あいかわらず、連日作業しています。ブランクが長かった割りに、 そこそこ好調です。
ボール盤の変速機構。笑。これはインナー*ローな状態。
口金を作る。カドが出てないので、刃に接する面は平面に研削し、 前面も作業の段取りの都合上平面に研削する。 この寸法のステンレス塊を平面に削るのはかなり大変だ。 段取りを間違えた事もあり、 結局丸一日かかった。
センターラインのケガキ道具。1mmのプラスチック板にカッターナイフを折りとった コッパを載せたもの。 鋼が3mm厚なので、これでまんなかに0.5mmほどの間隔の線が2本ひける。 ベースは柄材のマイカルタ。
まず、おおまかに刃先の厚みまで削ってアタリをつける。 厚みはさきほどのケガキ線を基準にすればよい。 そしてヤスリで刃面を削る。 ヤスリで平面に削るのは、材料によってはかなり難しい。 高速度鋼はステンレスやチタンに比べるとずっと削りやすい。 アルミなどは、いっぺんにたくさん削れすぎる分、かえって面倒で、 一番簡単なのは俺が経験した範囲だと真鍮かな。
作業中は眼をクワっと見開いたままなので、かなり眼が疲れるが、 とにかくこの作業中は一瞬も油断できない。一瞬でもよそ見したら、 ヤスリの角度が狂い、これを修正するのに何倍もの手間がかかる。 無論、その間にまた失敗が起きる。つまり永遠に終らない。 もしこの作業が成功するとしたら、開始から終了まで一回もまばたきをしない。 というのはおおげさですが、それくらいの集中力が必要です。 定規を当てると面にぴったり付くまで、つまり肉眼で隙間が確認できなくなる 精度に収める。
削っていると時々、大きな炭化物がヤスリと鋼の間をごろごろと転がっていく。 これがけっこう深い傷をいけてくれるんです。 するとあとで磨くのが大変なんですわ。
今日削った鉄と、これまで削った鉄。粉である。 粉だけどハイス。
今日は柄にテーパをつけた。 柄の強度を犠牲にせず軽量化するため、柄を末端に向けて薄く加工するのである。 これを手ヤスリで削る。 この作業はものの本には手ヤスリでは不可能で ベルトグラインダが必要、などと書いてあるが、別にそんなことはない。 あまり極端なテーパ加工は好きではないので、刃材の厚さから1/2くらいにとどめる。
それから、うまいポジションというか段取りを見付けたので、 刃を正確に削り直した。 完全に平面というわけにはいかないが、現用斬鉄君くらいの精度には仕上った。
ヤスリというと、紙ヤスリとかそういうものと一緒に考えていませんか? それは誤っています。 実はヤスリは、切削工具です。 ヤスリにはちゃんと刃がついている。 刃だから使う向きも決まってるし、 切って良いものも決まっている。 ヤスリで切って良いのはヤキの入っていない鉄より軟らかいもの。 刃がヘタってしまうので、後向きに動かすのは絶対禁止。 切る方向は、常に前。 これを間違えると刃が痛む。 刃物ですから、刃が痛んだら、もう全然切れません。 取扱には細心の注意を払い、刃を硬いものに当てたり、 錆びないように。
正しく使えば綺麗な平面や曲面をこれで作ることが出来る。 これにて研削作業は終了である。あとは磨くだけ。
妻がママレードを作った。
買うと非常に高いよね、ママレード。こんだけ買うといくらかね。 5000円くらいかね。 作ると800円。
命の Pro M frame が壊れた。(壊した)
これは困ります。私の馬鹿的行動の数々から、 私の視力をいままで守って来たのがこのサングラスです。
直角にポッキリ折れたので、破断面を接着しただけではもちません。 しかし幸い、ポッキリと直角に折れているのでピンニングが使えるでしょう。
まず、ツル側に穴をあけます。2mmφです。こっちは貫通させます。 うまい寸法で貫通し、かつピンを通して十分な強度が確保できる場所と角度を うまく選ばねばなりません。 この作業は精度が必要なのでボール盤を使いました。 貫通させる理由は後で説明します。
瞬間接着剤で仮どめして、先に空けた穴をガイドにして、 本体側にも穴を掘ります。これができるためには、穴が反対側に抜けている必要があるわけです。 本体側の穴は貫通する必要はありません。 むしろ美観上は貫通しない方が良いです。
ツルの形状の制限もあって、この作業には動力は使えない。 しょうがないのでペンチでシャンクをつまんで手で回して穴をあけた。
つまりこうなるわけです。
Pro-M frame のツルはナイロン系の素材で、 エポキシは使えないので、瞬間接着剤でピンごと全てを固定。 ピン材は DT のスポーク。焼き入れステンレス鋼材。 折れる前より強くなってたりして。笑。 とりあえず、普通に使えるくらいは見事復活した。
磨いた。#300のペーパーでゴリゴリやったら案外簡単に傷は消えた。 刃の手もと側の柄に移るところのへっこみ部分は、細い棒ヤスリを 紙やすりを細く切ったものにあてがって、ゴシゴシやったらあっさり綺麗さっぱり 磨けた。
刃の工作精度は正直、イマイチだ。刃先の厚さも削りすぎだ。 0.5mm は薄すぎるかも。30度(片側15度)で刃つけすると小刃が1mmだよ。 今更言ってもしょうがないけど。 なにしろ、削った鉄はかえらない。 このあたり、ちゃんと寸法を考えてアタリをつければよかったよ。 0.5mmくらい残ってりゃいいだろ、とか漠然と思ってたけど、 こんなの計算してみりゃすぐ解る事なのにな。 考えりゃ解るのに、テキトーな事やる奴を頭が悪いっていうんだよね。 やれやれ。
明日は月曜。焼き入れ業者も営業するはずで、問い合わせて焼き入れ発送するか。
室生寺、奈良町のレストランで食事、お水とり、という観光全開の一日。
親類縁者ほぼ全員で行った。
3羽みた。2羽はペア。もう一羽は去年生まれの子供かな。 どうも行動と立地からすると近くに繁殖地がありそうだが、 記録を検索しても全くヒットしないし、 地元民も全く知らない様子なので、 見た場所はヒミツ。
圧倒的サイズと尾羽や風切の縞模様が見事だった。