現状、わしらが暮らしている世の中と物理的条件が著しく異なる世界においては、 わしらが普通だと思っている事が成立せず、 ありえないと思うような事が成り立つので面白い。
とりあえず最近、目にする機会があったのは、圧力である。 圧力が非常に高いとあり得ない事が起きる。
ユゴニオ弾性限界という用語がある。 これは、超高圧の条件下では個体が流体として振舞い塑性変形するらしいのだが、 その条件となる圧力のことである。 ユゴニオさんは、フランス陸軍の砲兵仕官で、衝撃波の研究で業績をあげた人だそうだ。 物質によってこの限界圧力は異なる。
最近の戦車砲の徹甲弾が、装甲を貫徹する仕組みは、 このユゴニオ弾性限界を超えた領域における、 物質の振舞いを利用したものなのだそうだ。 非常に硬く重い物質が高速で装甲に衝突すると、 ユゴニオ弾性限界を突破する圧力が生じ、装甲と弾の接点を中心に 流体化する。 この流体化は弾の運動エネルギーが減損して弾性限界を実現できなくなるか、 もしくは弾も融けてしまって無くなるまで続く。
この仕組みを最初に使ったのが、整形炸薬弾である。 これは爆発による高速ジェットの圧力が装甲を流体化するのだそうだ。
最近の矛と盾はこんな関係らしいよ。
この条件は非常な高圧なので尋常な手段ではその条件は実現できない。 よく利用されるのが衝撃波で、 爆破の衝撃波を用いて異なる種類の金属をくっつける、 「爆着」という技術があるが、その仕組みはこの、ユゴニオ弾性限界である。
衝撃波も面白い現象なのだが、その話はまた今度にしよう。
そろそろ秋の渡りの季節だから双眼鏡の対物レンズの蓋を直した。
ごむ糊でくっつけよう、なんてせずに最初からこうすりゃよかったんだ。 できあがってみれば自明な解決なのに、 案外思い付かないもんだよ。
それから、望遠鏡を掃除した。ガキがうまれてこのかた、 この望遠鏡では庭の鳥しか見てないぞ。
渡り鳥の中継地点として有名な、武山に今日は行ってみたよ。
登りの傾斜が尋常じゃなくて、気絶するかと思ったよ。 自転車を降りて押したよ。
戦闘ヘリコプターが何度か上空をとおりかかったよ。 実際に飛ぶところは初めて見た。 すげぇ強そうだった。 両脇に、なんかミサイル風なものを装着していた。 あんなヘリコプターに狙われたらたまりませんな。
鳥は、残念ながらトンビしか居なかったが、 昨日はサシバが数羽見られたそうだ。
午後は歯医者。もげそうになってた詰めものを作り直す。