世はこともなく


どうも autoload 関連がちゃんと動かんのが納得いかないので, じっくりドキュメントを読んで, xemacs をインストールしなおしてみた. その結果, わかったことは, インストール作業の全貌が掴めていなかったので わしが無用の混乱を来していただけで, じつは xemacs のインストールは 簡単だということである.

xemacs のインストールには 3 つの段階がある.

それぞれの段階で気を付けることがあるが, 数も少ないしややこしくもない.

本体インストール

まず, 本体のインストールにおけるポイントは唯一, configure にどんなオプションを付けるか である. unix と X に関するある程度の経験があれば, ここでどういうオプションを付けるべきか, 見当が付くはずだが, 経験が無くても適当なデフォルトが選択されるようになっているので, 基本的には問題無い. もちろん, 日本語使いたければ, --with-mule は 必須.

configure で唯一, 気を付けるところがあるとすれば, Input Method つまり 日本語入力関連だ. 選択は幾つかある. まず, 直接に日本語変換サ-バと通信して入力するのか, あるいは, 直接入力ではなく kinput2 のような仲介を通すのか. という選択. もし直接入力を使うのであれば, --without-xim にしないと具合が悪いかも. というか, そっちのコードは無駄ですよね? 多分, ほとんどの人は, 直接入力で日本語を使っていると思います. 次に, どの入力/変換プログラムを使うのか, という選択だが, これは 皆さんおなじみの "skk" とか "かんな" とかを configure のオプションで指定すればいい.

各種 LISP パケジ

次に, ワシが散々はまった 各種 LISP パケジのインストールだが, これは, パッケージがインストールされるディレクトリに関する 慣習を知っていれば問題無い. それは, LISP パッケージは, PREFIX/lib/xemacs/ 以下の site-packages, xemacs-packages, mule-packages のどれかのディレクトリにインストールすると, xemacs の起動時に勝手に認識されるというものだ. そういう風に, 勝手に認識される path を増やしたり変更したければ, configure 時に指定できるようです. ただ, 特殊な設定でもないかぎり, 基本的にスタンドアロンで使う場合は デフォルトで十分でしょう.

PREFIX/lib/xemacs 以下の, それぞれのディレクトリには こんなふうに 幾つかのディレクトリが掘られる. で, 読み込みたい lisp のソ-スや byte-compile されたファイルは "lisp/パッケージ名" というディレクトリに入れると 起動時に適当に読み込まれるみたいです.

たとえば, 自分で勝手に追加したり書いたもの "hoge" は, "site-packages/lisp/hoge" に 入れれば, これもまた起動時に勝手に認識されます. 自分で site-packages/lisp/ を切って, インストール場所に関する 上記慣例にしたがっておけば, それ以上手で load-path なんかを設定する必要はありません. "prefix/site-packages/lisp/hoge/" 以下の ディレクトリに lisp のコ-ドだけ入ってれば大丈夫です. ただ, autoload とかの設定は, 適当にする必要があるかも.

LISP のパケジは, 全部セットになってる「すもー」があるんで, これが便利. 日本人には mule な「すもー」も用意されているんで, これも get. これらのパケジは PREFIX/lib/xemacs 以下で単に展開すると, xemacs-packages と mule-packages というディレクトリを 掘ってくれ, その下にさっき書いたディレクトリツリーを構築する. じつは, LISP パッケージに関してユーザがやることはこれでおしまい. ユーザが自分で設定するところは皆無.

自分でインストールするパケジも, irchat-pj みたいに make のターゲットに install-package を持っているものなどもあり, これを指定すると xemacs が 勝手に良きにはからって site-packages/ 以下にインストールしてくれるんで, 楽勝.

設定の引っ越し

あとは設定の引っ越しですが, これは起動時のオプション "-debug-init" でおかしいところを 適当に直して行けば, 普通は大丈夫でしょう. 上のようにして各種パケジをちゃんとインストールしておけば, ヘルプシステムは完璧に動くはずなので, あとの引っ越しはなんとかなるでしょう. 私としては, XEmacs 装備の "apropos" が強力なのに強い印象を受けました. とても関数を捜しやすいので, コードがずいぶん短くなったりもしました.

X のリソースで, 窓のサイズを指定していた人は, リソースクラス名に気を付けて下さい. GNU-Emacs 19.x の時は, Emacs*geometry だったのですが, これだと不正なリソースクラス名になります. Emacs.geometry を使いましょう.

ただ, フォントや色などの設定は X のリソ-スを手で書くよりも edit-face を使う方が良いかも. メニューの Options の下の方にあるんで, 実行してみよう. emacs-19.x ユーザの私はドギモをぬかれましたね. Mac しか使ったことのないユーザが, これで思い通りの設定を作れるとは思えませんが, 私如きがインストール初日にフォントと色を好きなように直せたということは, かなり優れている, 意欲的な作りといって良いでしょう. カスタマイズのための様々な仕組みが LISP の方で用意されていて, そういった仕組みとあいまって, このようなインターフェースが 作られているようです. この辺も, emacs-19.x とは大きく異なるところですな.

以上です.

余談ですが, 本体のインストールで書いた input method の選択ですが, ユーザが手で elisp を書かなくても, 設定はメニューから可能です.

ブラウザ "w3" のために, せっかくだから, 画像のサポートも入れてコンパイルしてみた. これ, なんかずいぶん酷くなったな. debug オプションつけた mozilla の方が速いぞ. こりゃステ. うはー. find-file で hoge.png を開くと, 画像がエディタ画面に表示されてるよ. すげー. でも, 何に使うんだ? むー. というわけで, いまいち理解不能な機能も無くはない. でも, XEmacs-21.x は, mule-2.3 に比べると, かなり具合良いかも. いつも使っているハードウェアのスペックは次の通りです.

CPU P5/150MHz
メモリ 56MBytes/60MHz
ビデオ 800x600, 16bit/pixel

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