サイバーショッツ (2013/06/15)


back cut in knife fighting

「マスターキートン」にナイフの達人の話が出てくるのは有名だけど, あの話数では, 具体的に何がどうなると達人なのか, というところは必ずしも明瞭に描かれているわけではない.

その後, 俺はずっと, ナイフによる戦いにおいて有利であるとはどういう事か, という事が気になってたんで, 細々と調べてたんだけど, 最近はインターネッツという便利なものがあるので, だいぶ調べが進んだ.

まず, ちっこいナイフは武器というよりは料理を作ったり木を削ったりする, 生活のための道具である. 左右対称で小さな短剣は道具としても使えないけど, 振り回しても意味はなく奇襲専門である. でも奇襲が成立するのなら, べつにナイフじゃなくたってバールのようなものでもいい. 油断を襲うことができた時点で結論は決まっているわけで, 他の要素はすべて瑣末だ.

だからナイフで戦うのはある程度サイズが無いと意味がないわけだ. 中型以上のナイフで戦う場合, Bowie Knife というのは非常に有力な選択肢だ. 特にあの変わった形の先端に工夫がある. やっぱり相手からできるだけ離れて戦いたいし, そうなると先っぽに凝らされた工夫は非常に重要だ. Bowie Knife は峰が先端のほうで鋭くえぐれている. この形に込められた意味とは何か?

じつはこういうデザインは Bowie Knife が初めてではなく, ずいぶん昔からあるらしい. 16世紀のブロンズ像, チェリーニの「メデューサの首級をあげるペルセウス」で右手に持っている刀が, まさにこのデザインである. なお Bowie Knife が現役の武器だったのは南北戦争までである. それはボルヘスのいう, 「ナイフの扱いが悪党に必要な条件だった時代」である.

それでこの謎の切っ先ですよ. この切っ先はどうやって使うの?

正解はこの動画にあるので興味ある人はどうぞ.

ナイフで片手で戦う技術の中心になるのは, こういう伝統的なフェンシング, という事らしい. だからさきの疑問に対する答えはこうなる, つまり伝統的なフェンシングに熟達していることが, ナイフの達人であるという事なのだ. 服とサーベルにデンキが来てて, 判定が早押しスイッチで決まる種目は, これらの技術を安全に習得するための練習の工夫である. その本番はオリンピックや世界選手権とは別にあって, そこではああいう形の切れる刃物を使い, 負けたら死ぬのである.

そういえば, さきのまんがのナイフの話のなかでもフェンシングの場面があって, 達人の師範が二刀流を使っていた. 現代の競技で二刀流がどういう扱いになるのか判らないが, SASに伝統的なフェンシングが根付いている事を伺わせる演出のようにも見える.

カメラ

先週末, カメラなくした.

仕事でもけっこう使うので, しょうがないからカメラ買った. cybershot dsc-rx100 というやつ. ズームついてるの初めて買う.

ちょっと詰め込みすぎちゃうか, という気もするんだよね. 片手で操作しにくい. 片手だと, すごい集中して操作しないと変なところを触ってしまい, 変な事になる.

まぁとにかくもりだくさんなので, なかなか探検し切れないところはあるんだけど, いまのところこんな感じだ.

俺にとってカメラとは肉眼で見えないものをみるための手段の一つであり, 具体的には超望遠と長時間露出とマクロなのである. それなりに今回も行けそうな感触はある. sony っぽくスイッチとかがぶっ壊れそうな感じは希薄. 期待したよりずいぶんちゃんとしてる. だいたいプログラムオートで使い(最高感度は3200に設定), 時々全マニュアルを使っている. プログラムオートでは, 対象追尾焦点合わせ機能が最強に強まってる. ズームは主に超望遠撮影時にケラレをとるのに使っているが, ポートレートでも重宝するはずだ. ズームするとマクロはほぼ効かない.

おもえば leica と一緒に仕事をしてたミノルタを買った sony のカメラに zeiss のレンズが付いてるわけだ. 俺たちはずいぶん遠くまで来てしまった.


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