つきみ (2008/09/15)


歌姫農園の自然

農業というと普通は、土地を区切って耕作することで 生態系のカオスから離陸した、人類文明の最前線である。 それゆえに本来、自然とは最もスルドく対立するものであり、 縁もゆかりも無い存在のはずだが、 この農園はその対立を超克せんとする、究極農法の前衛たる革命拠点である。

いなご。いなごは大勢生息している。

いなごという名前のとおり、いなごはイネ科植物が好き。ムシャムシャ。 こいつらの発生すらも、ここでは農業の一環である。 こいつらの存在を昔風に言うならば、 いわゆる一つの「想定の範囲内」というやつである。 長くて立派なフトモモが自転車選手を連想させる。

ニラか何かの花にやってきたはなむぐり。

これは鳥のペリット。ザリガニの食べ跡の隣に落ちていた。 サギのものか?大きさは長径30mmほど。 ザリガニは、サギの食べ残しがアゼにたくさん散乱している。 頭のカラと大ハサミを残すのである。 ザリガニは人が近付くと、イネの株の向こう側にススっと姿を隠す(隠したつもり)。

ザリガニに惹かれてサギがたくさんやってきて、ついでにイナゴやバッタを むしゃむしゃ。

何らかの動物の足跡。タヌキかね。それにカエル。最近は、たんぼでほとんどカエルを見掛けないね。

こないだ出た学会でよく出て来たソレ系の理論風に言うとマルチエージェントの ダイナミクス システムにおいて実現しうる、 最適な平衡点を実地に追求する、というアプローチということだろうか。 アイタタ。すんません良く解ってません。

ぬすびとはぎ (メジャーなひっつきむし) の花。 ぬすびとはぎの花に気づいたのはこれが初めてだ。案外かわいいのな。マメ科。

ツバメもほぼ姿を消し、コシアカツバメが数羽残るのみである。

月見

本日、仲秋の名月という事で月見。 満月は撮影してもいまいち面白みに欠けるのだが、88mm口径で見るその明るさはド迫力。

こちらは直接関係無いが、モズ氏。 ヒヨドリ、カワラヒワの真似をしていた。 非常にうまかった。 最初はカワラヒワが来ているのかとも思ったが、 カワラヒワはこの時期にはさえずらないので、何か変だとは思ったんだ。 しかし、一切モズ鳴きをしないので、 何の鳴き真似か良く判らない声を聞いて初めて「むむ。これ実はモズ」と判った。 例によって腹話術で口を開けずに喋っていた。

研ぎ

Ray Mears 先生によると、 仕上げ砥まできっちりかけた方が刃の持ちが良いらしい。 そこで黒アーカンサスで研いでみた。 うちにある、唯一の仕上げ砥である。

つるつる滑べるので、 研げているような感じは全くしないのがこの砥石の具合がよろしくないところで、 刃がどうなっておるのか皆目見当がつかないのだが、 見当がつくまえに実に簡単に、普通にヒゲが剃れる刃がついてしまった。 ちょっと使ったカミソリくらいの刃だ。 アーカンサス砥石は研削力が弱く、ちぃとも刃がつかないので イラチの私はあまり好きではないのだが、 これならなかなか優秀ではないか。 砥石の番手はそんなに高くなくて、おそらく2000-3000番くらい。 斬鉄君にこんな刃がつくのは何年ぶりの事かのう。 5年ぶりくらいじゃないか。 そう考えると、自分で作っておいて、ずいぶんな扱いだな。

そういえば、昔は仕上げ砥なんざかけなくても ススっとヒゲが剃れる刃がついたもんだったな。 もう、どれくらいの刃が手研ぎでつくものだったのか、 それすら久しく忘れてたよ。

なお、アーカンサス砥石は微細な石英の結晶の緻密な集合体であり、 すなわち砥粒は石英である。 石の分類としてはチャートだそうな。 novaculite っていうんだって。 砥石になるまえは、石器の材料としても活躍したそうな。


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