DDAP5 終了 (2008/09/13)


2008/09/12

DDAP5 という非線形と複雑系の物理学の国際会議が奈良で行われたので、 そこで発表した。

なんでそんなとこで、という話がまずあると思うんですよ。 もう、私、そういうのに全然まったく寄ってないですから。 詳しい話しは省きますが、なりゆき上そうなったわけです。 人生においては間々あることです。

笑いを狙ったところではウケたが、 基本的にあんまりウケなかったぽい。 しかも質疑応答で思いっくそスベった。 もうね、がっかりですよ。 英語でも案外思い付きで喋れたのが、唯一の収穫ですかね。

準備はこんな感じだ。 スライドを見ながら脳内で演説し、 必要な時間をストップウォッチで計測する。 その間、なかなか規定時間内に収まらず、スライドを削ったり、 喋りたい内容を省いたり、おさえておくべき語彙を調べたりして、 何回かやり直す。 語彙を調べる時は、 bnc (British National Corpus) が変な使い方を してないかどうかのチェックに役に立つ。 そうこうするうちになんとか収拾がつき、 その頃にはスライドも全部暗記してしまう。

なんで脳内かというと、 脳内に限定することで、発声と耳からのフィードバックで 内容の精査が誤魔化されるのを防止することができるんですよ。 口に出して言ってしまうと本当のような気がしてくるもんです。 だがそれは邪道で、 論理的な必然性と直観的な自然さだけが説得力を生み出すべきですから。 そしてこれを追求する上では、全てを脳内で完結させるのが適切なのである。 あと、研究者ってほとんど喋らないんですよ、日頃。 だから急に喋ると喉がおかしくなるんでね。

まぁでもこういうのは俺の暗算原理主義の一環かもしれんね。

よその人の発表を見てて思ったんだけどさ、 式とかたくさん書く系の発表があるじゃないすか。 ああいうのは手で式をその場で書いた方が良いと思ったね。 で、そう考えると、 そこまでして出さなきゃいけない数式なんて、そうザラには無いって事が判る。

そういえば博士一年の頃、ポーランドの国際会議で発表した時は 質疑応答で黒板にその場で証明を書いたっけな。 まぁ今回も発表のその場で one line code を書きまくったわけで、 トシだけくって何にも変わってないとも言えるか。

今日は最終日で、うちのプロジェクトで招待した 研究者とメシ食いに行った。 二人ともイタリヤ人だそうで、 モンテ チェルビーノをガイド無しで登った話しがウケた。

そのうち一人はグラフの多様体埋め込みみたいな事を発表してたんだけど、 食事の席でその話しになったとき、彼の言う事には 「いや、俺のアレは数学じゃないんだ。 だって、 lemma も theorem も conjecture も、 それになんといっても proof が出て来ないからね。 がっはっは」 ホラね。 式や図形や計算が出て来るかどうかは、それが数学かどうかとは、 何の関係無いんだよ。 そう思ってるのは俺だけではないのだ。 いやむしろそれは、全世界共通の認識なのだ。 いやむしろ、 たとえ誰もそれを認識しておらずとも 普遍的、客観的に成立する永遠の真理なのである。

それから、日本のアニメの話でもりあがった。 北斗の拳の題名は、「Ken the warrior」である事が判明した。 また、妻にはテンプラ屋を探してもらって、おおいに助かったのである。 ありがとう。

発表当日の夕暮れと会場の窓に張りついていたカゲロウ。

全然寄ってない学会だったけど、面白かったからよしとするか。 いろいろ聞いた発表のうち、一番面白かったのは、 Peter Davis 先生の乱数発生装置の話。 乱数、実に深いよ乱数は。

すんとこあ

気圧、高度計と方位磁石を備えた腕時計型装置を先日、買ったわけだが、 これを一週間くらい使ってみた感想。

気圧や高度の変化がグラフで表示されるのだが、これが非常に面白い。

唯一の明示的問題点は表示の読みにくさで、 これはまことに困る。 そこで、液晶のコントラストを変更するボタン操作というのが、 フォーラムに掲載されていたので、 僅かな期待をもってコントラスト調整に挑んでみた。

  1. 左上、左下、右上、右下を全部いっぺんに長押し。 通常の表示が消えて suunto とだけ表示され、次にその表示が消える。
  2. そこで左上を一回押す。 suunto が再表示。
  3. その表示が消えぬうちに左上を長押しで、特殊メニューが出て来る。
  4. コントラスト調整を選び、適当に調整する。 値を変更したら直ちに表示も変わる。 最近のロットは出荷初期値が4らしい。 値は1から10まであるらしいが、5から上はスジがいって使いものにならず、 3から下もせつない見え方で、 調整の余地はあまり無い。
  5. 終ったら左下を押して、メニューからぬける。

結局、初期値の4が一番マシだったというオチである。ガクシ

ただし、これをやると記録とコンパスのキャリブレがとぶ。 時刻その他の設定はどういうわけか、残る。 コンパスのキャリブレは、自分が椅子に座り装置の水平を保った状態で、 椅子ごとグルリと自転すると一発でとれる。

なお、パパの時計疑惑は日焼けした腕に血管が浮いてれば、 全く問題にならないどころか、 むしろかえってソレっぽいらしい。 まぁ最初から判っていた事ではあるが。

ヒコーキと姿勢

フンゾリかえって座ってるから加速度に負けるんだよ、 みたいな話しは俺ですら思い付くくらいだから、 とっくに試した人は居るわけですよ。

F16の椅子が、じつはその発想を取り入れたものになっているのだ。 といっても前のめりじゃなくて後ろ、リクライニングしてるんだ。 今までの飛行機に比べて30度と大胆に後傾させた結果、 9Gまでいけるようになったんだと。 現役空中戦最強という理由は、案外このあたりにもあるのではないか。

でも良い事ばかりじゃなくて、 今度はそれでクビを寝違える奴がでてきたんだとさ。 それで最近の設計では反省してちょっとリクライニングをひかえめに したりするんだって。 やれやれ、大変だね。

2008/09/13

妻チャリのタイヤを前も後ろも交換した。

そのあと、散歩中にパンクした。 そこで極小ポンプ「micro rocket」の初出動でした。

まぁね、なかなか量が入らないんですよ。 そこはしょうがない。極小ですから。 でも、けっこう簡単に良い気圧まで行くよ、これは。 とりあえず安全に走れる空気圧には簡単に到達可能で、 結論を言えば十分な機能を持っていました。 つまりサイズと重さからすると非常に優れた製品といえます。


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