BHS用のLED照明自作 2018年の渡り 海の観察 (2018/09/23)


Olympus BHS LED 照明

今使っているのは100Wのハロゲン球を使うモデルで、圧倒的に強力な光源でいろんな観察法に対応しているのはいいが、位相差観察で撮影となると100Wで全開に近い光が必要で、そうなると本体から「ジジジ」みたいな音が聞こえるし照明の格納容器もかなり暖かくなるし、電気回路ぶっ壊れるみたいな話も聞く。つまり時代はLED照明らしいので、わしもやってみた。

ランプのハウジングに電源、冷却系などがすべて収まるように作るのが非常に大変で、元はハロゲン電球とその周囲の空間しかない場所にすべてをつめこまねばならない。

電源出力は最大12vの交流らしい。最大12Vといっても波を積分しての話なので、ピークはその1.5倍ぐらいあるのではないだろうか。 これを直流になおして、かつ、波も平坦化したい。その上で、100Wハロゲン球と同等の光量を確保する。また、本体横のスライダーコントローラで電圧が6Vから12Vに変化するのだが、これを使ってLEDの光量も加減したい。この仕組みをすべてランプのハウジングの中に詰め込む。これが工作の目標である。

どうも同等の光量を確保するとLEDの消費電力は10W前後というところらしい。元の電源供給部がそのままコレクタ光学系の焦点になっているので、できるだけその近所に小さくて強力な光源を置きたい、幸いそういう素子を売っていたので調達。

LEDも白熱灯ほどではないが発熱するので冷却が必要だが10Wともなると場所も狭いし強制空冷があったほうが間違いが無い。36ミリ角のファンつきヒートシンクを同じ店で見つけたのでこれを使う。5Vから12Vまでの直流電流で駆動可能なので今回の仕様にぴったりだ。

顕微鏡本体の6V-12Vの電源にささるプラグは自転車のステンレススポークから自作。そこからリード線を出して直流化電源を通し、電源の出口にLEDとファンを繋ぐ。これで、本体右のスライダで明るさとファンの回転数の両方をいっぺんにコントロール可能だ。

大変だったのは、やはりファンがあると機械的振動が発生し高倍率時にブレが出ることで、ランプのハウジング下にワインの栓で足を生やしたところ振動はなくなった。残った問題は、LEDの調光は特性が非線形なので思ったようにはいかないわけで、明るさを一番絞っても一般的な透過光学系の時はまぶしくて見ていられないというところです。しかし光を減らせば暗視野照明や位相差観察時の撮影で不具合になる。

ということで光が余っている時はNDフィルタで対応する予定。

電源投入すると、目玉を貫く強烈な光線がコンデンサから出てくる。スライダを動かすと光量が加減でき、さらに加えて冷却ファンの運転も変化する。端子のほぼ真上、かつてフィラメントがあった場所に発光部が位置しているのがわかるだろうか?ハロゲンバルブがそっくりLED、電源回路、冷却系からなるシステムに置き換わっているのだ。オリジナルのランプハウスと明暗のスライドコントロールをそのまま使ってLED化している例は少なく、電源は外部出しで元のスライダコントローラも動かなくなる改造が多いので、やった本人としては大得意である。

使った材料

使った道具

2018年の渡り

なぜか満腹のハチクマ氏 渡りの途中で俺らの近所の浜にきたトウネン一行。しんどそう。

サシバ ハチクマ。風切り欠損。 ハチクマ、先とは別個体。風切り揃い。

トウネンかわいいですねートウネン

海を見る

顕微鏡でな。

なんかの藻(無数の毛が生えている)と、それに無数にくっついているケイソウ。

淡水の植物プランクトンと一見して非常に様子が違いますね。

左の画像は位相差光学系ですが、以前なら100W全開で撮影していたのが本体から「ジジジ」みたいな音がしていたのが今ではそういう心配は全く無いです。

浜辺の砂です。緑色の石はカンラン石といってマントルの主成分です。


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