量子ちゃん (2010/02/24)


2010/02/19

「しぐるい」読み終った。後半、かなりワケわからんな。 作者大丈夫かな、 ちょっと心配しちゃうよ。

「バガボンド」32巻読んだ。まぁまぁ。 忙しければ時間割いてまで読むほどのもんでもない感じだった。

「こんなのちょっと難しいだろ」という事になっていたテーマが、 一旦可能だと判ったとたんに類似の研究が爆発的に発展する事は多い。 また、解かれる以前であれば学位に直結するような問題だったものが、 解決されて体系が整備されるにつれて、教科書の演習問題の一つに おちぶれてしまう、なんていうのもよくある事。

「問題Aは解決可能や否や」 という情報は、時としてその解決策以上に重要なものでありえるのだ。

こうしてみると、冷静沈着にして客観的、といわれる自然科学分野であっても、 いや、時に俗世を超越していると言われる数学においてすらも、 それをやっているのは感情があり切れば血も出る人間なのだなぁ、 とあたりまえの事ですが改めて思います。

こう考えるんだ。ある山もしくは崖は、人類に登攀可能かどうか? それが判らぬうちに挑戦する事に比べれば、 可能だと判ってからの挑戦など、どうという事はないのである。 未知のルートを登攀して失敗したらしばしば死ぬが、 未解決問題への挑戦は、失敗すればしばしば人生を棒に振るわけです。 最初以外は無価値ですが、別手法で独立な業績には 価値があるのはこんな事情です。

2010/02/22

週末、職場にパソコンを忘れたが、 週末は書くほどの面白い事は全く起きなかった。

新しいパソコンを発注した。X200 メモリ4G CPU 2.6G ディスクは160G。 今使ってるのがメモリ2G CPU 1.4G ディスク40G だ。 新しいパソコンを買うのは2006年8月以来なので3年半ぶり。 新しいのを買う理由は、ディスクがまんたんになって新しいものをインストールできなくなったため。

むっちに 4G 2枚買えば 8G にできるよ、とIRC で教わった。2枚で3万弱。 むう。安くはないな。

とかいってたらX201発売ですってよ ガクシ(笑

ふくろう

書くのをすっかり忘れていたが、2月上旬ごろから 夜中に時々フクロウの声を聞く。

変な声が表でするので、 web で引いてみたら、やっぱりフクロウの声だった。 奴等がこの闇の中を音もたてずに飛びながら 「ほっふー。ごるっくふー」とか言ってるのを想像すると、 なんだか愉快なような、ちょっと怖いような気分だ。 今日は夜明け前に裏山で鳴いていた。

2010/02/23

NTT武蔵野であったフォーラムに行ってみた。

基本、 NICT に居た頃に経験した 公開イベントなどと同様のものであるが、 NICT のがどっちかというとアットホームな感じなのに比べて、 こちらはずっと公式で、きっちりした体裁。 受け付けの女とかも業者が手配したやつだし、 全体の構成とかも、 研究者じゃない人が来る事を前提とした、 それなりに考えられたもので、 そういう構成は俺みたいな人には必ずしもわかりやすいとはいえないが、 見せ方が工夫されているのは印象が悪かろうはずもない。

ar- さんが参加したプロジェクトも展示がある、 というのでそれをまずは拝見。 要素技術はそれなりに確立したものを組み合わせての、 意外で面白くてかつ今風の見せ方のものができていて、さすが。

他にはお馴染みの自然言語処理とか関係性抽出なんかも見たが、 今回のヒットは quantum computing すなわち量子計算だった。

量子計算のコーナーが良かったね。 量子ビットの作り方には、半導体量子ビットとか、 超電導量子ビットとか、いろいろあるらしい。今日初めて知った。 超電導量子ビットの実物を見せてもらったよ。 まぁ超電導なので、実物といっても冷却しないと量子ビットは保持できないんだけど。 それから、量子計算アルゴリズムの研究をやっておられるという高橋さん(所属は当然CS研)に、 量子計算の教科書を御紹介いただいた。 Nielsen, M., Chuang, I., "Quantum Computation and Quantum Information" がお奨めとのこと。

営利企業でこんな研究やってる事自体、さすがに底が知れない体力がある NTT であるなぁ、といつも思う。 ほんま、どんだけ余力あんねん。 ジョセフソン接合って何やねん、と思って調べてみたら、 超電導というのは目に見えるサイズの量子現象なんだってな。 だから超電導の電流の向き自体、量子現象というか一つの量子状態なんですってよ。 (@_@) ぐるぐる

アルゴリズムを考えるのは、それ自体それなりに年季が要る仕事だ。 量子計算の骨法が掴めた上で、そこで実行する計算のありようが 血肉化されるまでというと、かなり大変そうじゃのう。 でも、未だ無い計算機の上で動くアルゴリズムを考えるのって、良いですよね。

なんせ関数プログラミングなんて1930年代に完成してますからね。 あ、さすがに完成は、してないか。 無い計算機の可能性を理論的に探るというのは、 理論研究の真骨頂の一つであろう。 Church Kleene Curry ら偉大な先輩方に負けぬすばらしい研究を、 是非ぶちあげてほしい。

フォーラム終了後、久しぶりに武蔵野あたりを自転車でうろうろしてみた。

玉川上水沿いの道とか、三鷹 武蔵境間の電車溜沿いの道とか、 よく通った道や好きだった道を久々に走ってみた。 懐かしすぎる。


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