オートジャイロが飛ぶしくみ (2007/12/14)


オートジャイロが飛ぶ仕組み

自由に回転する回転翼が付いた荷物をベランダから落すと、 普通に落すよりも、回転翼が回りながらゆっくり落下します。 荷物からみれば、回転翼によって揚力(浮き上がらせる力)が働いているわけです。 荷物はそのうち適当なスピードに落ち着きますが、 これが荷物の重さと回転翼の揚力がつりあった状態です。

もし、それだけの風が下から吹いて来れば、荷物は浮いていられます。 この速度を V (←大文字) とします。この値は回転翼が同じなら、概ね 荷物の重さだけで決まりますので 飛んでいる最中はまず一定という事ですから、 定数風味を加えて大文字で表記するわけです。

オートジャイロの回転翼の軸は若干後ろに傾いているわけです。 進行方向と、この傾き軸のなす角を図のとおり、αとします。 機体後部のプロペラによる推進で、前方に速度vにて前進しているとき、 回転翼には下から速度 v * cos α の風が吹きます。

もし v * cos αが V 以上であれば、機体は浮くわけです。

推力が無くなっても、回転翼が止まってしまわない限り、 たかだか速度Vで降下するだけです。 また回転翼のジャイロ効果(角運動量の保存)にもよって、 挙動は非常に安定しています。 つまり比較的安全な空の乗物でもあると言えます。

御教授いただいたラック様、ありがとうございました。

ぼくのまわりのこまったちゃん

開発経験といってもたいしたものは無いので、 そんなに面白い人に出会ったわけではありませんが…

無論、今の職場にはこんなの一人も居ませんよ。 むしろ私が困ったちゃんですからね。

ぼくのまわりのすごいひと

定義デスマーチ

最近、ちょっとしんどいスケジュールがしばらく続いていると すぐに「デスマーチ」という用語が使われる傾向があるように思う。 ところでデスマーチといえば私です。 ここらで一つ、私がデスマーチとは何か、という事を明確にしておく必要があるようだ。

予算や人員が半分とか機能が倍とか、そんな定量的な基準は、 この現象の本質を掴んでいない。

まず、以下の条件が必要だ。

  1. 無理な納期
  2. 納期まえの仕様変更
  3. それに伴う1の範囲での納期延長

これが単一のプロジェクトについて複数回、半年以上の期間にわたって続いている事が必要だ。

納期に向かって最大限に資源を集中し、頂点に向かって全てが凝集している最中に、 ゴールが一ヵ月先に移動し、仕様も変更され、 それに伴って実装もテストもハードウェア構成も変更される。 そして再び新たなゴールに向かって全てを集中していく、 というプロセスに入るわけだ。 無論、この新しいゴールもまた絶対不可能な納期なわけだが、 その一週間前に、またしても仕様変更が起きる。

これが3度起きると「これは絶対、永遠に終らない」という認識を プロジェクトの全員が、共有するようになる。

だが、これだけでは「デスマーチ」とは認められないのである。残念ながら。 こんなのは普通によくある、ちょっとしんどめのちょっとダメめなプロジェクトでしかない。

このプロジェクトがデスマーチと呼ばれるためには、 居なくなる奴が必要だ。 それもズバリ言って、プロジェクトのキーマン、彼なくしてはそもそもこのプロジェクトは ありえなかったという人物、彼が(理由は何でもいいが、 多くの場合は犠牲の小羊として燃え尽きて)居なくなるという事が必要なのだ。 しかしそれでもプロジェクトは中断されない。 ここで初めてそのプロジェクトがデスマーチと化す。

キーマンが居なくなり、もはやどこへ向かうのかも判らない。 いつ終るのかも判らない。 ここで下克上を一発きめてキーマンにとってかわり、 見事着地させるという可能性も無いわけではない。 魔法使いと空挺とマシンと鬼軍曹が居ればそれも可能だろうが、 そんなのが居ないからこうなったわけで、 現実には控え目にいっても極めて難しい。 つまりこのプロジェクトから解放されるためには、プロジェクト自体が消滅するか、 自分も燃え尽きて居なくなる必要があるだろう。

これがデスマーチだ。 だからデスマーチの「デス」は比喩ではない。 実際に生命に危険が及ぶ可能性はかなり高い。

いわばデスマーチとは卵子に向かって突進する精子である。 大半の精子は受精できずに力尽きる。 ただ一つの精子だけが卵子まで到達し、「プロジェクトX」として報道される。


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