位相差光学系 クジラ チャイロスズメバチ (2018/08/12)


位相差顕微鏡

BH-2 を買ってちょうど一年ですな。この間いろんなものを見てきましたが、世の中にはいろんな顕微鏡があるらしいという事が徐々に判ってきたわけです。

いろんな顕微鏡が存在するわけは、いろんなものをいろんなふうに観察したいという目的と、光という物理現象の持つ多様な側面のおかげです。

中野さんおすすめのこの機種は、 Olympus の一世代まえの製品で、オプションを組み替えればかなり多様な要請に対応できた研究用の製品なので、今もいろんなオプションが流通している。とはいっても、普通の透過光学系以外はわりとマイナーで、それほど頻繁にはみかけません。

今回わりと手軽に導入できる位相差光学系というのを揃えてみた。

普通の顕微鏡は観察対象で透過あるいは反射した光を観察するわけで、その色か明るさの違いが像として見えるわけです。

しかし光は波なので波長(色)と強さ(明るさ)以外にも位相(というのは波のズレ加減の事ですが)も光の性質のうちです。位相がズレていれば互いに打ち消しあうので光は弱くなり、合っていれば強くなる(あるいは元の強さのまま)。これが干渉という現象です。

透明な試料は普通に光を通過させたり反射させたのではなかなか見にくいわけですが、もし、屈折率が異なる部分があったりしたらどうなるか? じつは屈折率の違いは光が進むスピードの違いが原因で起きるので、光が通過するのにかかる時間にも違いが出ることになる。通過するのにかかる時間が違うのなら、波のズレも同時にうまれる。試料を通ったズレた光と通ってないズレてない光の間の干渉像を見ることができれば、屈折率の微妙な違いがはっきりした濃淡の像となって見える。これが位相差顕微鏡のおおまかな仕組みですな。

酵母の通常の光学系と位相差光学系の比較です。

頬の細胞です。通常の透過光では「なんかあるかな?」という見え方なので、この対象にはかなり効果あります。

細胞壁を持たない動物細胞や原核生物の観察で組織を染色せずに(つまり細胞が生きたままで)鮮明に観察する事を可能にした非常に画期的な発明ということでこれを発明したゼルニッケさんはノーベル物理賞をもらいました。

現状です。一見すると普通の透過光学系と同じだけど、外観上の違いとしてはコンデンサもレボルバになっており、素通しと位相観察用のスリットが切り替えられる。これを対応する対物レンズと組み合わせて使う。いまのところ対応する対物レンズは10倍の一本しかないのですが、40倍は追加しようと思っている。6穴レボルバーも満員なのでその場合はどれかを外さないといけないが。

クジラ登場

鎌倉にクジラが来たと聞いて早速見に行ってきたよ。

クジラが居ない普通の浜は観光客で一杯なんだけど、こっちは地元民で一杯でしたよ。

その後の報道などではどこぞの研究所が持って帰ったとかなんとか。シロナガスクジラのこどもで、珍しいのだそうだ。

チャイロスズメバチ

まぁこれを飼うのもなかなか大変です。

今日はうちに6匹も入ってきて、3匹は出したんだけど残りは出ていかないので潰さざるを得ませんでした。だいたいライトに向かって飛んでくるので照明を消せばおとなしくなるんだけど、人間が充分に近いと呼吸か温度か何か知らんけどこっちに向かってくるぞ。


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