なんかこの週末は天気が悪かったり妻の体調が優れなかったりで、 何もせぬまま終了してしまった。
昼間は飛行場に鳥を見に行った。
チョウゲンボウが3羽居た。 季節柄なのか、たまたまなのか判らないが、 けっこうカラスとの絡みがあって面白かった。 チョウゲンボウが、空中戦のコツみたいなものが詰まった、それでいてなにげない動作で つっかかってくるカラスを軽く流すところが面白く、また見応えもあり。
全然余裕なのかと思ってたら、チョウゲンボウ、近くで見たらじつはけっこう怒ってました(笑)。 やはりウザいのでしょう。
あいかわらず、わずかに残ったバッタをつまんでいるようでしたが、 一度、滑走路上でじっくり何かしていました。ひょっとすると鳥をとっていたかもしれません。 遠くて良く判りませんでした。
夜はビデオ屋でちょっと借りて来た。
「モーターサイクル ダイアリーズ」は若い頃のゲバラが南米一周の旅に出る話。
妹がみて、妻に「よかった」と言ったそうで、 彼女も見たかったのだそうだ。
なかなかよかった。たまにはこういうのもいいな。 でも、見ててなんかちょっと違うな、と思った。
なにが違うのか今判った。 こういうのは見るものではなくやるものなのだ。そこが違ったのだった。
「バガボンド」は、一応こういう名作ものも押えとかないと、ということで読んでみた。
「スラムダンク」は読んでいないのだが、 他のはたまに読んだ事があって、 その限りではこの人のまんがはこういう感じですね。 キャラが薄い印象。 バスケと違って、わざわざ刃物で斬り合いする人生ですから、 そんな物騒な生きざまを選ぶ、その動機づけが、 どのキャラもあまり良く判らないのはどうも。
斬られる場面や死ぬところが非常によく描けているだけに、 よけい空疎な印象を受けるのか。 つまり、「おまえら、やられたらこんななるのに、なんでそんな事やっとんねん?」 という感じ。いやまじ、なんで?
「斬り合いの最中にわかりあう」みたいな描写に、 おまえらZガンダムに出て来るニュータイプかよ、 と。 それとも、互いの先を読み合う試合のなかで、 達人どうしが通常ではありえないレベルの相互理解に到達する、 という展開はあらゆるこういう対決モノにまつわる演出の歩む、 必然のなりゆきなのだろうか。
結局「武芸者は作れない。生まれるのみ。」 という事なのですが、そこは作者も判っているくせに、 解りあえたり、 生い立ちを追っかける描写なんてやっちゃうんですね。 へんてこな人となりの造形で、説得力を持たせるしかないのに。 それから、言葉やセリフで「肉食動物だ」「獣だ」とか言っちゃうのはダメです。
それができないのかというと、そんなことはなくて、 小次郎の育った村に居た 「不動様」と呼ばれている人なんて、読んでてゾっとするくらい 素晴らしいと思います。 ああいう感じの、何年も居付いてる人、理論系の研究室に居ますよね。 あそこまで描けていれば生い立ちなんて不要で、 「生まれたときからこういう奴です」で、 100%全員が納得します。 あの調子で主人公もライバルもガッチリ造形してほしい。 刃物をバスケに持ち替えても違和感ないのはやはり具合悪かろう。
そうは言っても、 刃傷沙汰の場面が血の臭いがむっはー っとくるくらい素晴らしく描けているのだけでも、 見る価値はある。 いまだかつて、ここまで血生臭いまんがは無いと思います。 すげぇっす。
というわけで、何もせんかった割には面白い週末だった。
できあがりは早くても12月上旬になりそうである。うひー
吉祥寺図書館の窓に貼り付いたやもり
コガラ。虫をつまんで得意げ。 高川山の初狩側で。
メジロ。庭の柿に来たのを ベランダのてすりのすき間をブラインドがわりに 3mくらいまで接近した。 メジロは当然こちらに気づいているが、 こうやって接近すると、あまり気にしないようだ。 平気で柿を食べている。
メジロは地鳴きがとてもかわいい。
ところで、私の撮る野生動物(といっても鳥とか虫ですがね)は、 どれもうちの近所に居るやつばかりです。 野生動物というと、 アラスカとかヒマラヤとかケルゲレン諸島とか、 そういう先入観が先立ちがちですが、 多分、そういうのって、 「猛禽類」というと カムイ伝とかで 2mくらいのバカでかい鷲がヤギぶらさげて巣に戻って来たりするのを思い浮かべるような感じというか、 「手付かずの自然」みたいな、こう、 Terra Incognita こそ真の野生! みたいな伝統文化が、 文明社会には存在するという事なんでしょうね。
マルクス主義的な発展的歴史観を彼等が持っているかどうか、 それは判りませんが、 学習と適応は人類の専売特許じゃないことは確かです。 わしらの身の周りにも、 変化する世界に適応した面白い野生動物がたくさん居るのです。 イギリスのアオガラやシジュウカラは、ビンに入ってる牛乳が 庭先に配達されてるやつの、蓋をあけて浮いてる生クリームを食べるそうな。
予想脳
宗教に関するコメントが非常に面白かった。
視覚の文法
かなり面白い。いける。 部分的に Mind Hacks とかぶるところがあったが、切口がやや異なっていることもあり、 非常に面白かった。 巻末に文献などが充実しているところも非常に良い。
田崎先生の熱力学から読み始める。 こっちのほうが読みやすい感じだったので。