鑿 (2008/11/14)


2008/11/13

オーストラリアの alcoa の発電所の巣で、 雛が次々と巣だったている。 残るは一羽のみ。

合成樹脂鞘

カイデックスという熱可塑性樹脂板がある。

ここ10年ほどで、銃やナイフの鞘としてよく使われるようになった材料である。 170度まで加熱すると軟らかくなり、その状態で中に入れるものに 添わせて成形し、冷えるとそのままの形で固まってできあがり、 という段取りの材料である。 2mm厚のものを買って来て、魚グリルとか火鉢とかいろんなもので 温めて成形しようとしてきたが、ことごとく失敗した。 こう、変な形に歪んじゃったりして、作業時間はたいしたことないんですが、 うまくいかない時のムカつき加減といったらありませんな、この材料。

じっくり考えて、刃と同じ形、厚みの板をこしらえて、 それを包むようにまずは成形し、しかる後に切れ込みを入れて柄をつまむ部分を 成形してみた。 加熱は料理のコンロ。 細かいところはハンダごてを近付けて(くっつけたら融ける)温めた。 刃側は塩ビ用の糊でくっつけてある。

製作してから20年ちかく放置してきたナイフに、これでようやく鞘が付いたのである。 材料費3000円。 この素材は良い。 何回か失敗してやりなおさねばならなかったとしても、 木や革で作るよりも簡単に作れると思った。 耐久性は不明だが、こんな簡単なら壊れたらまた作ればいい。 おそらく、斬鉄君の鞘のフレームもこの材料がぴったりであろう。

それにしてもこいつは、 おまえ、何か世の中に怨みでもあんのか?っていうくらい凶暴なツラ構えですな。 アレですよね、 あちこち出っぱったりギザギザになってる自称ファイティングナイフや 自称サバイバルナイフを騒がしいドキュソだとすると、 こいつはテロリストですよ。 私が作っといてナンですが、これ作った奴は、ちょっと 何かアタマに涌いてますね。

久々にこのナイフを研いでみた。30分やっても全部には刃がつかないよ。 疲れて諦めた。 そういえば、完成して刃つけするのもものすごく大変だったのを思い出したよ。 あと、こう、刃が付いて来たときのゾクゾク感も尋常ではないね。 キケンですね。

小さい方と比べると柄に占める鍔の幅の比率がほぼ同じですね。 どうもこの比率が好きなようです。

ノミ

普通に使う大工道具で一番難しいのがカンナで、次がノミかな。 その先にも、いくらでもややこしいのがありますが、 チョウナとかヤリガンナは普通使わないし。

ちょっと工作するつもりで、近所のホムセンで安いノミ買って来た。 1500円。 まじでー。 安っす。 でも一応、日立金属白紙とか書いてあるぜ。ホントか? 日立金属の白紙といえば純粋炭素鋼の世界最高の製品であり、 かつ、扱いの難しい事でも知られ熟練工のみが扱い得る鋼種なのだが。 1500円ですよ。まじですか?

もうね、鑿のややこしいところって、買って来てすぐは使えないところですよ。 たとえホムセンの安売り鑿でも。 安物は、刃に錆び止めが塗ってあって、それを落さないといけないし、 そもそも鑿と言えるほどの切れ味に研いでないし。 タガもはめなおして、上からドツいて木を殺さないといけないし。 適当なサイズのゲンノウが無いんで、 もう、引退した mizo の V-1 に御出馬願いましたよ。

鑿の研ぎは、柄が重くて刃先が狭いから、 角度を一定に保つのが微妙に難しい。 それに、刃の使い方で判るとおり、ただ押し込むだけで木を切れなきゃいけないので 非常に鋭く研ぎ上げていないと使い勝手が悪い。

で、ホゾ組みやってみた。 散々ですわ。もう。 お話になりません。 本番までに、もっと特訓する必要があるな。 というかノミの使い方ってどうやるんだっけ。

鑿の使い方

そうそうそう、そういえばこうやってましたね。 こうじゃなく、最初はV字に掘る大工も居ましたね。 学校の帰り道にぼーっと1時間くらい見てましたよ。 しかしエエ時代になったもんですな。 昔は親方にドツかれながら憶えたもんですけどね、こういう事は。

実家は設計事務所なんで、つき合いのある工務店は何軒もあるわけですが、 私が実家に居た頃は、工務店といっても要するに大工が数名居るだけの 個人商店が近所にあって、近所の住宅はおおかたその大工がこしらえていました。

頭領の愛用している鋸は、だいぶ昔に作られた奴で、えらい身が痩せてました。 当時から職人には好かれるたちで、 腕が確かで仕事が早くてイラチの親方と私は、けっこう仲がよくて、 こんな話しをしたものです。 「最近はこんな鋸はもう手に入らへんのや。 どんなポンコツでも、目ぇ立てた時はこれとおんなじように切れるんやけどな。 何や知らんけどな、ポンコツはじきにアカンようになるんや。 そんなもん使ぅとったら仕事んならへんからの。」 あらゆる刃物に言える事ですけどね、これ。 どんなナマクラでも、焼きすら入ってなくても、 研げば切れるようになりますから。 「切れなくなったら研げば良い」なんて言ってる奴は ろくすっぽ仕事やった事のないインチキ者ですわ。

まぁでも、この鑿も俺が使う分には十分だよ。 どんなポンコツも研いだ直後はよく切れるし。 ヘタクソはトンカチでやらず、 彫刻刀みたいに使った方が確実だ。 あと、ホゾ組みは今日また練習したら、だいぶうまくなった。

チゴハヤブサ

飛んでいる燕に天敵は居ない。 あの速度と機動性を克服して捕食できる動物は居ない。 唯一の例外がこの鳥だ。

チゴハヤブサ。 ツバメは「チゴハヤブサが来たぞ!」という専用の警戒声を持っている。 まだ今年生まれの子供のくせにこの飛び方だから、それも道理か。

しかしこれを撮った人も凄いですね。普通、肉眼でも見失うよ。


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