結婚してからこっち、長らく掃除洗濯をやったことがなかったが、 妻が入院しているので、料理、掃除、洗濯の他、 植物に水をやり、野鳥の水場を手入れし、デデ夫妻にも食事を提供し、 生協の宅配を受け取って、妻のもとに茶を届けた。
じつは、そのくらいの事は、俺にとってはどうってことないのだ。 アルパイン クライマー というのは生活技術に非常に長けているのである。 山ヤにとっては、あらゆる物事の段取りを瞬時に考え、その場で最適に組替え、 全ての用事を一瞬で済ませてしまう能力が必須なのである。
これくらい、どうって事はないぜ。 だって家は広くて何でもそこらへんに考えずに置けるし、 普通に明るい昼間に用事ができるし、 水も火も使い放題だからな。 むちゃくちゃ楽勝だよ。
それに比べると本チャンの現場では、家は2m四方しかないし、 外は雪で、家に入る時にはいちいち雪を落さないといけないし、 昼間は7時すぎから4時まで8時間しかなくて、あとはヘッデンだし、 水は貴重な燃料を焚いて作らなくちゃいけないし、 火を消したら数秒で家の中も素手が痛くなるような気温になり、 何かを家の中で移動するには、移動先のものの移動先をどこかに確保せねばならない というソウコ番ゲームを常にプレイしつづけるのである。
そんな中で「ただ生きる」以上の事をやる、すなわち登りたいルートを攻略するという 事ですが、そのためには、 生活の全てをあっというまにキッチリ片付けていかねば、 時間も装備も場所も食糧も水も燃料もあっというまに底をついてしまい、 到底足りなくて、 メシ喰って寝るのが関の山である。
女性のみなさん、山ヤとけっこんすると便利ですよ。 ただし「原則、死ななきゃオッケー」みたいな、はちゃめちゃな人生観とか 何でも「カラビナ何枚買えるか」で数える金銭感覚は我慢する必要がありますが。
久々に自転車に乗った。面白かった。これから度々乗ることにしよう。 ペダルの廻し方は体が完全に忘れていた。
いつもデデポが食事する石の上のサンダルで脱皮した蝉のぬけがら。
週末、妻と子供が退院してくるのを迎えに自転車に乗ろうとしたら、 家のまえでずっこけた。 今は久々にキズパワーパッドの世話になっている。 やれやれ。
湿潤閉鎖療法は楽で速いとはいえ、何も無いほうが肉体としては 楽なのは間違いないわけで、 たまった疲れと外傷の組み合わせはけっこうしんどいですね。 これ、野生だったら間違いなく、 捕食者に見抜かれて狙われて一巻の終りでしょうな。
この分では練習のための練習のための練習(必要なだけ再帰で降りていくのである) が必要であろう。
そういえば、出産で入院する晩(ヒルヅから帰り)、 八幡宮の横を歩いていたら脱皮寸前のセミが地面を歩いていた。
拾って木にとまらせてやった。
昨日は再び寝室にセンチ君が現れた。 火箸でつまんで畑に退場してもらった。
なんか尖っててカッコイイかめむし。
しかし毎日普通の家で暮らしてるくせにしんどいって、 俺ってどんだけブっタルんでるわけ?
子供ができたので、いろんなオモチャを作ってやろうと思い、 なんとなく Make を買って来た。
俺は情報処理ぽい事が職業のくせに、 じつはデンキ工作とか情報処理とかあんまり好きじゃなくて、 それよりもすげぇ飛ぶ飛行機とか、 既に皆様にもおなじみかですが、馬鹿みたいに切れるナイフとか、 そういうものを作ったり使ったりする方が得意である。 その延長で、自分の脳内で完結する数学は得意であった(過去形)。
つまり面倒な道具を使うのは苦手というか好きではない。 単に、数学とかナイフメーカーでは生活できないから、 しょうがないのでプログラミングぽい事をやっているだけである。
というわけで、その Make にははばたき飛行機が掲載されているのである。
子供とか、好きそうじゃん?はばたき飛行機。
でも、よく考えたらまだ一週間なんだよね、生まれて。 はばたき飛行機は、全然関係ないよな。 むしろ俺が単に作りたかっただけ、みたいな疑惑。
ぱらぱら漫画とか、竹トンボとか凧とか まぁとにかくいろんなオモチャを作りましたね。 作るのが面白いんですよ。 できたら、あとはまぁ、そんなでもない。 だから、俺は玩具というよりもむしろ、道具が欲しかった。 自分の作りたいいろんなものを好きなように作れる、 道具たち。 その筆頭が、何でも好きなように切れる美しいナイフであるが、 他には
なんかが欲しかった。ヤスリまでは揃ったが、 フライス 旋盤 溶接 カンナはまだである。 フライスは刃が高い。旋盤は、なんかめんどくさそう。 カンナは金銭的にも技術的にも敷居高すぎ。 溶接はデンキの問題があったが、今の家には200Vが来てるので、 これはチャンス。
ガキの頃は道具なんか欲しくても買えなかったもんだから、 やっぱ大人になるって素晴らしいよ。いやまじで。