昨日から妙に寒い
火鉢。別名室内焚火。炎は出ないのでビジュアル的には野外で薪でやる 焚火に劣るが、 その制御の手間や愉快さなど普通の焚火と変わらない面白さなのだ。
焚火には、人の数だけ流儀があって、みたいな話はよくありますが、 木の組み方や薪をくべる順番と場所など、いろいろと皆さん拘りがあるわけです。 それは、どうやら火鉢でも同じらしい事に私はある時気づきました。
私の母は茶の湯のセンセイなわけですが、茶の湯というと、 炉の上に茶釜が載っているわけです。 炉では炭が燃えています。 炭を燃やすやりかたには作法があり、 それを称して「炭点前」というそうです。
炭点前の要点は、できるだけいじくりまわさずに、 炭をキレイに燃やし、長持ちさせ、しかも充分な火力を 維持する、というところにあって、その段取りは定式化されているとはいえ 相手は炭火であるからして同じものは二つと無いわけで、 そこはやはり技術と経験を要するものなのだそうだ。
うちの火鉢を見た母は 「おまえもなかなかやるな」みたいな事を言ってました。 まぁな。 うちは俺千家じゃけんね。
娯楽としては、テレビよりもラジオよりも本よりも、 そして劇より画より古いのが焚火である。 これより古い娯楽はおそらく歌ぐらいでしょうよ。
久々に今日のとりコーナーが復活しました。 シジュウカラはあんまり人を警戒しないので、けっこう簡単に撮影できた。
それにしてもシジュウカラの素早さは異常。
古いたとえで申し訳ないが、おまえはメイトリックスの登場人物か、 という写りかたです。 まぁ、実際には曇の日の早朝で、露出が1/20秒しか出てないせいもありますが。
周りをよく警戒してから一気に頭を突っ込んで種をとる。
しかし、鳥はグルメよのう。 こいつらも、気に入らないタネはつまみ出しても捨てるのである。 中身があんまり入ってない、軽くてヤワいやつは、摘んだ瞬間に判るようで、 引っ張り出してもすぐに捨てるのだ。 そういうのがこのフィーダーの下にいっぱい落ちている。 やれやれ。 好き嫌い言うなよ、と落ちてる種は拾ってもう一回入れといた。
他には、今はスズメが来る。全部で20羽くらい。 スズメは警戒がもっと強いので撮影できていない。
そして、これらの小鳥を狙ってモズも来る。 来た瞬間は、庭に独特の緊張が走る。 野外で捕食種の活動を観察した事があれば経験があると思うが、 月並な言いかただが、空気が凍るというやつだ。 こっちまで緊張するよ。 「うわ!何か来たのか!!」みたいな。 わしらの遠い先祖が小鳥の警戒声を訊き漏らすようなどんくさい奴だったら、 今ごろわしらは居ないわけで、 己の遺伝子に刻み込まれた、被食種の宿命を感じる瞬間でもある。 シジュウカラはしかし、モズが動いた時に警戒声を出すくらいで、 別に慌てる風でもなく食べているタネすら落さない。
つまり狩は空気を凍らせてしまっては失敗という事でもある。 モズは裏山のヤブにズボっと消えていった。
右2コマは足でタネを押えて、食べているところ。 カラを割るのではなく、穴を開けて食べる。
春に、よく水浴びに来ていたヤマガラにも来て欲しいが。 それから、肉の白身でキツツキをおびきよせたい。