もずはひよどりより少し小さい大きさで、 体に比較して頭が大きく、直立に近い姿勢でとまり、 しっぽをぐるぐる動かすなど様々な面白い行動をとる鳥だ。
大きい頭のせいか、表情も面白い。
ちと遠くて見にくいが、 左は顔を正面から見たところ。小鳥は基本的に襲われる生物なので、 警戒怠らず眼は頭の左右についていて広い範囲をみることができるようになっているものが多いが、 もずはこのように両目で前を見る方に比較的重点を置いた顔だちだ。 小鳥にしてはもの言いたげな表情はこのあたりに理由があると思う。
もずの顔がこうなっているのには、ちゃんとしたワケがある。 それは小鳥のくせにどっちかというと「襲う側」の生き物だからだ。 普段は直立した姿勢で、薮や電線にとまっているもずだが、 何かを見付けた時は水平に近い姿勢をとる。 こういった行動はタカやハヤブサなどの猛禽によくみられる。 分類上はタカと無関係なモズなのだが行動や性格はよく似ている。 普段は地上の昆虫やトカゲ、カエルなどをよく食べるが、 餌の不足する冬場は小鳥を襲う。 小鳥といっても、自分とそう変わらぬサイズのセキレイやツグミも襲う。 平野部でメジロが「ちゅうちゅう!ちゅるちゅる…」と騒いだら、 秋冬はもずかハイタカ、春夏ならヘビが居る。
もずの面白いところはいろいろとあるが、 他の鳥の鳴き真似をするのだ。これが非常に面白い。 右はセキレイの鳴き真似をしているところだ。 鳴き真似は口を閉じたまま、喉元を少し膨らませてやる。 ちょうど服話術と同じ要領だ。 つまり、ちょっと見たところ本当にそのもずが鳴いているのかどうか、 判らなかったりする。 よく見ると喉がかすかに動いていて、他の鳥の鳴きごえを出してる様は、 吹き出すほどおかしい。 鳴き真似は、本ものにくらべてややくぐもった声になり、声も小さい事が多い。 何の真似をしているのか判らない事もあり、 そんなときは、ぶつぶつ一人ごとを言ってるように見える。
最も有名なもずの行動は、 「はやにえ」だろう。 バッタやカエルを枝やカラタチのトゲにぶら下げたアレだ。 世界に30種ほど居るとされるもずの仲間だが、 多くのもずがはやにえを作るようだ。
そういえば「はやにえ」に相当する英語の単語は無いみたいだね。 なんだー「聞きなし」も無いのかよ。 全然ダメじゃん、英語。 英語の鳥の辞典を見てても、ほとんど聞きなしがでてこないからなぁ。 これに対して中国語は聞きなし全開だぞ。 うちにあるのは台湾の野鳥フィールドガイドだが、 鳴きごえの表記が非常におもしろく、 中国語が読めないのがとても残念だ。
近所に一休さんの寺がある、と妻が言うのででかけることにした。 職場の裏山をまわって、20kmほど。
軒下に吊ってあった鐘と縁側の下のアリジゴク。
このアリジゴクの向こうは、名勝指定庭園である。 だが、いまいちピンと来なかったので、画像は無いのである。
一休さんのテレビアニメのセル画が壁に貼ってあったりした。 実物は、ヘンコツ風味全開のオヤジだったようだ。
今月から Birder 誌を定期購読している。 今月の特集は falco つまりハヤブサ科だ。
縄張(営巣地?)に入って来たトビを攻撃する オスの画像が掲載されている。 トビの背中の羽がめくれあがって、抜けた羽毛が飛び、 ハヤブサの足にもまつわりついている。 凄いな。こんなのよく撮ったな。
トビの特徴は、軽量化である。速度や戦いよりも、 滑空における省エネに最適化されているのだ。 外見上、トビを他の猛禽から区別する特徴は、 尾羽以外には、なんといっても足と体のプロポーションではないだろうか。
トビはオオタカやハヤブサよりも体は大きいが、 足はそれらの鳥よりも小さいく、爪も小さい。 なんとなく穏やかな顔立ちに小さな足が、かわいらしい、 トビはそんな鳥だ。 むしろ、オオタカやハヤブサのほうが、 体に不釣合なほどの大きな足と爪を持っているように見える。 ただ、やはり猛禽だけあって飛ぶのは非常にうまく、 翼をすぼめた急降下から、 よそ見している観光客のオニギリをかっさらうくらいは余裕。 身近な鳥で、そんな事ができるのはトビくらいだ。 カラスあたりとは速度も飛び方もサイズも違うので、 決定的瞬間にうっかり眼が合ったらけっこうビビる。
オーストラリアのハヤブサだが、 alcoaの巣は 卵4つ。 Brisbaneは三つだ。 来週には生まれるかな?