マットの切なさ (2009/12/25)


2009/12/22

顔面が蕁麻疹になった。

こうかくと未来的な 蕁machine なんせマシーンだぜ。

それほどでもないのだが、若干痒く、しかもむくみがあるのが、 わりかしムカつく。ムキー 今日で3日目

sleeping pad elegy

テントで寝た事が無い人というのは、 おそらくこのラクガキの読者の中にも相当数おられるはずで、 というよりむしろ家の外で寝たというと、 酔っ払って駅で、ぐらいが普通ですよね。

さて、家の外で寝るといっても、テントで寝るのであれば、 家の中で寝るのと大差ないです。 大差無いというのは、 寝袋も無しにそこらへんで寝る、というのと比べての話ですが。

で、テントで寝るという話ですが、 具体的にどうやって寝てるのかという問題からです。 まず、テントとはどういう構造なのか、というところから説明する必要が あります。 テントは、薄い布でできた袋です。 それに柱がとおしてあって、内部空間ができるようになっています。 床部分は防水布で、それ以外は普通の布。だから風も通るし 雨が降ったら浸みて来る。 雨が降った時は、その上から、屋根としてもう一枚、防水布をかぶせるのです。 これをフライシートといいます。

床は要するに布一枚ですから、断熱性は皆無です。 これで、もし雪の上に寝るとすると、冷たくて困るのは気合いで我慢するとしても、 体温で雪がどんどん融けて、家が地面にめりこんで崩壊してしまうわけです。 これでは生活にならない。 寝袋があるじゃないか、と思う人も居るだろうが、 寝袋が暖かいのは空気を含んでいるからで、 体重で床との間に押し潰されると、床に直接寝ているのと さすがに同一ではないが、たいして変わらないのである。

ところで実際の雪上生活ではそんな事は当然起きないわけで、 つまり、何らかの対策があるわけです。 それが今回のテーマ、そしてテント生活の永遠の課題、 マットであります。

マットで一番ポピュラーなのは、いうまでもなく、 タマゴ巻の寿司みたいなアレ。通称「銀マット」(ぶあつい方)であります。 銀マットの利点は二つ。 安さと壊れない事。 しかしこれには重大な欠点があるのです。 かさばること?いやいや、そんなものはヒモでザックの外に くくりつければどうにでもなる。 ここで即答できる人は、それなりにテント暮らしのキャリアがあると 言って間違いないでしょう。 「ザックの外にくくりつける」がヒントです。

それはですね。水が染み込むんですな。 いやじつにこの、水が染み込んだ銀マットほどムカつくものは無いね。 うっかり座ってみ? パンツまでびしょぬれですよ。 うっかり寝袋ひいて寝てみ? 寝袋がびしょぬれですよ。 いやほんと、まじで最悪ですよ。

そんな、あれやこれやの問題を解決する最終兵器として登場した のがアメリカ カスケードデザイン社の「サーマレスト」です。 かくいう私も、サーマレストを使って15年になります。 ヤマを始めた頃は、高くて手が出ませんでした。 こいつは、中にスポンヂが入ったエアマットで、膨らませても 薄いままで、かつ、乗ってもぺったんこにならない、という優れものである。

エアマットなので、空気を抜けば非常に小さくなる。 乗ってもぺったんこにならないので雪の上でも暖かい。 この暖かさは感動的で、俺はモンベルの-8度までしかいけないはずの 化繊のペラペラの寝袋で、-20度まで冷えた八ヶ岳で朝まで爆睡したものである。 無論、こいつには重大な弱点があって、それは、穴があくという事だ。 これは通常のキャンプではあまり問題にならないと思うが、 冬のアルパインではけっこう困る。 というのは、アイスアックス、クランポン、アイスピトンなど、 穴をあけるものがたくさんあるからだ。

これまでつごう2枚のサーマレストを穴のせいで捨てた私だが、 どちらもこれら氷雪用具のせいで穴があいた。 一回めは、ヨーロッパの帰りに飛行機のなかで、 ピッケルと一緒に袋に入れといたら、4つ折に畳んだのをまとめて 全部 mizo のバイルが貫通していた。 8か所の穴を丹念に塞いだが、結局きちんと直らず、 2シーズンほど夜中に起きては空気を入れ直す、というのを続けたあげく、 ブチ切れて捨てて買い直した。

2回めは、アイスピトンだった。これは、 専用のパッチがばっちりと利いて、フロでテストもして一度は完璧に直り、 何シーズンかは問題なく使う事ができたのだが、 去年、ついに馬脚をあらわした。

ところで、このラクガキを以前から読んでる人は知っていると思うが、 わしがキャンプするのは専ら冬で、多くは雪の上である。 いうまでもなく、雪の上でマットがペッチャンコになったときのせつなさは、 筆舌に尽くしがたい。そして、 よくできたアメリカのアウトドア製品の一つとして数えてもいいと思える サーマレスト マットであるだけに、 普段のパフォーマンスと穴があいたときのせつなさのギャップが より際だつのである。

特に冬の雪上キャンプでは。

ザックとロープと、脱いだフリースとゴアの上着を寝袋の下に並べれば、 マット無しでもなんとか寝られない事もない。 しかし夜は15時間続く。 ザックは体の幅よりもかなり狭いので、落ちないように気をつかうし、 小便で起きた時にいちいち上着を着るとき、 それらはしばしば体の下でガチゴチに凍っているので、 かなりせつない。 そもそも、マットはザックやロープや余った衣類を寝袋の下に敷く前提の サイズを選んでいるわけで、そのマットが無くなってしまうと、 どうしても寝袋が直接、床に接する場所がでてきてしまう。 地面に接するカカトだけがものすごく冷たくなって目が覚める、 というような次第である。

そんなわけで、寝袋に並んで重要なアイテムであるマット。 冬のキャンプに最適な、それを求める旅はまだまだ続く。

Machine そのご

じんましんではないらしい。とにかく皮膚炎とのこと。 原因不明。

なんか、軟膏もらってきた。当面よく効いている。


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