい。 おかげで、拡大する都市部が新たに生まれる縄張になっているというわけだ。

しかしながら、ハヤブサは一年に4羽も5羽も生まれるし、 その多数が無事育つ。 なんせ、ハヤブサは狩りが上手いから、 イヌワシみたいに2羽のうち先に生まれた方が食い物全部取って片方が死ぬ、 みたいな事にはならないのだ。

だから縄張が増えても仁義無き戦いが無くなるわけじゃない。 メスどうしも繁殖地をめぐって縄張争いがある。 だから、ハヤブサはメスも縄張争いで死ぬんだ。

いや、マジこいつらナチュラルボーンキラーヅですよ。 まさしく天性のあらくれ天国の住民です。 むちゃくちゃです。 人間に生まれてよかったと思い直した。

その仁義無き奴等の雛があんな真っ白でふわふわで、 縄張争いを勝ち抜いた恐ろしい母ちゃんも、 そのふわふわさんたちに *だけ* は凄く優しい。 このギャップがまた、面白くて魅力的です。

そろそろ蛍が出てるかなと思って、 夕食後、妻と自転車で出動してみた。

装備は、ヘッデン、双眼鏡(6x30mm)、カメラ。

微妙に居ました。 近所のおばさんとかも、見に来ていました。 露出時間30秒で写真も撮りました。 30秒といっても、一眼レフじゃなくてcontax T3ですが。 このコンパクトカメラには、 じつは絞り値と露出時間を手で決められる機能があるんですよ。 といっても、 この機能、買って5年くらいになりますが、使ったのは初めて。 400のネガだったんだけど、露出長すぎたかも。

水路に沿ってすぅっと飛んだりするところが、とても良い。

アオダイショウが居座ってたり、ホタルが居たり、 鷹の巣があったり、 そのくせ新宿まで電車で20分で、 なかなかこのあたり、侮りがたいところだよ。

物価は高いけど。

ちかごろのオヤジ

ちかごろの若者はどうのこうの系の本の著者に、 共通して見られる現象を私は発見した。

そういう若者がそのま〜んまオッサンになったような奴が、 そういう本を書くのである。

若者に限らず、誰かになにか期待してる時点でもう終ってます。 やる気があるなら自分でやればよいのですよ。 できなければ黙るか、せいぜい空き地の土管の中で泣くくらいにしてほしい。

さらにキツイのがですね、 そういう本を熱心に読んでる奴が電車に乗ってたりすると居ますよね。 いや、マジそういうの見ると、もう人類に未来は無く、 地球温暖化だかプチ氷河期だかを迎えて我々の運命は this is the end 蛇の長さは7マイルって感じで、 脳のシワがのびさせていただくほうでよろしかったでしょうか。

しかしながら、オビに描いてあった、「俺はやるぜ」「何を?」「何かを」 というマンガには微妙に笑った事を告白しておこう。


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