鳥の翼は、はばたきでは翼がねじれることで、推力と揚力を両立させています。 胴体に近いあたりは常に、揚力をよく生み出す断面形状と 適切な迎え角を維持していますが、推力にはあまり貢献していません。
これに対して、翼の手首から先の部分は翼を下に打ち降ろす際には 上にねじれる事で、羽ばたきによってプロペラ的な振舞いとなり、 空気を後方に押し出す事で推力を得ます。(図の下のほう) 上に羽ばたく時も(逆方向に)ねじれて推力を生みます。 この部分は手首ですからねじれ加減は当然調整することができて、滑空時には 手首から先も揚力に貢献することで効率の良い滑空を実現します。
また、手首から先はほぼ羽しかないので、剛性のわりに重さは軽く、 翼を振る時の負担を軽減しています。 アマツバメなど強力な羽ばたき飛行をする種では、これが徹底しており 手首から先の長さが脇から手首までに比べて非常に大きくなっています。 推力を生み出すこの部分の羽は初列風切 (英名 primary flight feather) と呼ばれます。 この部分は畳んだ時にも翼の先端に位置し、尾羽付近に揃います。 風切が非常に発達した種では尾羽よりもその先端が後ろに突き出すものも居ます。
風切部分はプロペラ用途以外に補助翼としても用いられ、 急速にロールする際には 左右の初列風切りを逆方向にひねります。 ツバメ、アマツバメ、ハヤブサ類はしばしばこれによって180度ロールして反転飛行します。スケッチは急降下に入るハヤブサで、 こうして反転してからはばたくことで、下向きに加速する。 普通に飛んでる時は \(9.8m/s^2\) をキャンセルしている揚力を、 重力加速度と同じ向きに揃えよう、というわけです。
飛ぶところを綺麗に撮影するのは、わしの使っている機材ではちょっと難しいので(とくに飛んでるハヤブサなんて絶対無理なので) 手で描いてみたよ。 ホワイトバランスがおかしくてごめんね。
100mを何秒で走れるか、みたいな事を競うのも悪くないけれど、 むしろどこまで遠くまで見えるか、とか、 どこまで憶えていられるか、みたいな方が気になるんだ、わしは。
http://en.wikipedia.org/wiki/Moken_peopleモーケン族は海に暮らす海洋民族で、 海の中でもよく眼が見えるそうだ。
なぜかというと、普通は海の中のように暗いところにいくと 反射で瞳が開いてしまい、 空気と水の屈折率の違いによる眼球光学系の性能劣化に拍車をかけてしまうのであるが、 彼等はなんとおどろくべきことに、 水中では逆に瞳を絞って眼球光学系の被写体深度を増大させる(動画へのリンク)のである。 陸上に居る時の8割ぐらいに絞るらしい。
これが遺伝によるものか訓練によるものか、現時点では結論は出ていないらしいが、 訓練によるものであるならば是非その方法を学びたいものだ。
100m走については、記録の分布からサンプルの最大値(陸上競技だから、最小値か) の分布を推定し、母集団が加算無限の場合の極限値をとる、 という手法で人類の限界が推定されています。 この統計手法自体はけっこう面白いのですが この瞳径の話を見ると、そんな推定アテにならへんのちゃうけ? と思っちゃいますね。
しばらく姿をみかけなかったシマヘビのみーちゃんがなんと、今日は他の蛇を食べていました。
強ぇな。みーちゃん。ちょっと見ない間にこんななっちゃって、たまげたよ。