ダイクロプリズム、ブリヂストン トランジットT20SCX 修理 (2018/07/24)


2018/06/05

この一ヶ月の成績ですが、+7秒でした。

ダイクロプリズム

立方体プリズムで、一つの面から白色光が入射すると、それが r, g, b 三色に分割されて残る3面から出てくるというものを子供の誕生日プレゼントのために買いました。

これが非常におもしろいのでちょっと紹介します。

仕組みは上図のようになっていて、対角線方向の二つの面A、Bにそれぞれ加工がしてあって、光を分離するわけです。まっすぐ通るとgが残るようですがどうなっておるのでしょうか?

光の経路としてはA面、B面、反射、透過を考えると、4種類あります。すなわち、

です。順に g path, r path, b path, n path とよぶことにしましょう。

A面は斜め45度から入る光に対し、r(赤) だけを反射し残りを透過します。Bは同様の条件でb(青)だけを反射し残りを透過します。これだけで上のような三原色をそれぞれ90度異なる方向に分解する昨日が実現されているのです。凄い! では、以下解説です。

まずは直進する g path から。A面はr(赤)だけを反射するので、g(緑), b(青) は透過します。そこで、A面の下半分で考えると、 r だけが反射され上に向かい g, b が B 面に向かって直進します。B面は青だけを反射するので、B面に到達した g, b のうち b だけが下に向けて反射され、 gが残って直進します。 A面の上半分では、B面でまず b だけが下に反射され r, g が直進します。次にA面でrだけが上に反射されて、やはりgだけが直進します。 これが A, B 両方を通過して直進する経路で、たしかに緑だけを透過することがわかります。

r path は、A反射B通過です。Aで反射されるのは赤(r)。Bを通過できるのは r, g の2色なので、Aで上に反射したrがそのままB面を通過するか、あるいはB面を透過してきたr, g のうち r だけがAで反射されて上方向に進みます。

b path は A 面通過した g, b のうち 青(b) だけが B 面で反射されるか、あるいはB面で反射した青(b)がそのままA面を通過して下に進みます。

プリズムを90度回しても緑が直進するのは変わりませんが赤と青の方向は逆転です。

なお、A, B 両面で反射する最後の n 経路ですが、 AからBという場合は 反射されるのは赤だけなので、B面は透過し、この経路を利用する光はありません。逆にBからAに進む場合は青だけが反射され、青はA面を通過するのでこの経路も光はとおりません。つまり n path を通る光は実際には存在しないわけです。

自転車修理

うちの買い物用自転車の リアサスが完全にへたって底ヅキしており、ペダル軸が下がった結果、普通に平地を走行中に前から来る乗用車を避けるためにハンドル切ったぐらいでペダルが地面に当たって危なくてしょうがないので直すことにした。

しかし、サス部品はもう手に入らないらしく、分解して中身をみてもどうなっているのかさっぱり解らない謎の構造である。 類似の部品もどっかで売ってそうもない専用品のようなので全くお手上げかと一旦は思った。 そうだ思い出した。去年も似たような調査をやったんだった。

サスペンションをそもそもやめてしまう、という選択もあるんじゃないかとも思ったが、 リンク構造を剛体にしてしまうと、リアのスイングアームに設計以上のストレスが生じる。片持ちのスイングアームなので、破損する恐れがあり、しかも破損した場合はかなり危険な状態となる。 やはりピン接合とバネによる支持は残したい。

よく見るとサスはフレーム下底面にネジどめで、この部分にはサスを通してリアスイングアームからの圧縮応力が全部くる設計なので、相当の強度を持たせてある。 フレームはカーボンだが、これら要所は狭い範囲に圧縮応力がかかっても大丈夫なように金属が使われているようだ。 この部分とリアスイングアームのリンクの間に適当なゴムでも挟んでやればサスが復活するのではないか。

ということで使えそうなゴムを例によって monotaro さんに探してもらい、これに決定。 ブリヂストン クッションゴム EKタイプ

外径65 高さ 50 穴径16 許容荷重 高さ方向4KN というスペック。

レバー比5倍ぐらいとして体重と荷物合計700Nが乗るならここにくるのは3.5KNということで、まぁ大丈夫でしょう、ということでこれにしました。

スイングアームのサスペンション支点が直接にゴムにめり込むのはダメだろうということで分厚いステンレスのワッシャをかますことにする。こちらは外径45穴径20厚さ3のクソ分厚いステンレス板にした。

旅行に行ってる間に部品が届いたので再配達など面倒はあったが、材料がようやく揃ったのでアシナガバチの巣の下で部品加工開始である。まず、高さ50ミリは高すぎなので、サスペンション支点からフレーム底面までの距離を測定し23ミリで切断する。

こういうばかでかいゴムの塊を適切な寸法に切断するという経験は初めてだったが、鉄鋸でのんびりやっていたら、まぁなんとかなった。

サスペンションの棒というかピストンというかロッドというか、それが通る穴が16ミリでは小さすぎるので20ミリに拡張するわけですが、これは木材用のホールソーを使ってボール盤でやりました。かなり熱が出るので水を掛けながら低速でやりましたが、刃先が奥に入ると煙が出てました。

フレーム底面は台形で、ゴムバネよりも少し幅が狭いので、ゴムが底面にぴったりはまるように切断するなど細かい造作をナイフで行って、いよいよ組み立てです。

誰も乗ってなくてもサスにはある程度の力(プリロード)がかかっているのが普通なので、これがかかったままの状態で組みあがる寸法にゴムは切ってあるので、ロードをかけた状態じゃないと組み立てられない。

最初は妻に乗ってもらった状態で組めばいいと思っていたが、自分の体重ぐらいではどうにもならない事がわかり、ちょっとどうしようかなと思ったけどこんな段取りを組んだらなんとかなりました。補助ロープとカラビナとアッセンダーを使った、クライマーならどっかで見たことがあるような段取りです。

出来上がりの様子です。見事に当初のポジションが復活し、普通に乗れるようになったので、まぁよしとしましょう。


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