萌える建築(2007/05/14)


2007/05/13

いつもの恭仁大橋でヤマセミ狙い

昼頃、上流から下流へ水面近くを滑べるように独特の 羽ばたき一回毎に短い滑翔を入れる飛び方で、 速く通りすぎた。それっきり。 双眼鏡で確認するのが精いっぱいだった。

加茂大野のアオサギのコロニー。 雛が立ち上がるようになっている巣もちらほら。 一番上の巣で立っているのは親ではなく雛。正面中央の巣も、 非常に大きな鳥が親で、それに似た少し小さいのが何羽か居るが、 それらはみんな雛。

親と全く同じ顔をしていておかしい。

自宅をでたところに居た、見事な木の皮系の擬態をとる蛾と、 うちに入って来たコガネムシ。

コガネムシなどの表皮の金属光沢は、薄いケラチンの膜が層になって、 光を反射しているのだそうだ。 シャボン玉や高級な光学レンズ表面の虹色と同じ仕組みである。 構造色という。 なお、アワビなどの貝殻の内側の光沢は、 炭酸カルシウム薄膜の績層構造である。

むかしから、どうも自由電子なんか無さそうなのに、 なんで金属光沢があるのか非常に不思議だった。 貝殻の内側の光沢は高校生の頃に読んだ岩波新書に書いてあったが、 昆虫のは最近読んだ「眼の誕生」に書いてあった。 読むまでは、なんとなくうちの本棚に置いてある玉虫の羽に、 テスター当ててみようかな、と漠然と思ったりした。 同じ仕組みだって気づきそうなもんだが、ははは。

なお、貝殻の光沢を構成している炭酸カルシウムは、 結晶構造が方解石とは異なる アラレ石という物質だ。

方解石とアラレ石のように、 化学的組成が同じで結晶構造の違いにより、異なる性質を持つ物質になっているのを、 polymorphism(多形) というそうな。 黒鉛とダイヤモンドのように単体の場合を特に同素体という。

法隆寺

ミラノ大聖堂と、サン ピエトロ(ローマ)の二つが、 ヨーロッパ建築の最高峰かな、という気がしますが、 これら二つより法隆寺の方が、 訪れた時にずっと良い気分になれます。

どこがどう違うのか、少し考えてみました。 どうやら造形において、これらヨーロッパのキリスト教建築が装備していない、 もっと高度な概念を用いて空間が構成されているところに理由があるように、 思えました。

法隆寺では、建築が存在していない空間も美的配慮の対象であり、 それが全ての地点、全ての角度において徹底されています。 全てを読み切った設計がされているのです。 ヨーロッパ建築において、 そのような視点も感じられるのがサン ピエトロですが(さすがミケランジェロです)、 見てよい地点と角度は限定されます。

法隆寺が所蔵する、プロパーな美術品(つまり、 あとからゲッツしたり買って来たものではなく)も、 非常に優れたものばかりですが、 これは建築の優秀さからすれば当然とも言えます。

イスラム建築でも、資料を見た限りは同様の造形的配慮が、 しかも幾何学的厳密さをもって行われているようなので、 今後、是非いってみたい。 キリスト教には全てを無効にする萌えイコン 「受胎告知」があるんだから、他がイマイチでもべつにいいじゃん。


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