でんでんむしむし (2007/08/23)


体温と心拍

熱があると、心拍も増える。わしは走行中の心拍などは全く把握していないが、 安静時の心拍なんかは、まじめに練習していた頃はよく測っていた。 普段、机に向かっている時は、だいたい48から50くらいだ。 疲れの溜り加減が如実に出るので、便利なのだ。 ちなみに、ランス選手が癌に気づいたのも、 練習後の安静時心拍が速やかに下がらなかったからなんだってよ。 まぁこれはランス本の受け売りなんだけどね。

37.9 88

37.6 80

37.2 65

こんな感じ。42とか43の時の体温は測った事無いので判らん。

普段の心拍が65の人は、わしが7度2分の熱がある状態で生きているわけだ。 普通に生きてるだけで、けっこう疲れるだろうね。

生体の寿命は単位質量の組織が代謝するエネルギーの総量で 評価できるらしいな。 大きな個体は、総体としては代謝するエネルギーは多いが、 組織あたりで見ると少ないので、寿命が長くなる。 ホ乳類におおまかに当てはまる法則で、鳥とか関係無いらしいけど。

運動能力というのは、そのものズバリでいえば、 組織が行うことができる仕事量の事で、消費するエネルギーの事ではないが、 普通、この二つの量は同一視するので、 運動能力の向上はエネルギー消費能力の向上でもある。

ピーク能力が向上すると、普段の消費も増大するらしいな。 だったら、この法則から言うと、寿命は縮む事になるはずだが、 実際には、貧弱なエネルギー消費能力に起因する様々な疾患の方が、 ずっと大きな因子になるということか。

体温計が無くても心拍ですぐ体調が判るから、 これはなかなか便利だよ。 必要なのは秒の出る時計だけ。

どくしょ

ユルスナール「三島あるいは空虚のビジョン(ヴィジョンだったかもしれず)」 再読。

五十嵐大介とか松本大洋とか、わりとマンディアルグみたいな 幻想文学の嫡流というか、 Brain Child という用語があるが、 そんな感じ。

鉄コン筋クリートをようやくみた。

なんと申しましょうか、凄いですね。これは凄かったです。

凡庸な作家が抱く最も凡庸な欲望とは天才でありたい、というもので、 作家がそのために選んでしまう凡庸な道は、 「なんかとにかくすごい対象をえがく」 というものだ。 なんかとにかく凄い主人公とか、なんだかとにかく凄い敵とか、凄い世界とか。 すごいモノを対象にしている俺って超スゲェということなのでしょう。 ほら、アレとかコレとか、そういうの一杯あるでしょう。 もう、痛々しくて見てられませんよ。

これに対し、凄い作家では力の抜けた普通さ加減が絶妙で、 そこから鋭いアタックが繰り出される。 わしらはそれにガックリとノックアウトされるのである。

ウヒヒ。クルマ、ギャランGTOだよ?泣けてくるよな。 原作もそうだっけか?

たんぼ

天気の良い日にたんぼの横を走っていると、 なんかツーンとくる刺激臭があるんですが、 あれは間違いなく農薬だよな。 なんか虫とかカエルとか、それに鳥もほとんど居ないし。

すげぇ不気味だよ。そんなとこを人間が歩いてて大丈夫なのかね。 大丈夫なわけないか。

あめ

昨日は久しぶりに雨が降った。

自然には無駄が無いとか、なんとかそんな屁理屈をのたまう人がたまに居ますが、 カミナリを見た事無いわけないよな、そんなひとも。

東京ではデンキが足りなくなり、 あちこちから融通してもらったりして、 パンツを履いた哀れなサルどもがケチな計算に一喜一憂するのをよそに、 ものすげぇ電力が無駄に空気中を駆け抜け、 ただ大音響と閃光として消費されていった。

むかしアメリカが打ち上げた、核実験を監視する人工衛星の センサが、熱帯地方でしょっちゅう反応して、その度に飛行機を飛ばして 放射性物質の検出を試みるのだが全く見付からない、 という事がづづき、これは一体何なのか?という問題になった。 ところがこれが、あるときあっさり解決されて、それは熱帯ならでは、という バカでかい落雷だったのだそうだ。

世界の本質とは、このような圧倒的な過剰なのであり、 効率だのリスクだのといったセコい話はむしろ例外的な存在にすぎない。 ほとんど全ては無駄だ。 太陽の光は無駄に宇宙空間にバラまかれ、 生まれた生命のほとんども無為に死ぬ。

幼い子供が、 ままならぬ状況に直面したときに魂の底から絶叫して泣きわめくのをみかける。 世界は本質的に、なす術もない程に圧倒的に理不尽なものであり、 これが、我々が世界に期待するものとはあまりにかけ離れているが故に、 彼はJBでもこれほどには吠えまい、という絶叫に及ぶわけである。

本当は、わしらオトナもあんな風に絶叫したいのだが、 ちょっと人目もあるのでなかなかそういうわけにはいかないのだ。

案外でんでんむしは素早い、というはなし。


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