ハイスとは何であるか (2009/06/07)


何かシダ

シダの生えて来るところって、なんちゅうか、こう、カワイイですよ。ほんと。

2009/06/05

IQ84にどうしても見えるんだよね、1Q84 が。 それで、84 で悪かったな、余計なお世話じゃ、うるせーよ、 とか思っちゃうんだよね。

いや、そんだけ。

昨日は仕事の帰りにコウジ谷によって、 ヤスマサさん夫妻と夕食。 使うナイフは柄も結局マイカルタみたいなのが一番良いよな、 という話になった。 木も風格があるけど濡れて乾いてを繰り返すとパサパサになっちゃうし、 骨やツノは浮いたり痩せたりするしね。 使わないんだったら何でも同じだけどさ。 そういえば、彼が持っているナイフも全部ハイス刃です。

はやぶさの繁殖シーズンもそろそろ終りに近付いています。 泉大津の縄張は今年、雌の入れ替わりがあって遅れたけど、 そろそろその雛も風切羽がモコモコの翼の先端から出て来た。 そういえば、重傷を負ったいずみちゃんはどうなったのでしょうか。

高速度鋼-ハイスとは何か

手で削れるものというと木が一番硬いわけです。

それよりも硬いものを切削する場合は、手では無理だから、 普通は動力を使うわけです。 動力を使うと、刃先にかかる力も人力の比ではないわけで、 衝撃や変形もさることながら、最も深刻な問題は、 切削によって生じる熱です。

これは非常に厳しい問題です。 刃先を冷却する手段をいろいろ工夫することはできても、 結局、良い刃先というものは鋭く尖っているわけだから、 ちょっとの熱であっても小さな領域にそれが集中するために、 簡単に温度が上がってしまいます。 温度が上がるとヤキが鈍ってしまい、硬さが失われ、 そうなると、あっというまに刃先が変形摩耗してしまうわけです。 これを防ぐには、いっぺんに削る量を少なくして、流れる液体で冷却し、 切削速度も落すしかありません。

1868年、イギリスの Mushet 氏が発明した Mushet 鋼は一般に、現代の高速度鋼(ハイス)の直接の祖先と見なされています。 組成は 炭素2 マンガン 2.5 タングステン 7 でした。 これと同じ組成の鋼種は現役では使われていませんが、 現代のハイス同様に空冷で焼きが入るという性質を備えていました。

しかし、ハイスをハイスたらしめる熱処理の要点が知られるようになったのは、 20世紀初頭、ベツレヘム スチール社のテイラーとホワイトが 系統的、網羅的に特殊鋼の熱処理に関する研究を行ってからです。 従来(800度前後)よりもずっと高い温度で熱処理する事で、 合金炭化物を地のマルテンサイト組織に十分固溶させ、 高温硬さを獲得する技術がこの時初めて知られるようになったわけです。

この、テイラー ホワイト プロセスと呼ばれる熱処理過程の特許は これを巡っての製鉄業者間の文字通り熱い戦いとなりました。 なにしろ、切削加工に関して言えば、 ハイスに比べたら他の鋼種はまるでポンコツ、全く勝負になりません。 最終的にこの特許は無効とはされましたが、 なんとか迂回技術をあみ出さないことには、 他の製鉄会社の命運は終ってしまうわけです。

最初にアメリカ工業規格に掲載されたハイス鋼であるAISI規格 T1鋼 は、 現在、自動車産業の不況が直撃して事業存続の危機に瀕している アメリカ、クルーシブル社が20世紀初頭に発明した特許鋼種でした。 これは JIS でいうところの SKH2 、由緒正しいタングステン系ハイスです。 我々が現在よく使う SKH51 (M2) とは概略、これに含まれている18%もの タングステンの2/3量を同原子数のモリブデンに置換した鋼種です。 モリブデンの原子量42はタングステンの74に対して約半分なので、 重量パーセントで言えば約半分の量で類似の効果が得られるわけです。

無論、切削工具ですから、単に高温でも硬いというだけでは使いものに ならないわけで、 十分なネバリと耐摩耗性によって、 鋭い刃先を形成維持するのに適した最高級鋼種として、 近年、ハイス鋼は手持刃物の材料としてもその用途を拡大しつつあります。 いうまでもなく、私もそのお先棒を担ぐ一人にほかなりません。

2009/06/07

かなり上手に飛べるようになりました。まだ飛び始めて1週間少々ですが、 既に他の鳥よりも巧みに飛ぶように思える時すらあり、さすがハヤブサ。

まだまだ雛どうし、仲良しです。

やる気十分の、この顔を見よ。

しかし、行動も飛び方も全く子供そのもので、まだまだ全くたよりない。 親の見せるパワー、スピード、テクニック、自信、全てを備えた 圧倒的飛行には比べるべくもない。

カメラ目線。右が母親、左は娘。親子で似てるかな?

雛は、冬が来るまでに必殺の急降下や狩の段取りを修得せねばならない。 それができない場合は、餓死する運命である。 今年生まれた4羽の雛のうち、来年の夏まで生きているのは、 統計によると2羽である。 そこから、相手を見付けて縄張を確保し、 繁殖まで至る数は更に少ない。 ハヤブサは飛翔力と視力に非常に優れている。 だから、縄張になりそうなところには既に誰か居る。 つまり、縄張を確保するというのは、 他の繁殖個体を殺害して自分がとって替わるという意味である。

苛酷そのもののように見える彼等の運命だが、 一旦縄張を確保してしまえば、日々の暮らしは楽勝そのものだ。 だいたい、有能なアメリカ人とか日本人ほど働く生き物は居ない。

帰りに「鳩サブレー」の豊島屋で喫茶。 鳩サブレーの鳩は、うちではキジバトということになっている。


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