ある掲示板に掲載された記事(抜粋)
From: [613] 名無しさん@お腹いっぱい。 Date: 2008/03/18(火) 18:25:14 ID:??? 今朝、デパートのみかんと近所のスーパーの激安みかんを並べて置いた。 今食べっぷりを確認。皮だけのデパートみかんと身がたくさん残ってる激安みかん。
画像はまえ住んでいた家の庭を縄張にしていたみちろうくん。
うちの森で先週くらいから雀の群がものすごい大騒ぎなのだが、 何事かいな、と思って今日よくみてみたところ、 ニュウナイスズメの群だった。けっこう大きな群。
渡去したと思ったジョウビタキだったが、 一部の個体はまだ居る模様。
昨年は、エジプト雁が営巣したオランダの Zwolle だが、 今年はハヤブサが営巣している。3/17あたりに卵を一つ産んだようだ。
この巣箱を去年使って繁殖したハヤブサは居なかったので、 すなわち今年新しくできた縄張ということになる。 この新しい縄張を使っているメスは、胸の羽に縦縞が残る、 まだ若い新参の個体だ。 新しい縄張を獲得した、若い個体。 ここまでは良い話で来ていますが、 さて、うまくいくでしょうか。
古参は胸の羽がほとんど真っ白になり、 なんともいえない貫禄がつく。 ちょうど Rochester のメスがそれ。
この表現自体は昨日初めて聞いたのですが、 なかなか深いですね。
多分、話者の言いたい事は「なんのまえぶれもなく」もしくは 「唐突に」ということでしょうから、 表現とは逆の内容を言いたいわけですが。
それにしても、なぜこういう間違いが発生するのか、 という仕組み側面を考えると、すこし興味深い現象ではないでしょうか。 現に、私もこの表現を目にしたときに、 言いたい事をほぼ確実にうけとることができたわけで、 おそらく相当数の人が、表現を字義どおり解釈するのではなく、 つまり言ってる事ではなく言いたい事のほうを受けとる事が できているわけです。 さもなくば、その表現が流通する事はありえない。 G社の検索結果を見る限り、この表現は2002年頃からあったようですが、 2006年から広まっているようです。 拡散過程などは確認できませんでした。 誰か研究してみたらどうですか?
これは私の勘ですが、 おそらく、この表現が発生した事情と、 この表現が理解可能になっている事情には、 同一の仕組みがあるのではないでしょうか。
言ってる事ではなく言いたい事のほうを受け取る事ができる、 その理由には、もちろん、 この表現が使われた状況というものがあると思います。 いきなりやってきてたまげた、みたいな文脈で使われている場合、 「唐突な事は一切なかった」という解釈は変ですから。
「なんの」は普通「まえぶれもなく」と一緒にでてくる表現です。 一方「唐突」は「なんのまえぶれもなく」とおなじ状況です。 「まえぶれ」が落ちて「唐突」に入れ替わっても 言いたい意味が通るのは、「なんの??もなく」 と「唐突」の二つが同じものを指しているからでしょう。 一般に、同じ内容を指す表現を重ねると、 その意味を強調する作用があるわけですが、 話者はまさに「唐突ですよ」というのを強調したい、 そんな印象がこの表現からは、感じられますね。
謎なのは、「まえぶれ」を落して「唐突」を入れる操作の結果 できあがる表現の意味内容を精査するプロセスが抑制される理由です。 「まえぶれ」と「とうとつ」はどちらも4音節の語で、 入れ換えてもゴロが変わらない、というのは理由の一つかもしれませんが、 入れ換えた結果の表現は、強調したい内容とまさに正反対の意味内容に なってしまっているだけに、 いまいちこのへんが掴めません。
どうも、むしろ「唐突もなく」という言い回しに鍵があるように思います。
ということで「唐突もなく」を検索してみてたまげたよこりゃ。 こっちの方が圧倒的多数ですよ。 いうまでもなく「唐突もなく」は「唐突に」という意味で使われています。 つまりこっちが先にあり、そこから「なんの唐突もなく」が生まれたようです。 すなわち、いかにして「唐突に」が「唐突もなく」と同じ意味内容を持つに至ったか、 この謎を解かない限り、この現象を解明したことにはならないわけだ。
ちなみに、「唐突もなく」の用法としては、 ついさきほどまで苦痛に悶えていた少年が、 「……んっ、あぁ……だ、めっ」とかいって 唐突もなく不思議な感覚が背筋を走ったりする時に使うようで、 唐突もなかなか大変そうです。
以上の音韻関係および意味論背景に引っ張られて、 「唐突もなく」は「唐突に」と 同じ意味内容を獲得したのだろうか。 ならばなぜ、それは「唐突もなく」であって「まえぶれに」ではなかったのか。
白状すると全く解らない。なぜなら、実は私には「唐突もなく」が どうしても「唐突に」と同じ意味内容には思えないからだ。 そもそも、「とうとつもなく」という表現は何を言ってるのか全く解らない。 この誤用は私の天然無能をもってしては、うまく解釈できないのであり、 いわば唐突もなくダメ…だよぉ…あ…んっ…といったところである。
つい変なサイトをいっぱい閲覧してしまい、 中高の男子校時分に、「風と木の詩」など読み耽った記憶が フラッシュバックしましたよ。もー、何なんすかこれ。 唐突なさすぎ。