ルドビコちゃん (2008/07/29)


ルドビコちゃん

タイトルと本文が例によってほぼ無関係なわけですが。

視覚って自分で遮断できますよね。 だからルドビコでは目を閉じないように変てこな器具を装着していたわけですが。 他の感覚も、おおむね自分で遮断できます。 臭いは息をとめればいいし、触覚は手を放せばいい。

ところが聴覚だけはこれができないわけです。 これは、対象となる物理現象の性質上しかたのないことで、 十分な感度を確保すると耳の孔を塞いだくらいでは、 音がセンサに到達する事を防げない。 もしくは、耳の孔を塞いだくらいで聞こえなくなるような鈍感な耳なんて、 役に立たない。

つまり頭蓋骨をある程度軽量にするためには、こうなる事は避けられないわけですが、 どんな事情があるにせよ、 聴覚だけは自分で遮断できない、という性質は、 案外、 世界観の形成においてじわじわと深いところで効いてくるのではないだろうか。

いや、単にそう思っただけで、 べつに具体的にどこらへんがどう違ってくるというような事まで考えたわけではないのだが。

ナイフ作り

現用の斬鉄君のはなし。

そうそう、資料が出てきたので判ったんですが、 私がパクった柄の末端のヒモ穴は Durvyn Howard という人の 折り畳みナイフのものです。 web を検索するとナイフの特許が幾つかヒットしますね、ハワード氏。 私のは単なるヒモ穴ですが、彼の作品では、 実はそれが柄に収納されたスパイクになってるんですよ。 ロックを解除して、ヒモ穴をひっぱるとスパイクが本体から出てくるわけです。 凄いっす。何に使うのかはいまいち謎ですが。

現用斬鉄君をあるナイフ店の店主に見せたら、 いきなり「これ、月に何本作れますか?」って言われた件は以前も書いたが、 これは R. W. Loveless がプロのナイフ職人への道を歩み始めたきっかけと同じですね。 本当にそんな事があるもんなんですね。 あの時、具体的な数値を答えていたら、今ごろ私はナイフ職人だったのだろうか? はっは。 マジそれは無い。

責任の所在を明らかにする、という意味でも製品に製作者銘を入れるのは重要な事ですが、 私はそもそも目立つ場所にマークが入ってるのは視覚表現として幼稚だと思うので、 見えないところにエッチングで署名を入れてます。

刀は簡単に柄から茎を抜いて銘を見ることができるわけで、あの着せ替えシステムは良いですね。 そうそう、視覚表現として幼稚ってのはつまりね、もし刀の刀身に 「古式砂鉄精錬 本三枚鍛ヘ 山城住藤田鋪解作」とか書いてあったらマジでアホでしょ。 ドキュ車とかに、「DOHC どうのこうの某ターボ」とか、いちいち書いてあるのと同じですよ。間抜けでしょ。 そうそう、うれしそうに鋼種を刃に書いてあるナイフもあるね。 俺も持ってるけど。ATS-34って書いてあるよ。

ああいうのって、レンズの口径とか焦点距離が目立つところに書いてあったりするのに、グっときちゃったりしたのが発祥かね。

あとね、鉄はやっぱり切削用に開発されたものを使うのが良いと思うんですよ。 わざわざ切削専用にと開発された鋼種があるのに、あれやこれやのどうでもいい性質を盛り込んだ、 ワケのわかんねぇ鋼種を、なんでみんな使うのかね。

あさがお

ちょっと時期は遅いのですが妻があさがおを植えました。

ツル植物なのでつかまって登るところが必要です。

順に

インフレ

ものが値上がりするのではなく、貨幣価値が下がるわけです。

同じ事だ、なんて言う奴が居ますが、これは同じではありません。 アリストテレスが「陽が昇る」というのとガリレオが「地球が回る」というのを比べてみれば自明ですがね。

貨幣は価値を表現する記号です。 記号を内容と同一視するのは記号使用者としては自然ですが、 「陽が昇る」からは宇宙ロケットが産物として出てくる事はありえないように、 記号使用者としての立場を維持したまま、 内容と記号の間の関連を考察しようというのは無理があります。

a報道

俺も、繰り返される馬鹿的事件と、それに群がって騒ぐ報道を見て、 こういうのはどっか他のところで見た事があるなぁと漠然と思っていたんですよ。 どっかのweb日記で読むまで言語化できなかったのですが、匿名掲示板の祭になってるスレと全く同じですね。

要するにしょうもない事件はスルーしろ、って事なんですが、 まぁアレですよ。 あるレベルを越えて荒れてくると、キチガイがキチガイを呼んで、そもそも見てもしょうがない状態になります。 だから、いつごろだったかなぁ、新聞サイトは巡回から外したよ。 だって、記事のほとんどがスルー対象だったりしたら、マジで見る意味無くて帯域の無駄でしょ。 そうそう、アキバの事件はそれでもBBCでトップニュースになったよ。 場所柄もあってガイジンの注目度が上がったんでしょうね。

アラシがある割合になると、急速に場が腐って使いものにならなくなるわけですが、 こういう閾値って、何か計算できないかね。 キwWWWwチwWガwWwイWWWのwwWwパーwwwwコwWWWwレWwWーWシWwWョwンWWwWクラWスwwwwwタW現象なのか?

とかいいつつ案外 Mx kusa 使ってる俺がいる。

夕刻、コウモリの憂鬱

空は基本的に鳥のものです。 彼等は圧倒的な航空優勢を確保しています。 昼間、ある程度の高さのところを飛んでいる動物は鳥だけです。

虫は込み入ったところや低いところを飛び、コウモリは暗くなってから飛びます。 昼間に正面から勝負したのでは、速度や上昇力、視覚、空中運動センスや反応速度の圧倒的な違いから、 全く話にならないのです。

とはいえ、真っ暗になってしまうと昆虫の活動も減るわけで、 コウモリもそれでは商売になりませんから、夕方のまだ明るいうちから出動せざるをえません。

これが猛禽の狙い目になります。 鳥に比べてずっと飛ぶのが遅いコウモリは、猛禽に簡単に捕まってしまいます。 寝る前のオヤツがわりに、2-3匹食ったり、 なかには、コウモリの寝ぐらを知っていて、それを時々襲う個体も居るとききます。 「鳥目」なんて言葉がありますが、猛禽は、明るいところでも暗いところでも、人間なんか問題にならない視力ですからね。

飛ぶ時間帯がズレますが、コウモリと同じニッチを占めているのがツバメなどの、 飛翔性昆虫捕食者です。 ツバメは鳥類の標準からしても卓越した飛行能力を持っています。 じつは、両者の飛ぶ時間帯が重なる瞬間があります。 天候によって異なりますが、晴れていれば時間にしておよそ15分ほどでしょうか。

コウモリはツバメに比べて小回りが効きますが、速度と上昇力では圧倒的に不利です。 時々、ツバメがコウモリを面白がって追いかけ回すのが見られます。


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